ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ハチの話。8。ハチだけに。

2020-09-29 06:23:00 | Weblog


ハチの入居から三週間くらいが経っただろうか。

蜜源は充分。ハチの活動は活発。
そろそろ蜂の巣も延びて、重箱を足して三段か四段にするっかなぁ。とかね。

オザワジィの栗林へやって来て、iPhoneを蜂箱に差し込んでカシャ。

「あれ?巣が見えてる」

「あれ?おっかしいなぁ」

「あれ?ハチ、減ってないか?」

これは由々しき問題である。

女王蜂は毎日三千個くらいの卵を産んで、毎日三千匹くらい増えて、寿命が来てお亡くなりになるハチがいるとしても、この時期はガンガン増えていくはずなのに・・・減ってんじゃーん!

一昨年に蜂の師匠キムキムニーヤンから頂いた蜂の群れは、見事な巣を作った。秋には採蜜をした。巣箱の周りを藁の束で囲って寒い冬を乗り越えた。春になって再び蜜を集め始めた頃、全滅した。おそらく、アカリンダニのせいだろうとキムキムニーヤンは言っていた。

その後、二回、キムキムニーヤンから蜂の群れを頂いた。その二回とも、営巣し始めてまもなく全滅した。

新しく巣を作る群れの女王は、まだ後尾をしていない。後尾をするために巣箱を出て外の世界へ。オスの蜂がたむろする場所があるらしい。そこへ行って後尾をする。後尾は一回だけでいいらしい。巣に戻った女王は、その後延々と卵を産み続け群れを発展させる・・・と。

キムキムニーヤン曰く、後尾のたまに外の世界へ出た女王蜂が事故にあったんじゃないか?そういう可能性もある。ということだった。

話は戻って。
巣が大きくなっていない。
鉢の数が減っている。

つまりそれは、この群には、すでに女王がいない。ということになる。
女王がいなくても働き蜂は働く。なぜならば、働き蜂だから。そして寿命が尽きると死ぬ。新しい蜂が生まれなければ、群れは小さくなって、いずれ消える。

・・・ハチさんがいなくなっちゃう。

大切なこと。

2020-09-29 03:24:00 | Weblog


秋です。
秋なのに、庭の枝垂れ桜の花が咲いています。狂い咲きというやつです。雨に濡れて薄曇りを背に可憐に咲いています。

秋です。秋といえば・・・北海道。
そういう意味じゃなくて、秋といえば北海道。
そういう意味じゃなくて、秋には北海道にいたい。という意味。
なぜならば、秋は、美味しい。春と夏の北海道がどんなに綺麗であったとしても、秋の北海道の美味しさには到底叶わない。

昔、秋の北海道を旅している時に地元のおじいに言われた。
「秋なんて何もねーよ、春に来い」

「春になんて来ない」と心の中で僕はつぶやいた。
だって、春は、鮭もサンマもシシャモもマツタケもないじゃないか。

ははは。そんなことはいい。

今年も秋の北海道へ行けなかった。コロナが嫌だから。コロナをなめてると痛い目に遭うから。去年は行けなかったから、今年は行きたかった。行こうと思っていた。
コロナのせいで、ライブも旅も出来ない。
コロナ怖い。

北海道といえば、何かとお世話になっている人がいる。嶋田家の人である。けんちゃんとめぐちゃん。

時々、我がブログを見返していたりすると、僕がどれどけ嶋田家の二人に世話になってきたかがわかって驚く。二人に色々なことを教わって来たのかがわかる。

この世界は良くない方は向かっているような気がする、僕は。この国はまったく良くない方へ向かっているような気がする、僕は。
僕が思ったり書いたり、はたまた歌ったり、はたまた怒ったりして来たのは・・・
僕らの世界が少しでも優しくなりますように・・・という願いを込めて、だったりするのだが・・・
最近の僕はというと、願い自体は変わらないものの、「なんとかバカと関わらないで生きていく方法はないものか?」とか「なんとか世の出来事を遮断して生きていく方法はないものか?」と隔世することばかりを考えていたりするのである。ここにたどり着くのにも、それなりの道程と理由があったのだけれどね。

めぐちゃんは戦う人である。
この世界をより良い方向へ導くために戦う人である。

なんのために?

