うれし恥ずかしベルリン生活!

心のふれあいを求めて・・ちょい住みのすすめ
日本人から見たドイツ生活とヨーロッパの魅力!

ベルリン、森鴎外記念館

2011-10-29 | 海外生活

そもそも、私とベルリンを結びつけたのは、森鴎外の『舞姫』に端を発する

高校の国語の教科書にも、随分前から取り上げられている鴎外の代表作というか、入門編にあたる作品。
今の学生さんにとっては、明治時代の文体が「古典」作品と同様、難解に感じられるかもしれないが・・・。

『舞姫』の舞台となったベルリンを自分の目で確かめたかった。

また、若干25~6歳の鴎外は、なぜ失意ののち、帰国することになるのか?

鴎外を苦しめたものは何だったのか?という疑問をもっていた。

 

明治17年(1884年)8月23日、東京を発った鴎外は、第一回陸軍派遣費留学生としてドイツ衛生学の研究のため10月11日、ベルリンに到着。

最初の任地、ライプツィヒに向かい、ドレスデン・ミュンヘンの研究機関で2年半過ごしたあと、
1887年4月16日、再びベルリンに帰り、そこで1年3カ月を過ごす。

当時ベルリンは普仏戦争後の異常な発展過程にあり、ヨーロッパにおける政治・文化の中心だった。

鴎外のドイツ語力はかなりのハイレベルであったと推測できるから、医学の勉強だけでなく十分に音楽や劇場芸術を吸収し、楽しめたはずである。

ベルリン到着3日目にあたる18日、マリーエン通りに第一の下宿を決める。
ここが、今の「森鴎外記念館」で、ベルリン・フンボルト大学付属の日本語学科資料館となっている。

 その後、鴎外は、第二、第三の下宿とベルリンで住居を変えるが、現存していない。

第二の下宿があったとされるところは、ベルリンのシンボル、今のテレビ塔のあたり。

帰国後、彼は明治22年(1889年)文芸雑誌「しがらみ草紙」を創刊。
翌明治23年、『舞姫』を「国民之友」に発表する。
『うたかたの記』・『文づかい』とあわせて、鴎外のドイツ三部作と呼ばれる作品となる。

いずれも留学中の青年が苦悩から諦観へと変わっていく内容になっていることは、あまりにも有名な作品。

 

 

そして、私自身がベルリン滞在中、日本語が恋しくなって、何度も足を運んだのがこの「森鴎外記念館」!

鴎外に関する資料だけでなく、近代文学の作品や日本文学の作品が多くある。

館内には鴎外の部屋が残っていて、ベッドや机、洗面道具やタンスもそのまま置かれている。
PCで鴎外の足跡を見ることもでき、お茶や生け花、書などの日本文化の紹介展示、講演会も催される。
うれしいことに、日本の新聞も読めるのだ。

もちろん、日本からの観光客も多く、館長さんは日本語が堪能で親切な女性の方。

以前は無料で入れたのだが、今は3ユーロの入館料が必要。
最初は、「心付け程度の寄付」でよかったのに、「ええー、お金をとるようになったの?」と思ってしまった。
そういえば、壁も中の展示もきれいになっていた。
今年は、皇太子殿下もここを訪れたからかな?

普通の建物の2階にひっそりとあるので、まず1回の呼び鈴?ブザーを鳴らして、鍵を開けてもらうこと。
(ドイツの家は大抵はそう)
1階から2階に上がるまでの壁に、鴎外の文章がずーっと書かれてあり、
「これはなんの一節だったかな?読んだはず・・・。」と考えていたら、「そうそう、やっぱり『舞姫』のもの」だった。

ここに紹介しておく。


げに東に還る今の我は、西に航せし昔の我ならず、學問こそ猶心に飽き足らぬところも多かれ、

浮世のうきふしをも知りたり、人の心の頼みがたきは言ふも更なり、われとわが心さへ變り易きをも悟り得たり。

きのふの是はけふの非なる我が瞬間の感觸を、筆に寫して誰にか見せむ。

 

ついでに、鴎外が書いた詩の中で、私の好きなものをここに紹介したいと思う。

   釦  鈕

南山の    たたかひの日に
袖口の    こがねのぼたん
ひとつおとしつ
その釦鈕惜し

べるりんの  都大路の
ぱつさあじゆ 電燈あをき
店にて買ひぬ
はたとせまへに

えぽれつと  かがやきし友
こがね髪   ゆらぎし少女
はや老いにけん
死にもやしけん

はたとせの  身のうきしづみ
よろこびも  かなしびも知る
袖のぼたんよ
かたはとなりぬ

ますらをの  玉と砕けし
ももちたり  それも惜しけど
こも惜し釦鈕
身に添ふ釦鈕


近年、『舞姫』に登場する「エリス」のモデルは誰だったのか?という優秀な研究が発表されたりしているが、実在した人物のモデルを発見するよりも、鴎外自身が留学中、何に失望したのか、それはなぜなのか?

