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移転しました(2014/1/1)

聯合艦隊司令長官 山本五十六

2011-12-30 | シネマ



昭和14年の夏。2年前に始まった支那事変が泥沼化しつつあった。
陸軍が日独伊三国軍事同盟の締結を強く主張する中、海軍次官の山本五十六、海軍大臣の米内光正、事務局長の井上成美は、信念を曲げる事なく同盟に反対の立場をとり続けていた。
日本がドイツと結べば、何倍もの国力を持つアメリカと戦争になる。それだけは何として避けなければならないと考えていたのだ。
だが世界情勢は急転、第二次世界大戦が勃発してしまう…。



こうした形で映画のレビューを書くのは久しぶりです。
去年はもういいかと手を抜きまくったし、今年は全然見ていない。
ていうかgooよ『務局長の井上成美』って何だ(笑)成美さんは務局長だ。
  
んー…まあ…正直大した期待はせずに見に行きました。
印象としては、悪くないけど、けど。というところかなあ。
映画の趣旨から考えて美化されてるやろうなとは思っていたんですが、随分美化されていた…
原作者が長岡に所縁のある方ですし、山本と同じ中学校の卒業生でしょ?仕方ないっちゃ仕方ないのかと思いますが。
うん。ちょっと美化しすぎじゃないの?というのがあったなあ。
 
映画では昭和14年の海軍左派トリオが三国軍事同盟に反対していた時期から、昭和18年4月の山本五十六が亡くなる迄が扱われていました。
あらすじからは海軍次官時代に時間が割かれているのかのような印象を受けますが、実際には少なかった。
この時期を扱っていたのは三国軍事同盟を結べばアメリカとの対立が不可避、対米戦争は絶対に避けたい、という考えを山本は持っており、その為に尽力していたという姿を見せる為だったようで、実際には海軍次官から連合艦隊司令長官に転出してからがメインでした。
題の通りだった…^^;
対米戦争には最後まで反対していたのに、その意志とは反対に開戦の口火を切ることになった長官、という感じ。

・名前と肩書のテロップが欲しい
若い人を含む多くの人に見て欲しいと思うなら尚更、これはしておいて当然の措置だったと思います。残念。
誰が誰か分からんし、どういう立場の人がどういった事を言っているのかが、あれでは分からないと思う。
特に軍令部総長の永野修身とか。
台詞の端に軍令部という言葉はあったような気がするけど(不確か)、んー…?
この映画の後半では結構なキーパーソンだと思うのだけど、あれでは知識がない人が見ると海相だと思ったりもするのではないだろうか。
というか当時は既に大本営海軍部になっていると思うのですが、肩書はそのまま軍令部総長だったの?よく分からん。
あと歴史背景を説明するためのナレーションが早すぎて、あれは理解し辛い。難しかった。
  
・山口多聞が海軍軍服を着た秋山好古にしか見えない件orz
そして本編上映前に『新参者』と『テルマエ・ロマエ』のトレイラーが流れてました。一体なんなの。笑。
2・3年ほど前の石井秋穂役(※TBSドラマ『日米戦争と東条英機』)と言い、なんとなく陸軍のイメージが私の中では定着していたので、最後まで違和感があった^^;
映画中で山口が部下に形見として渡していた帽子は教育参考館で見た記憶があります。
大和ミュージアムでもかなり山口提督の遺品?が展示されていて、それが印象に残っている。

・山本家の”最後”の夕食の様子は『父山本五十六』で描かれていた通りで、あー…こんな感じだったんだなー…と思いました。
この本は映画でも特別協力として名前が出ていた山本の長男さんの著書になります。
子供からみた山本五十六はこんな人物だったのだという、難しい話抜きのほの温かくなる本で、個人的にはかなり好きな1冊。
お祝いの為に用意されたのだろう鯛が子供たちに配られることなく食卓に鎮座したまま食事を終えてしまう場面は、随分印象的な所でした。
というか、戦前の暮らしは質素だなと思った。今が無駄に贅沢過ぎるんだろうな…
 
・水まんじゅう
当時既に砂糖は配給になっていたのではないでしょうか…流石連合艦隊司令部。田舎のお菓子かもしれないけれど随分贅沢な食べ方だなーと…
・マスコミ
香川照之がとある新聞社の主幹を演じていましたが、恐ろしい。けど、ああいう感じのメディア人、随分いたんだろうと思う。
敗戦で掌を返したようになりますが、ああいう人たち、戦後は一体どういう顔で街を歩いてたんだろうと思う。普通の感覚として。 
事件が起きた時か勝利した時だったかに「これで部数が伸びる」という台詞がありましたが、本当にその通りだったんだろうなあ
ニュースを伝えるというより新聞を売る為。夏の甲子園も元はその為に始まったんだし。
そうじゃない人も沢山いたんだろうけど。
 
・南雲中将
…うん…なんて言うか…(言葉少な) 
描かれ方が酷くて驚いた。
あの描き方だと真珠湾もミッドウェーも南雲中将のせいで失敗した(=だから山本は悪くない)、という感じになると思うんだが…
先日も書きましたが私は戦略戦術等は分からないので、名将愚将論とか、あの作戦はどうこうとか、そう言った事は分かりません。
でもこの南雲中将の描かれ方には眉を顰めてしまう。
あれはちょっと違うんじゃないのか…
知識がない私がそう感じた位なので、よくご存じの方はどう感じたんでしょう。
山本や山口多聞を持ち上げるために南雲を殊更酷く扱っているように思われてなりませんでした。
原作は読んでいないので分かりませんが、そちらも映画と同じような感じなのだろうか。
そりゃあ南雲は艦隊派だし。
成美さんに「ナイフで一突きすればお前なんて」的な発言をしていたりと左派トリオとは対極にいるけれども。
無能論がぶたれる事の多い方ですが再評価や違う光の当て方だって沢山あるわけですし、そもそも作戦計画に問題があったんじゃとか、そもそも人事がとか、…うん。
あの扱いだとかわいそう…

・でも
三宅義勇って誰ぞなと調べていた際に、玉木宏その他若手俳優のファンの若い方がブログなんかで「山本56?ぜんっぜん知らないけど見に行くつもり」と書いているのを結構見かけました。
どんな事が切欠でも、例え断片であっても、こういう歴史があった、こういう人たちがいたという事を知る事ができるのはいいことだと思う。
私もそうですが、そもそも自国の歴史、特に近現代史を知らなさすぎる。

まあディテールはあんまり分からないですが、そんなに悪い映画ではなかったと思います。
いい映画でもなかったと思うけど。(いい場面も勿論ありました)
面白かったかと言われたらそうでもないけど、面白さを追求する話でもないか。

変人参謀と言われた黒島亀人を椎名桔平が演じてました。
椎名桔平が秋山真之を演じても相当カッコ良かっただろうなと思った。
(※黒島→変人ぶり、奇行ぶりは秋山をまねていると言われていた)
 
***
 
…PCに向かう時間が取れない…orz
取れたと思ったら小さい人が「あんぱん!あんぱーん!」とやってきてPC占領される。それなんてタイラント。
君がPCでアンパンマン見ている間私は部屋にいてもPCに触れないんだよ……^^ゞ
なんだか随分なページ数を読んで下さっている方がおられるようで。ありがとうございます^^


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