僕らの後の世代の未来のために。

それはまるで当たり前のことなのに、当たり前だと思わない人が多すぎて、世界がねじ曲がっていってしまう。

さて、ここからが本題。

めぐちゃんからメールが届いた。
協力してくれとメールが届いた。
僕はいくらでも協力する。署名もする。
誰のために?
僕らの未来のためにだよ。
めぐちゃんから届いたメールをそのまま載せる。
賛同してくれる人がいたら協力して欲しい。
誰のために?
僕らの未来のためにだよ。

ねじ曲がった世界の中でずっと生きていくのは・・・苦しすぎる。


ところでしんぐにもお願いしようと思って又メールしました。
高レベル放射性廃棄物最終処分場、寿都に続いて神恵内村も名乗りをあげ、今日明日にでも決まってしまいそうな勢いです。
伝えるジャーナリストはほぼ皆無。なんか圧力あるのかな。出来上がったストーリーなのかなと思いつつ、町村役場に直接電話やメールに抗議したり、抵抗を試みています。

日本の種を守る会というところのFacebookにも何とか全国に知らせて反対の署名活動に誰か協力してと訴えました。

超長文になりますが以下にのせます



 「すみません、こちらに書くものではないと思いつつ、どこに協力を求めたら良いのか解らず、こちらにも書かせて頂きます。

今北海道の寿都町と神恵内村というところで高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場について同町村が巨額の交付金が入るということで名乗りをあげている問題です。
北海道全体の問題なのに調査の応募についての決定権は町村のみにあります。

いくら有機農業や自然栽培を普及させたり放牧の酪農家さんや種苗法を守ったとしても、核のゴミを北海道に持ち込まれてしまえばおしまいです。
町村ではもう今すぐにでも応募するつもりでいます。

北海道では連日大きく取り上げられていますが、全国的にはあまりニュースになっていないと聞きました。これを伝えて下さるジャーナリストの方は殆ど皆無です。

もし、この誘致に対して反対の意志を伝える事にご賛同頂ける方がいたら、以下の署名にご協力頂けないでしょうか?

「北海道を核のゴミ捨て場にしないことを強く求める署名」

生活クラブの要請文です。

要請事項を寿都町の文献調査応募を行わないこと、幌延での深地層研究終了を
求める事の2点で北海道知事に提出する署名を行うことになりました。
是非、皆様のご協力をお願いします。
1次集約を9月30日として10月知事に提出予定です。
あまり時間がありませんが、ご協力をお願いします。

生活クラブ生活協同組合

署名用紙は、こちらを印刷して下さい。
https://tomari816.com/blog/wp-content/uploads/2020/09/20200831_suttsu_horonobe_syomei.pdf

本来は9月30日迄の期限なのですが、取り纏め提出するのは10月末日だそうです。もう時間がありません。生活クラブさんに直接送って頂けないでしょうか?
(生活クラブに直接送っていただければ、10月以降でも、受け付けて下さるかもしれません。)
生活クラブ生活協同組合・北海道 ☎011-665-1717 FAX011-665-2325
です。

そして子ども達の未来のために町村内で反対の声をあげている住民の方達を応援してあげて貰えませんか?
宜しくお願い致します。

「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」
https://www.facebook.com/106569234530018/posts/110088610844747/

