個人的な感想を言わしてもらえば、
名古屋の独走のままリーグ戦が終わっちゃうのもしゃくだし、
ガンバ大阪に勝ち点3を与えて、
最後まで混戦模様に持ち込んでもらいたいとこでしたよ。
でもね、山形にとってみればそんなことどーでもよくて、
まだまだJ1残留が確定とはいかない中、
何が何でも勝ち点3が欲しい状況。
そういう中のこの試合は、ガンバの気迫と山形の意地がぶつかり、
本当に良い試合だった。
しかし、何といってもこの試合で感動的だったのは、
山形が見せたチームの底力に他ならない。
前半を0-0で迎えた後半、ガンバは平井のゴールが決まり、
長らく続いていた均衡状態をようやく打ち破る。
このゴールは形もほんとよくて、
ルーカス、遠藤の見事なパスワークで守備陣を切り崩し、
最後に平井が押し込む、らしさ溢れる形。
ガンバにとってみれば優勢と見られる力関係の中、
なかなかゴールを奪えなかっただけに、
このゴールはほんとうに貴重かつ、待望のゴールだった。
西野監督もひとまずほっとできたのか、
イ・グノらの投入を取りやめて、ゲームを傍観することに。
しかし、ここから山形が起死回生の気迫を見せる
後半の19分。ペースがガンバへと傾きかけ、
もう山形にとっては、これから苦しくなるんじゃないかという時間帯。
左サイドからチャンスを創出した山形は、
ニアサイドで潰れたボールがファーサイドへと流れ、
このボールに下村――――!!!!
思い切り振りぬいたシュートはゴールネットに突き刺さり、
まさに会心、会心の同点ゴール。
前半から、ガンバに相手に臆することはないってな具合に、
積極的なプレーへの姿勢を見せていた下村。
その下村が見せた、文句のつけようのない鮮烈のゴール。
いやーもうこれ、興奮以外のなにものでもないでしょ。
ガンバ相手に虎視眈々とチャンスを作りながら、
なかなか守備網をこじ開けられなかった攻撃陣。
その上、ついに失点も許してしまった中で、
チームの士気を見事に上げるビューティフルゴール。
若干の諦めムードも否めない中、
山形の意地を垣間見た。
だが、興奮はまだまだ終わらない
後半23分。同点ゴールで完全に勢いづく山形は、
交代で入った宮崎が奮闘のプレーを見せ、
飛び出したゴールキーパーの手前で、瞬時にループシュート。
このワンタッチ、技ありのシュートはゴールネットに吸い込まれ、
なんと、逆転
小林監督も大喜び。実況も絶叫。スタジアムも熱狂。
ドラマティックという言葉を使っても過言じゃない、
まさにしてやったりのゴールだった。
落胆する藤ヶ谷、遠藤の表情も生々しくて、
西野監督も言わずもがな。
対照的に、宮崎にとってはもう、これ以上のない結果。
サッカーのこういうシーンは、まさに醍醐味。
そして、ガンバはイ・グノ、ドドらを投入し、
いかにもガンバらしい、カードの切り方を見せていくが、
山形の集中力も凄まじく、
試合はこのまま、2-1で試合終了。
終戦後、山形サポーターの熱狂ぶりは、
もうしょうがないところだったが、
ガンバにとってみれば、
悔しい、悔しい、悔しすぎる敗戦となった。
ただ、2-1となった後も、
山形が完全に守備に追われるっていう展開じゃなかったのは、
さすがだったかなーと思う。
リード直後に入った田代も奮闘していて、
3-1にできるチャンスもあったし。
そう考えるとガンバは、やっぱりいろんな意味で劣っていたか。
山形が運よく勝ったというよりは、
ガンバの内容も、そこまでよくなかったと言えなくもない。
遠藤が本調子じゃないのも、やっぱり少なからず影響してんだろうか。
でもまぁ、良い試合だったことは間違いないし、
良いプレーが随所に見られたのも確か。
明暗の差は大きいが、これだからサッカーはおもしろい。