まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

インドネシアからも呼ばれているような

2012-04-01 17:16:39 | ビジネス

「なぜ君はインドネシアを目指さないのか?」
という殺し文句(?)におびき寄せられて、
VANGUARD定例イベントなるものに出かけて
きました。個人的な興味としては、シンガ
ポールやインドのほうが優先順位が上だし、
実際の仕事の量としては、中国のほうが多いし、
香港のほうもあるし(実際、これを書いている
今も実は香港)、正直インドネシアを目指して
いる余裕はないのですが、今後の東南アジアを
考える上で、巨大市場のインドネシアは無視
できないと思っていたので、金曜日の夜では
あったのですが、出かけてみたのです。

主催はTechWave副編集長の増田真樹さん。
ターゲットはIT系のスタートアップを目指し
ている若者たちということだったので、自分
のような人間は場違いかもしれないと躊躇も
したのですが、当日の朝、自分の中のDNAが
自律的に反応するという感じで、指が勝手に
オンラインでの申し込みボタンを押していた
のでした。

最初にインドネシアに行ったのは、今から
20年以上も前になります。日本の電気通信の
会社が東南アジアで企業広告をスタートすると
いうので、その事前調査をするためでした。
広告のクリエイティブ案をいくつか持って
行ったのですが、フォーカスグループ・インタ
ビューをしたら、インドネシアのグループが
一番好意的なコメントを返してくれたのが
印象的でした。(ちなみに一番批判的意見が
多かったのは、香港とシンガポールでした)

それからその企業広告の撮影の立ち会いで
再びジャカルタに行ったりもしたのですが、
その企業広告のシリーズは、アジア各国の
ビジネス誌を使って、その後8年間続く
ロングランになります。

1996年、ある日本の家電メーカーの東南
アジア向け広告キャンペーンの競合コンペ
に現地オフィスもないのに勝利してしまい、
その後、10年間、私はシンガポールに住む
ことになってしまうのですが、飛行機で
1時間ほどで行けるジャカルタには何度か
出かけました。展示会だったり、打ち合わせ
だったり、CMのインドネシア語への吹き
替えのレコーディングだったりいろいろ
でした。

1997年のアジア通貨危機。それに続いて
ジャカルタは暴動に巻き込まれるのですが、
見覚えのある電気店が入っている建物が
炎に包まれているのをテレビで見たときは
衝撃でした。それ以来、インドネシア関係
の仕事はほとんどなくなってしまいました。

2007年、シンガポールから香港に移って、
インドネシアからますます遠ざかったなあ
と思っていたら、香港には実に沢山のインド
ネシア人がいるのを知って驚きました。
香港はフィリピン人メイド(家政婦)が
多いとは知っていたのですが、実はインド
ネシア人メイドのほうが数が多く、何と
10万人以上もいたのですね。

香港のビクトリア公園の日曜日は、インド
ネシア人(ほとんど女性)で溢れています。
近くには、インドネシア人向けのスーパー、
レストラン、弁当屋、両替/送金所、携帯電話
のプリペイドカードの販売所などがあり、
ここはインドネシアかと思えるような場所です。
近くにインドネシア大使館もあるんですね。

こちらは以前、ブログに書いた記事です。
香港のインドネシア人メイドの日曜日(前編)
香港のインドネシア人メイドの日曜日(後編)

ということで、インドネシアとは多少の縁が
あったので、「君はなぜインドネシアを目指さ
ないのか?」と呼びかけられたとき、英語で
言えば”Why not?”(もちろん目指すとも!)
と思ってしまったのであります。

そのセミナーは、若くて無限の未来を持つ
若者で溢れていました。日本は不況で意気
消沈しているかと思いきや、ポテンシャルに
溢れている人々がいる。もしこれが幕末の
時代だったら、松下村塾とか、坂本龍馬の
周辺はあるいはこんな雰囲気だったのでは
ないかとふと思ったりしたのでした。



青山一丁目のサイバーエージェント・ベン
チャーズのスタートアップベースキャンプ
という場所で行われたのですが、会場は
いきなりのネットワーキングの場になって
おり、ビールやピザなども用意されていました。
セミナー自体も質疑応答が途切れなく、
まさにインタラクティブなセッションで
した。

セミナーの内容も実に面白いものでした
が、インドネシアは親日的で日本の文化も
大好きなんだけれど、日本人が好きなものも
大好き、つまり日本人の好きなK-POPや、
韓国ドラマが大好きということで、文化的に
は韓国のコンテンツが日本の物を凌駕して
いるというような話が面白かったです。
インドネシアでもLGやサムスンなどの韓国
製品が大人気なんだそうですが、日本で
K-POPや、韓国ドラマを流行らせておいて、
そのトレンドをそのまま、インドネシアなど
のアジア各国に敷衍させている、というのが
韓国の戦略的シナリオであったとしたら、
これは恐ろしやということになりますね。

AKBのインドネシア版のJKTがデビュー
しているのですが、これに関しては、インド
ネシアのサイバーエージェントを立ち上げ
られた鈴木さんは、「あまり流行らない」と
行っています。JKTのコンセプトはAKB
と同様に、可愛くて、子供っぽい、そして
素人っぽい集団ということなんですが、
「そいういうのはインドネシア人はあまり
好きじゃない。むしろ韓国のスタイルが
抜群で、ダンスにも切れがるようなのが
人気」と語っていました。アジアでは、
家電携帯だけでなく、エンターテインメント
の分野でも日本は韓国に負けているのかと
ちょっと悲しくなりました。

ところでこの会場となったサイバーエー
ジェントのオフィス。この会議室がめちゃ
くちゃかっこいい。こっそり撮影させて
もらったのですが、有名人の言葉が半透明
の壁面に書かれているのです。昔、「恋ノ
チカラ」というドラマで登場する広告代理店
のオフィスに、”I have a dream”というマーチン
ルーサーキングの言葉がこんな感じで出ていた
のを思い出しました。

こちらはマイケルジャクソンの言葉。


そしてこちらは、織田信長の言葉です。


なんかこういうオフィスは羨ましいと思いました。
こういうセミナーとかって、話の内容以上の
いろんな刺激を受けることができるのがいいと
思います。

こちらもよろしくお願いいたします。

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