今、留学している優秀な日本の学生や若者にも共感できる部分があるのではないだろうか?

あるいは、かつて留学経験を持つ人の中にも、鴎外の感情を理解できる人がいるのではないだろうか?

鴎外記念館、ぜひ足を運んでみて・・・。

 


ドイツの文房具と紙

2011-10-25 | 海外生活

ドイツ製の文房具は言わずと知れた「逸品ぞろい」と思っているのが日本人の感覚!

例えば、モンブランの万年筆を持つなんて、ステータスシンボルだし、

モンブランが高価すぎて無理でも、ペリカンの万年筆をドイツ土産に選ぶご年配の方も多いはず。

鉛筆や消しゴムならステッドラー(STAEDTLER)が高級とされている。

最近では日本でもスケッチ旅行に出かける方が増え、絵の具だと荷物が多いので、

「水彩色鉛筆」なんてのが流行ってるけれど、ドイツ製のFABER-CASTELLを選んでませんか?

 

結論から言って、日本の文房具の方がはるかに品質優秀です。

 

ステッドラーの鉛筆はすぐにちびって短くなる。さらに、消しゴムはカスばっかりがでて、なかなか文字を消すことができません。

ドイツの学生は、学校で鉛筆を使いません。

板書事項を写すときも、「ペン」です。

しかも、色は「青(ブルー)」のみ。間違ったら、ギャーギャーと塗りつぶす。

だから、ノートが汚い。日本の学生の方が見やすく、丁寧に書いていると思う。

だいたい「筆箱?」自体を持ってこないし、持ってきてもちょっとしか筆記用具がはいってない。

日本の学生が、「これは弁当箱か?」と見間違うようなくらいパンパンに膨れ上がったでかい「筆箱?」に、いろんな色のペンやマーカーを入れて持ってきているが、そんなことドイツでは考えられない。

それに、かわいいキャラクターものの文房具なんてほとんどない。

あるにはあるんだけれど、ぜんぜんキャラクターの絵がかわいくない。

まあ、日本の子供は買わないだろうね!カラフルなネズミや牛の絵なんて、「変!」

語学学校で、ちょっと高級な感じの(日本では普通クラス)シャープペンシルを使っていたら、

「それって日本製?」と人だかりになった。

よく写し間違えるから、消しゴムでスラスラと快適に消していたら、

「それも日本製?」と聞いてくる。

「そう!」、「やっぱり!」

挙句の果てには、「貸して!」といって、二週間返してもらえなかった。こいつはスペイン人だったけど!

区役所や銀行、あらゆる手続きの際に使われるのは、「ブルーの色のボールペン」!

日本だったら、普通「クロ」だよね。しかも、水性ボールペンというのがない!

急きょ日本から持ってきてもらう。

語学学校で、先生が生徒の文章を添削する時に使うのも、「ブルー」!たまに「グリーン」!「クロ」!

「赤ペン先生」はいない!

スタンプの色も「クロ」または「グリーン」が一般的!

マーカーペンは「グリーン」か「ピンク」を使う人が多い。

ドイツで日本語を教えている友達が日本から取り寄せたのは「赤のインク」と「赤のスタンプ」!

重要事項にアンダーラインを引く時って、昔から「赤鉛筆」ではなかったですか?

 

さらに、紙の質の悪さ。デザインの悪さ。

ノートの紙があきらかに「再生紙」?って感じのヘニョヘニョです。色も黄色っぽいものが多い。

この紙に関しては、学術書からトレットペーパーにいたるまで、全部ダメ!

「もっとましなものを使いなさいよ!」といいたくなる。

お誕生日やクリスマスには必ずカードを贈りあう習慣があるのも関わらず、

素敵なデザインのカードを探すのに一苦労!

「鼻かみ」(ティッシュとはいわない)だけは分厚く、ご立派。食事用の紙ナプキンか?と思う。

「あんた、鼻から血出るで!」と思うくらい激しい勢いで鼻をかんだ後、その紙をポケットへ戻す。

すばらしい。節約精神!

基本、ドイツ人はハンカチを持たない。

 

なかったらないで何とかなるのが海外生活だけど、

日本の優れた製品に慣れっこのわれわれには、つろうござんす。

 

 

 


ドイツ人、すき焼きを食す!

2011-10-18 | 海外生活

ドイツ人研究者がベルリンから大阪へやってきた。

今回の来日はご家族で、ではなくお一人様だけ。

そう、去年いらしたドイツ人一家の奥様だ。

昨年の「ふぐ」に引き続き、今年は「すき焼き」を所望された。

なんで、こう、いつもおいしくってお値段の張るものをご存じなのか?

