帰り道、星月夜を期待して上ばかり見ながら歩いた。
イヤホンからお気に入りの音楽たち。
友人のライブの帰り。
大好きな人達とお酒を飲んだ帰り。
幸せ。幸せ。言い聞かせて、よく味わって、てくてくてく。
いい気分でオリオンとカシオペアという最も簡単な二人を見つける。
調子こいて七星をさがす。
見つからない。
都会の夜空は暗くない。とかぬかすけど、今日の空なら容易なはず。
星探しには適した月齢。
なのに無い。
無い。無い。無い。
「東西南北勘違い?」
自分の方向感覚、疑って振り返る
誰!?
自分の真後ろ15㎝に知らない人が居た。
びびったよ、マヂで。
ビクッてなっちゃったよ、リアルに。
なんか謝っちゃったよ、反射的に。
「あ、すみません・・・」
で、謝ったくせに足早になりそうだよ。
でもなんかそれって失礼な気がして、自分の足に命じるわけだよ。
「これ以上早歩きするべからず」
てかさ、おかしくね?
別に車両進入禁止的な細ぉぉぉい道でも狭ぁぁぁい道でもないのに
なんで真後ろに居るのよ、あんた!
てかさ、後ろ15㎝に居るくらいなら、さっさと抜けよ、オイラを!
やる気か!?コルァ!!と思いつつ、態度に出せないオイラ。
だってビビリだし・・・。
とりあえず3mの距離を確保・・・。
てかこの人、目的地はドコ?いつ追い抜くの?
って思ってたけど、この早足のオイラを抜けるわけないわけで・・・
じゃあ、
なんで距離が広がらないの!?
怖ぇよ、マヂで。
てか、キモイよ。
こうなるとなんか理由とか聞かれても分からないけど、なんとなく自分の家を知られたくない気持ちになってくる。よね?
なるの!自分は!
で、角を曲がりました。
この角ってのが、なかなかキーになる角で、
我が家より先に用事のある人は曲がらない角です。無駄に遠回りになるから。
この角で曲がる人は、我が家より手前に用事のある人です。
つまり、
ここで曲がっておけば、絶対に後続者は我が家の前には辿り着きません。
着くはずがありません。
だって、その人が我が家より先に用事のある方なら、
ここで一緒に曲がらないのです。
ここで一緒に曲がるって事は、
我が家につく前にどこかの家に入るはずです。
はたしてその男は・・・
曲がったぁ!!
さぁ読めなくなってきましたよ。
ここで曲がる方って事は、意外にご近所さんだったということです。
近所付き合いが希薄だと不便ですね。何家の方か、さっぱり見当がつきません。
で、どの家に入るの?
もう入ってるの?
入っちゃってるの?
振り向いて確認する度胸とか無いよ、自分。
いるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
まだ居る。
絶対いる!
だって影が見えたもん!
てか、影だけ見えるのって・・・
怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
てかさ、おかしくない?
何でまだ居るの?
君、何のために、あの角を曲がったの?
あの坂を登れば海が見える
とか言ってる場合じゃないよ!
あの角を曲がって、君はなにか得したの?
どこ目指してるの?
どうしたいの?
ライフカード、たたきつけちゃうよ!?
何を選ぶかな?
着いちゃうよ。
てか、着いちゃってるよ、家
それなのに
いるよぉ。
何でだよぉ。
道、聞きたかったのか?
お腹、空いてたのか?
子猫、貰って欲しかったのか?
千羽鶴折るの、手伝って欲しかったのか?
何か用か?
いい加減、危機感持っちゃうよ?
君の目的地が何処であれ、このルートを使うのは不自然すぎるのよ。
一瞬、「自宅をスルーして巻いてから帰宅しようか・・・」
という選択肢も浮かぶが、「かえって危険!(何が?)」
という判断を下し、競歩的速度でドアの中へ。
その瞬間、私は見た。
立ち止まってたよね?
こっち、ジーッと見てたよね?
怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。
オイラ、何かしましたか?
だったらゴメン。
何もしてないんなら・・・
ビビリのオイラをビビらせるな、ボケ!
って感じ?
ちょっと乙女な気分(てか女子的な気分?)を味わっちまったイブ。
ちっともうれしくにゃあ・・・。
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