北海道子育て世代会議
https://peraichi.com/landing_pages/view/kosodatesedai

反対、賛成の分断を作るのではなく別のかたちでアプローチができないか…考えをともにする仲間達とこれからも考え行動していきたいと思います。

想いに賛同いただける方は、サポート会員も募集してますので、よろしくお願いします。https://ws.formzu.net/dist/S23461820/

■南後志の環境を(あらためて)考える会の総会・学習会 動画配信

先日行われた黒松内での学習会の動画がYoutubeにアップされましたのでご紹介させて頂きます。

タイトル「寿都・黒松内の地層について~持続可能な未来づくり(SDGs)の視座から見た原発と放射性廃棄物の最終処分について

黒松内、寿都周辺に住んでいない方にもぜひご覧いただきたい内容です。

この先の核ゴミ、原発の問題を考えていく上で、非常に為になるヒントや情報が盛りだくさんの内容でした。ぜひ、ご覧いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

フルバージョン(2時間7分17秒)  https://youtu.be/kLYeWkNLwrI
                                                                」

と、いうことで
しんぐにももし良かったら生活クラブというところの署名にご協力頂けないでしょうか?

もはや私、命捨ててまーす笑
私みたいな小者は大した注目はされないとは思いますが…。
私個人には守るものがないからね、守りたいとしたら子ども達の未来だから。
お産介助しててもね、今のお母さん達殆ど世の中の事無知で無関心でさ、君達の子どもの未来の事なのにな、と思っちゃう。
この世でちまちま小賢しく生きるより、正しいことは正しい、いけないことはいけないと声をあげていきたいと思っております。

良かったら宜しくね🎵





ハチの話。7

2020-09-27 01:31:00 | Weblog


ハチの待ち箱。ニホンミツバチの待ち箱は主に「重箱式」というものを使う。四角に組んだ箱を段々に重ねていくから重箱式。

ハチを待つ時は二段だけ組む。
ハチが入居して、巣が大きくなって来たら、三段目を足して、さらに四段目を足して、と増やしていく。ハチは箱の天井に巣を作って下へ巣を延ばして行くので、下の方は箱を足していく。

秋になってハチさんの群れから蜂蜜を頂く時は、一番上の一段だけを採る。
ハチの巣には蜂蜜を貯める所、幼虫を育てる所、卵を産む所、と色々ある。
巣が延びて行くと、上段は蜂蜜貯蔵庫になる。だから上段をいただく。仮に、四段の重箱を組んだとして、上二段が蜂蜜貯蔵庫だとしても、上一段だけいただく。ハチさんが貯めたハチミツは、ハチさんが越冬するための大事な食料だから、全部いただくわけにはいかない。ハチさんは寒い冬を身を寄せ合ってやり過ごし、春になるとまたハチミツをたくさん集めて来てくれる。

ハチさんの仕事の一つに、貯蔵蜂蜜を羽であおいで水分を飛ばすというものがあるらしい。水分があるとハチミツは発酵してしまう。だから、水分を飛ばす。羽であおいで飛ばすのである。過酷な作業なのである。出来ることならやりたくないのである。
水分が飛んだら蓋をする。あの六角形のハチの巣、キチンと蓋がしてあったら、そこには完熟のハチミツがはいっているということになるのである。

さぁ、今日もハチさんに会いに行こう!と出かけたりして、三日に一度くらいはハチさんに会いに行ったりして。

巣箱の中をチェックしなければならない。内見という。巣門の蓋はパカッと開くようになっている。
ハチさんが慌ただしく出入りするのも気にせず、巣門の蓋をパカッと開ける。iPhoneを差し込む。カシャっと撮る。
これを定期的にやる。
ハチの群れの状態をチェックするのである。

写真は入居仕立ての蜂の群れなのである。何匹いるのかは定かではないが・・・まぁまぁたくさんいる。

ハチの巣箱の上に雨除けの屋根を付けてあげたり、蜂箱の底に溜まったゴミを掃除してあげたり、僕は甲斐甲斐しくハチさんのお世話をするのである。

オザワジィに会った。
オザワジィがハチの話をするので、僕は言った。
「三日に一度は行ってるよ」

オザワジィは言う。
「なんでうちに寄らないんだ?寄ってくれないとお茶が出来ないじゃないか」

まぁねぇ。でも、三日に一度、「こんにちはぁ!お茶しに来ましたぁ!」とか、言いにくいじゃんか。

オザワジィもちょくちょく栗林の蜂箱をチェックしてくれているらしい。

春、栗の花が盛りである。蜜源が多いほど、ハチの群れは大きくなる。
栗の花のハチミツ。ニホンミツバチのハチミツは百花蜜。色々な花の蜜の味がするのだが、今はとにかく栗の花。巣箱の周りは栗の花のだらけだ。

どんな味になるのだろう?

