初めてドイツを訪れたのは、1999年。
今から10年以上も前、当時の通貨はまだ「マルク」。
大阪市とハンブルグ市が姉妹都市という関係で、教育施設を訪問した時のお話。
ハンブルグの公立小学校「Gesamtschule Kirchdorf」で当時の校長先生からお話をうかがった。
教育に関して、日本との違いがホントたくさんあって驚きの連続だったが、今改めて思い出すのは、ハンブルグではもうこの頃から学校あげて「エコ」に取り組んでいたことである。
部屋に入って、開口一番「わー!暗」「電気つけてないのは今までここに人がいなかったせいかな?」と思っていたら、会議が始まってもいっこうに電気を付けようとしない。
暗いなあと思いながら、校長先生のお話をノートに書き取っていた。
しかし、だんだん目が慣れてきて、そのうち暗いことを忘れそうになった。
子どもたちのいる教室も同じ。暗い中で勉強している。明かりは窓からの日差しのみ。
全校上げてできるだけ無駄な電力を使わないでいる。
その取り組みの一つとして、教室の電気をつけないで授業をしているのだ。
節電によって節約できたお金は市から学校に返ってくる仕組みらしい。たしかそんなお話だった。
日本の学校では文科省が決めた明るさを守らないと行けないから、こんな暗い教室で勉強させていたら、おとがめを受ける。
この学校の校長先生は市議会の偉いさんも兼任していたから、率先して「エコ」に励んでるんだろうなあ。
でも、その当時は「変なの?これが環境問題に取り組むと言うことなのかなあ?ただのケチとちがうんかいな?」と思っていたけど、エネルギーを無駄にしないということを教えていたのね。と、最近気づいた。
ドイツでは、一般家庭でもあまり電灯をつけない。
なんせ「部屋の中が暗い」のだ。
高い高い天井に黄色い電球がブーラブラ、あとは間接照明のみ。
それで食卓が暗ければ、「ろうそく」を灯す。
ほんまにろうそく好きやなあーと思うくらいどこの家にもろうそくがある。
夜なんかは、ムード満点だけどね。(日本だったら、誕生日のケーキかお仏壇くらいにしかろうそくを使わないよ。)
語学学校でもしかり。ドイツ語を筆記体の文字を黒板に書かれると,非常にわかりづらい。
しばしば、間違って写し取っていることを先生に注意される。
教室の電灯を付けると(たいていは日本人)、他の学生からブーイング!印刷されたプリントや文書を読むのも一苦労。
小さい文字でびっしり書かれたドイツ語は見ただけでゾゾーっとする。
ゲーテさんも言ってたじゃないの「Mehr Lichit!(もっと、光を!)」って・・。
さて、この夏はよりいっそう「節電」を余儀なくされている今の日本の状況。
コンセントを抜けだの、TV・PCの待機電力を減らせだの、LED電球に変えろだの、はたまた、電化製品はいかに少ない電力で稼働できるかを競うように商戦が展開されている。
でも、意外と部屋の電気を暗くして、間接照明だけでも生活出来るなあというのが今の実感。
ライトって熱いよね。
今、やっと日本はエネルギーには限りがあることに気づき、今までいかに原子力に頼っていたかを思い知らされることとなったのだ。
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