まわる世界はボーダーレス

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再び自由に海外旅行ができるようになる日はいつ?

2020-06-19 19:18:55 | トラベル
航空機での渡航が制限されて久しいですが、国際民間航空機関(ICAO)のサイトに、各国の国際便の運行状況と、新型コロナウィルスの感染状況がまとめて出ていました。国ごとにどんな状況になっているのかがわかりやすいので、シェアさせていただきます。

日本を含むアジアパシフィックの主要国をピックアップしてみました。この表の見方ですが、それぞれの国の空港から一日に出発した便数がオレンジ色の折れ線グラフで示されています。グレーの折れ線グラフは一週間の平均です。この飛行機は、ADSB、つまり管制塔のレーダーが認識した離陸の数で、国際便、国内便、カーゴ、チャーター便など全て含まれます。期間は、昨年の12月16日から、今年の6月16日までの6ヶ月です。

下の黒い棒グラフは、新型コロナウィルスの一日の感染者数です。右側に縦軸の数字が示されていますが、国によって位取りが違います。

一番上の国名の下にある数字は、直近一週間の出発便の数。その後の括弧の中のパーセントは、前週との比較、ということなのですが、グラフの数値と一致しないので、これはとりあえず無視しておいてください。

このグラフのポイントですが、この半年の間に感染がどのように広がり、どのように収束したか(してない国もありますが)、またそれに対して、航空機の発着をどのように規制したかの関連がわかります。急ブレーキをかけた国もあれば、徐々にブレーキをかけて行った国もあります。そんな違いがなんとなくわかります。

まずは中国です。



新型コロナ発祥の国ですが、武漢のロックダウンが始まったのは、春節直前の1月23日。武漢以外の人たちは、春節で、一気に世界中に旅行します。1月後半には、一日1200便くらいの飛行機が飛んでいたのですが、感染が拡大すると同時に、ブレーキがかかり、4月には100便以下になりました。最近では若干持ち直して一日130便くらいになっています。

次は、韓国。



年末年始のあたりは一日730便あったのですが、2月末から3月にかけての感染拡大とともに、便数を制限しました。現在では一日80便くらいになっています。

台湾と香港のデータはここにはないですね。何か政治的な理由かもしれません。

フィリピンです。



年末年始には一日230便以上あったのが、10から20の間になっています。感染者は4月、5月と続き、6月にやや拡大していますが、その後はやや減少傾向にあります。

ベトナムです。



1月には300から310便あったのですが、4月には20便以下になり、最近では30便前後となっています。3月から4月にかけて感染者が増えましたが、一時的な拡大はあるものの、死者をゼロに抑えていて、コントロールが成功していると言われています。

タイです・



1月には一日700便飛んでいたのが、緩やかなカーブを描いて、現在、一日26便あたりになっています。3月末から4月にかけて感染が増えましたが、ほとんど落ち着いています。

マレーシアです。



440便から490便飛んでいたのが、20便に下がっています。感染者は減りそうで、時々思い出したように増えていますね。

シンガポールです。



1月には530便あったのが、30〜40便になっています。外国人労働者の寮での感染が続いているのですが、感染者数は徐々に少なくなっています。

インドネシアです。



1月には110便くらいあったのが、15便のレベルに下がっています。感染者はブレーキをかけてからじわじわと増えていますね。

オーストラリアです。



300から310便あったのが、一日55便くらいになっています。感染は3月末から4月をピークに、沈静化しています。

ニュージーランドです。



3月19日に全世界からの入国を禁止し、110便〜120便あったのが10〜20便になりました。感染の封じ込めに成功したと言われています。

インドです。



3月19日に国際線を停止し、510〜530便あったのを、10以下にし、最近は若干増えて、30瓶くらいになっています。3月19日に急ブレーキがかかった感じです。しかし感染者が拡大するのはその後からになります。感染者のグラフの右の単位が見えにくいですが、直近で一日あたり1万人以上の感染者が出ています。

バングラデシュです。



60弱あった便が、5以下になっています。感染が拡大するのは、国際線を規制した後です。直近の感染者は一日に2500人以上になります。

パキスタンです。



ここも3月後半に急ブレーキです。60便が2便に、最近は10瓶くらいまで戻っています。6月で一番一日の感染者が多かったのは、6800人くらいです。

スリランカです。



ここも3月に急ブレーキがかかりました。85前後あった便が一桁になっています。6月に感染が伸びましたが、全体数がそれほど多くありません。

そして最後に日本です。



実に緩やかなカーブです。一日あたり800便くらいあったのが、徐々に下がって、100瓶くらいになっています。日本は、2月1日に湖北省からの渡航者を規制しましたが、オリンピックの延期が3月24日に決まるまで、渡航制限はあまりしませんでした。3月27日に、イタリア、ドイツ、フランスなど欧州を規制、4月3日に東南アジア、欧米など73カ国の入国を規制、インド、パキスタン、バングラデシュ、アルゼンチンなど11カ国の入国を禁止にしたのは5月22日のことでした。

国によって、感染状況の違いや、規制の仕方の違いなどが色々ですね。たらればですが、日本はもう少し、海外からの渡航を制限していたら、感染がここまで拡大しなかったかもしれません。インバウンドへの未練、オリンピック、習近平来日予定など、ブレーキを強く踏めなかった理由がいくつかありますね。早く感染が収束して、再び自由に旅行ができるよになる日が来るようにお祈りしております。


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