オザワジィに、本物のハチミツを食べさせてあげたいなぁ。

ハチの話。6

2020-09-26 01:29:00 | Weblog


蜂箱の隣に腰を下ろす。
栗林だけに、栗のイガに気をつけながら腰を下ろす。
横にある蜂箱の巣門、入り口を眺める。
ミツバチが次々と巣門から出てきて羽ばたいていく。
どこかで花の蜜を吸ってきたミツバチが戻ってきて、ヨチヨチと歩いて巣門をくぐって中へ入っていく。

これ、どれだけ見ていても飽きない。しびれる。可愛い。

一説によると、ミツバチが花粉を運びはじめたら安泰らしい。安泰というのは、その群れがその場所に居付くことを決めたということ。あくまでも一説によるとね。

ミツバチが両脇に黄色い花粉を抱えて帰ってくる。


ふふふ・・・安泰。

花粉を抱えて帰ってくるミツバチは花粉の重さで、いつもよりさらにヨチヨチと歩く。さらに可愛い。

ふふふ・・・安泰。

当初はこういう計画だった。

万が一、宝くじの確率で巣箱に蜂の群れが入ったら。
蜂の群れが寝静まった夜の内に、巣門をパタンと閉めて、蜂箱を車の荷台に積み込んで、我が家の庭に再びセット!
朝になって目が覚めて外へ出てきたミツバチは「あれ?なんかいつもと違うな?」と思いつつ、花の蜜集めに向かう。

一説によると、ニホンミツバチの行動範囲は半径約2キロ。巣箱の移動が2キロ以内の場合、元の巣箱があった場所へと戻ってしまう可能性がある。2キロを越えていれば大丈夫。一説によるとね。

オザワジィの栗林と我が家の距離は4キロ以上あるし、ひと山越えるし、大丈夫なはずである。

実際に蜂の群れが入居して、考えた。
移動するべきか、しないべきか。
移動すれば、庭の蜂箱を毎日観察できる。だがしかし、リスクもある。ジムニー号でガタンゴトンと運ぶ時に、巣箱の中に出来た蜂の巣が落ちてしまう可能性がある。ミツバチたちにもストレスを与えることになる。

ハチの出入りを観察しながら、僕は考える。

「ここに置いておこうかな」

せっかく宝くじが当たったわけだ。このチャンスを人為的ミスで失いたくはない。

僕はオザワジィに言う。

「蜂箱、あのまま置いておいてもいい?」

オザワジィは言う。

「いいよぉ」

今日はハチさんに会いに行こう!
そんな感じで、三日に一回くらい、僕はオザワジィの栗林へ通うのである。

ハチの話。5

2020-09-24 03:50:00 | Weblog



オザワジィの栗林。

なるほどなるほど。
確かに。

上を見上げると、栗の木の枝の間から空が見える。

なるほどなるほど。
そりゃあそうだろう。

いい景色だが、今はそれどころではない。
ハチが蜂箱に入っているかどうか、確かめねばならない。
西洋ミツバチでもいいが、出来ることならニホンミツバチがいい。

ソロリソロリと蜂箱のそばへ近寄る。

ハチ。

いた。

ハチがいた。

可愛いニホンミツバチが・・・いた。

奇跡が起きた。

これ、おれのニホンミツバチ。
おれがオザワジィの栗林で仕掛けた箱に入ったおれのニホンミツバチ。

信じられない。
こんなことが起きるなんて。

うへへ。やったぜ。

ハチの話。4

2020-09-23 03:27:00 | Weblog



蜂箱を置いてから一週間。
オザワジィから電話があった。

オザワジィが言う。
「栗林を見に行ったんだよ。そしたらな、蜂が飛んでるんだよ」

えっ!蜂が入ったのか?マジか!

