インドの二輪車市場でのトップシェアを
誇るヒーロー・モトコープ。2012年2月
時点でのシェアが56%。以前はホンダと
の合弁で作ったヒーロー・ホンダという
ブランド名でインドの二輪市場を制圧し
たのですが、2010年末、海外拡販を志向
するヒーロー側と、インド国内での拡販
を志向するホンダ側の思惑の違いにより
とうとう合弁解消となったのです。
ホンダは自社ブランドでの販売を行って
いるのですが、2012年2月時点のシェア
は7.5%。二位のバジャジ・オートに次い
で第三位となっています。ホンダはいずれ
首位を奪回しようと計画をしているのです
が、王者ヒーローはホンダなしでも首位を
維持しようとしています。
上の画像はヒーローのホームページ。
"Join AR Rahman & A Billon Others"と
いう文字。ARラーフマンとは今のインド
では最も売れっ子の作曲家・ミュージ
シャン。「その他10億人」とは現在の
インドの人口を表す数字です。
実は最近のヒーローのCMの曲をARラーフ
マンが作曲し、これがヒットしていたの
ですね。あまりに評判になったため、
この曲をベースにした映像を一般から募集
して、採用されれば、テレビコマーシャル
に使われるという企画。インドでは一般の
人が動画をそんなにアップするのか疑問
だったのですが、実に沢山の人がアップ
しています。
まずはこちらがオリジナルのCM。
この歌詞が、ヒーローはあなたの中にいる
ということでインド人が聞くとじーんと
くるようなんですね。マライヤキャリーの
"Hero"の歌と同じような歌詞ですね。
そしてこちらが、ARラーフマンが登場して
いるバージョン。
で、こちらがいよいよ、一般人が登場して
いるバージョン。
YouTubeでHero Billion Voices TVCで検索
するといくつも出てきます。インドの田舎
の人々をファンに取り込むにはなかなかいい
キャンペーンです。ヒーローはホンダと別れ
てもインド人が誇りに思う国民的ブランドと
なり、本家のホンダに対抗していくのだと
思います。
こういうヒーローのマーケティング戦略を
見ていると、ホンダがこの先、どのように
戦えるのか心配ではあります。ブラジルや
インドネシア、タイなどの途上国では
トップシェアを誇るホンダが、巨大二輪
市場のインドで首位を奪回できるかどうか
今後の戦いが見物ですね。
こちらがヒーローのサイトです。
https://www.billionvoices.in/
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