 

というわけで、大阪の老舗で「すき焼き」を食すことに・・・。

まず、仲居さんがお鍋に「わりした」」を入れ、「しもふり」肉を敷き詰める。

わずか数秒で程よい焼き色が着き、牛肉をさっそくいただく。

口に入ったとたんとろけてしまうような柔らかさのお肉にまず、びっくり!。

この時の「信じられない!」というドイツ人の表情はおもしろい。

そして、「どうだ。まいったかあ。日本のお肉はこんなに柔らかいんだぞ。」と

満面の笑みを浮かべる日本人。

 

今回もママさん、「わりした」・「しもふり」とメモする

ただし、今回は紙のノートではなく、「スマートフォン」に・・・・。

野菜や豆腐をてきぱきと鍋に投入していく仲居さんの所作にも驚きのご様子。

そして、「どうだ。まいったかあ。日本のサービスの素晴らしさを見よ。」と

再び誇らしげな顔の日本人。

かなりの「日本通・日本びいき」のドイツ人、お箸の使い方も慣れたもの。

ただし、「お豆腐」はつかめなかった。

ドイツにも超高級な薄切り肉があるらしい。ただし赤身のお肉。

イタリアの「生ハム」みたいなものらしい。

ということは塩漬けか?また、しょっぱいのか?

 

私のかねてからの疑問、「ドイツ人はあまからの味を理解できるのか?」

つまり、砂糖と醤油をいっしょにしたお味を「おいしい」と感じるのか?ということ。

ドイツ料理では、

「なんで、そこにザワークリームを加えて、酸っぱくするの?そのままでおいしいのに・・・・。」

「なんで、そこに唐辛子をいれるの?」

「なんで、そこまで塩、こしょうを足すの?」

「なにこれ、砂糖のかたまりじゃない!」という場面が多い。

和食の、とくに「関西風薄味」で「あまから」というのがどうもわかりづらいのではないか?

しかし、ドイツ人でもこの奥様のように日本に何回もいらしている方は、わかるみたい。

お世辞でなく「日本料理はおいしい」と言われる。

 

だんだんとお話の夢中になってきたので、仲居さんには退席願って、こちらでせっせとお肉を焼くことに・・。

話が弾んでくると、鍋奉行は料理とお話の両方に気をとられるから

お料理を味わう余裕がなくなってくる。

おうおう、せっかくの「しもふり肉」が黒く固く「カルビ」のようになってきたではないか!

もったいない!

 

ところで、この奥様お話がお上手

日本、ドイツにかぎらず、教養のある人は決して相手に不快感をあたえるようなことを言わない。

「ネガティブな発言」はいっさいないから、話していて、聞いていて気持ちがいい。

だから、気を使って、大阪人特有の自虐的ギャグや「ボケ」と「つっこみ」をする必要もない。

心の底から気持ちいいのだ。らくちんなのだ。インテリの人はやっぱり賢いのよね。

 

ほんとに楽しいひと時でした。

 

 


ベルリン、「ゲリラ野菜」?!

2011-10-11 | 海外生活

みなさん!「ゲリラ野菜」ってご存知ですか?

私は、知らなくって門倉多仁亜さんに教えていただきました。

門倉多仁亜さんは、以前、私のブロクでも紹介しました。

ドイツ料理やドイツ流シンプルライフを紹介されていて、NHKのドイツ語講座でもおなじみのとっても、素敵な方です。

ベルリンにある「ゲリラ野菜」のお庭を教えてくださったのです。

最初聞いた時は、「ゲリラ」という言葉からあんまりいい印象を持たなかったのですが、

まあ、このホームページをみてください。

http://prinzessinnengarten.net/

そもそも、無許可の土地に野菜を植えることから始まり、これが、多仁亜さんいわく、

「それが意外にうけていろいろな人が集まって定着しつつあるみたいです。

ヨーロッパ各地のグリーン活動家にも注目されているらしいです。」

 

とのことです。

最初は、摘発されることをおそれて、袋やポット、コンテナにいれて栽培していたそうです。

これだとすぐに持って逃げれますからね。

でも、もう見るからに本格的!

いい野菜が採れていそうです。

このお庭、街のど真ん中にあるのですよ。

Kreuzberg  Moritzplatz駅近く。

 

Prinzessinengarten」といいます。

 

ベルリンに限らず、ドイツでは「市民農園」がちゃんとあって、いわゆるアパートやマンションのように、「庭」を持たない人たちのために、一区画ごとお金を払えば、お庭を借りることができます。

 

そこで花を植えたり、小屋を建てたりして庭仕事をすることができます。

 

 

今回のものは「無許可」というところに問題があるのですね。

 

自分で育てた野菜を自分で食べるのは日本でも普通にやってるし、

むしろ、今の日本ではどこで栽培された野菜かどうかいちいち気にしているくらいだから、

自分のところで野菜を作るのはいいのでないですか?