「えっ、蜂が入ったんですか?」

オザワジィは言う。
「上を見上げると栗の枝の間に空が見えるだろ?そこにな、五匹くらい飛んでるんだよ」

えっ?マジか?それは蜂なのか?
「えっ?蜂箱に蜂が入ったんですか?」

オザワジィは言う。
「上を見上げるとな、栗の枝の間に空が見えるだろ?そこにた、五匹くらいな、蜂が飛んでるんだよ」

オザワジィ、それはさっき聞いたよ。蜂箱に入ったのかって聞いてんの。
「えっと、蜂箱に入ったってことかな?」

オザワジィは言う。
「空を見上げるとな、栗の枝があるだろ?その間をな、蜂が五匹くらい飛んでるんだよ」

オザワジィ、まだ言うか?それをまだ言うのか?それは聞いたって言ってんの。
「蜂箱に入ったのかなぁ?ハチ」

オザワジィは言う。
「うん、入った」

ちょっとよくわからない。よくわからないよ、オザワジィ!
「今、行きます!」

ジムニー号でオザワジィの栗林へ向かう。
向かう道中に思うのである。

「宝くじ、当たっちゃったのか?そんなことがあるのか?ミツロウだけで入るのか?そんなことあるのか?」

果たして、ハチは蜂箱に入っているのだろうか?

ハチの話。3

2020-09-21 23:28:00 | Weblog




オザワジィの家の裏に小高い山があって、その山の一部がオザワジィの土地で、その山に栗が植わっている。栗林。
オザワジィはミカン畑も持っているから、ミカン畑でもいいかなぁと思ったのだけれど、オザワジィが「栗林の方がいいんじゃないか?」と言うので栗林にやって来た。

栗林からの見晴らし、とても良い。ハチさん、来るかな?

蜂箱を仕掛ける。
蜂箱は自作。

ハチの師匠のキムキムニーヤンが言っていた。
「蜂箱に蜂が入る確率は、宝くじと同じだ」

そう、野生の蜂が、蜂箱に入って営巣する確率は、恐ろしく低い。らしい。

だけど、やらねばならぬ。やらねばならぬのだ。ハチミツ、食べたい。野生のハチミツ、食べたい。

キンリョウヘンという花がある。ミツバチはキンリョウヘンの香りに引き寄せられて、蜂箱に入る。つまりキンリョウヘンがあれば確率が上がる。すごく上がる。
キンリョウヘン・・・僕にはそんなものはない。確率は下がる。

キンリョウヘンの匂いの成分を使った、人工の蜂寄せグッズが売っている。それを使えば、確率が上がる。すごく上がる。
そんなもの、僕は持ってない。すごく高い。だから持ってない。確率は下がる。

ミツロウ・・・蜜蝋。ハチの巣を茹でて溶かして冷やして固めたもの。これはある。
ミツロウを塗る。蜂箱の天井や壁や入り口に塗る。バーナーで燃やしてくっつける。
ミツロウの匂いに引き寄せられてミツバチがやってくる。確率がほんの少しだけ上がる。何もしないよりはマシというくらいの確率は上がる。

栗林の上の方に二つ。栗林の下の方に一つ。蜂箱を仕掛けた。
仕掛けたといっても置いただけ。ただ置いただけ。

あとは、待つ。春に入らなければ、終わり。また来年の春を待つ。宝くじの確率。つまり、ほとんど入らない。
一年に一回、宝くじを買う。そんなイメージ。

「まぁ、入らないだろうなぁ・・・」

やらなければ入らない。やれば入るかもしれない。でも、まぁ、入らないだろうなぁ。

ハチの話。2

2020-09-19 03:34:00 | Weblog




今は夏の終わり、秋の入り口か?
今年の春、僕はせっせと蜂箱を作っていた。いなくなってしまったミツバチを呼び込まなくてはならない。ミツバチを呼び込まなければハチミツが採れない。ハチミツが採らなければハチミツカフェを名乗れない。

車で10分くらいの近所にオザワジィが住んでいる。
僕は出来上がった蜂箱を三つ積んで、オザワジィの家へ向かった。

オザワジィの家へ着くと、オザワジィは庭先でコンコンと何かやっている。
「あっ、椎茸の種駒打ちだ!」
それにしてもすごい数の椎茸の原木が転がっている。
オザワジィ、御歳78。100本近いナラの木を手鋸で伐ったらしい。
僕は言った。
「来年はオレがチェーンソーで伐ってあげるね」

オザワジィが言う。
「原木、何本か持っていくか?」
僕は言う。
「うん、持ってく」

自分の分は自分で種駒を打つ。オザワジィが指南してくれるのだが、僕は椎茸の種駒打ちもナメコの種駒打ちもやったことがあるので、実のところ得意なのである。
ドリルでブィーンブィーンと穴を開けて、種駒をコンコンコンと打ち込んで・・・。

オザワジィが言う。
「上手いなぁ。おれより上手いよ。来年は全部やってもらおう」
僕は言う。
「いいよ。来年はオレがやってあげるよ」

椎茸の種駒打ちが全部終わったところでオザワジィが言う。
「これから安藤さんのところへドリルを持っていってやるんだけど、載せていってくれるか?」
僕は言う。
「いいよ。載せていってあげるよ」

車でブーンと走る。安藤さんのことは全然知らないが、安藤さんの家は僕の家のすぐそばだった。
おじーさんやおばーさんにたくさん会った。オザワジィはおじーさんやおばーさんと話し込んだらしている。
オザワジィが僕のことを話しているのが聞こえる。
「あの子はうちへよくお茶を飲みに来てくれるんだよ」
おじーさんやおばーさんが言う。
「あら、いいわねぇ」
オザワジィが嬉しそうに話していて、僕はちょっと照れる。

オザワジィの家へと戻る。

なぜオザワジィの話をしているのかって言うとね、僕はオザワジィに聞いたわけだ。
「オザワジィの栗林に蜂箱を仕掛けてもいい?」
オザワジィは言ったわけだ。
「いいよ」

さぁ、余興は終わりだ。
いざ!栗林へ!

つづく。

ハチの話

2020-09-16 23:07:00 | Weblog
先週だか先々週のゲリラ豪雨の時に吹いた突風で、庭のミモザの木が倒れた。
大して太い木ではないのだが・・・直径25センチくらいだろうか・・・倒れてみると結構な惨状である。
我が家は借家なので、庭の木も大家さんの持ち物ということになるので、勝手に片付けたりするわけにもいかない。特段自分で片付けたいわけでもないので、大家さんの訪れを待つ。そして二週間くらい経ったかな?
大家さんにその旨を伝えた。片付けるという風でもなく、片付けてという風でもなく、「ふーん」という感じだった気がする。
「ふーん」・・・。
そんなわけで、我が家の庭のミモザの木は未だ倒れたまま。きっとしばらくは倒れたままであるような気がするな。

大家さんが来て言っていた。

「そこにスズメバチの巣が出来てるから、気をつけてね」

そこってどこですか?

「そこのツツジの木の根元辺り」

見に行ってみると、30センチくらいのスズメバチの巣。スズメバチがガンガン出入りをしているではないか。

なんと、我が家の庭からわずか5メートルの距離。いや、5メートルもないな。3.5メートルくらい。ジムニー号からわずか3.5メートル。

うへぇ!こっわー!

ミモザの倒木の片付けはしてくれなさそうだが、スズメバチの巣の退治はしてくれるそうである。
軽トラに乗ったまま、軽トラの窓を少し開けて、開いた隙間にガムテープで目張りをして、殺虫剤を巣に目掛けて噴射するそうである。

大丈夫なのか?

みんな、無事でありますように。

ハチの話ついでに、今年のミツバチの話を書いていこうと思う。そう思うんだよ、僕は。