 

ベランダでも野菜は作れるから、早速やってみようかなあ?

 

これだと「許可」いらないでしょ。

 


ベルリン、クジャク島へ

2011-10-05 | 海外生活

ベルリンからBVG(ベルリン交通)の切符を利用して、気軽に楽しめる場所はたくさんある。

今回は「クジャク島(Pfauneninsel)」を紹介します。

まず、S-BahnでWannsee(ヴァンゼー)駅まで行き(もちろんバスでもOK),

駅前から、クジャク島行きのバス218番に乗れば、目の前がクジャク島。

このバスが最近復活した観光用のバスなんですが、

そこは古いものを大切にするというか、

使えるものはとことん使うというか、昔の形の超レトロなおんぼろバス。

        

 

ベルリン人いわく、「なつかしいー!子供の時に乗った。」って?

しかも、愛想の悪い運転手。

ベルリンでは「ほんとはいやいや働いてんねんぞ」と言わんばかりの態度で、お勤めされている人をよーく見かける。

今回も「またかよ。」という感じのおじちゃん。

まあええわ。今に始まったこっちゃない。

バスは上下左右にすごーく揺れる。でも、意外と座席のシートはふかふかでクッションがいい。

ヴァンゼーから、緑の木立を抜けてバスは走る。窓からの風が気持ちいい。

木々の間から時々、湖が見える。

30分くらいバスで揺られたかなあ? 

さらに、50メートルほど先まで、3ユーロ支払い、渡し船で渡れば、クジャク島に上陸。 

この白いお城がシンボルだけど、見るからに新しい。

島の周囲をのんびり一周すると1時間以上はかかる。中には公園や、畑や庭、噴水がある。

 

本当に「クジャク」がいるのかなあと半信半疑だったが、いました。

のんびりと、人を恐れる様子もなくクジャクは歩く。

ベンチでお話したり(ドイツ人っておしゃべり大好きだよ。)、ぶらぶらと人々はただただ歩いたりしている。

それだけ。

緑が美しいのと、湖からの風で気持ちよーく、ホントにリラックスできるよ。

ヨットも見えるし、釣りをしている人もいる。

水辺でぱちゃぱちゃしている子供づれ。

岸辺でいちゃいちゃしている若い男と女。

それぞれ楽しそうです。

私はカフェでいつものごとくビールです。

なんでドイツのビールはこんなにもおいしいのか!この滴り落ちるビールの泡を見よ!

 

店内を飾るクジャクのはく製に見守られながらのビールはちょっと不・気・味でしたけど・・・。

 

 


ドイツ、リサイクル用ごみ箱

2011-10-03 | 海外生活

環境大国、ドイツ!

日本で流行の「断・捨・離」なんて、ずーっと前から実践してるよ。

とにかく無駄なものはなるべく持たない主義。

リサイクルできるものは、必要なところに譲るということがごく普通に、それでいて徹底的に行われる。

ごみの分別なんて日本よりずーっと前からやってるよ。あまりにも有名だね。

こんなふうに、街のいたるところにごみ箱が置かれている。(落書きの多いのが玉にきず!)

左から「白い瓶、透明の瓶」・「緑の瓶(ワインなどの)」・「茶色の瓶(ビールなどの)」

そして、右端が「靴や古着用」

公園にも同じようなものがある。

特に注目したいのは、もう履かなくなった靴や着なくなった服のリサイクル用箱の設置が増えたこと。

いわゆる「赤十字」のものを住宅地などでよく見かけたけど、最近はいろいろな業者?団体?が回収しているみたい。

レバーみたいな取っ手を引くと、ペロンと口が開いて、そこに靴や服を入れて、レバーを戻して完了。

下の写真の左が「靴用の箱」、右の黄色い箱は郵便ポストですからお間違えなく。

我々も古くなったセーターやポロシャツなどたくさんつっこみました。

特に、ベルリンでは石畳をよく歩くもんだから、靴がすぐにだめになる。

ドイツの人はまめに靴の手入れをし、修繕をし、大切に履いているけれど、やはり、日本より消耗が早いと思う。

あるいは、子供の足はすぐに成長するから、もうちいさくなって履けないなんてことが起こる。

きれいな靴でももう使えなくなる。

そうなると、この回収箱へ・・・・。ということになる。

ちゃんと、回収されているのかなあと不審に思っていたのですが、朝早くにトラックが横付けされ、オジサンが箱を開け、回収しているのを見ましたよ。

結構、いっぱい入ってた。おもしろかったなあ。

ちなみに、靴売り場では大人の男性の靴のサイズは「40」から展開する。

それよりも足の小さい人は「子供用の売り場」へ行ってください。

といわれた日本人を私は二人知っている。

子供用の靴売り場には、革靴はありませんので、あしからず!