daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

今期総括(1)~順位戦編

2007-03-22 11:11:11 | 日記・雑談
原稿は無事メドが立ちました。まだ対局も残っていますが、今日はうれしい昇級を果たした今期順位戦を振り返っておきます。

前にも述べた通り、今期は開幕前から昇級するつもりで臨みました。そのためにはスタートダッシュが欠かせません。まず初戦は結果的に一緒に昇級することになる上野さんと。某氏に「いきなりの直接対決ですね」と言われたのですが、まさか現実になるとは思いませんでした(笑)この将棋は今期の中でも片手ぐらいには入りそうな良い内容で快勝。これで良い波に乗れました。
この将棋は8月に出演した「将棋まるごと90分」で解説しました。この将棋を皮切りに、今期の順位戦の棋譜は各地によく登場しました。棋士として、うれしいことです。

しかしこのあとは苦戦が続きました。海外旅行から帰国直後の木下戦は、終盤受けに回られたらはっきり負けという場面があり、薄氷の勝利。そして続く関西遠征で児玉七段に大熱戦の末負け。早くも後がなくなり、今期も厳しいか、と暗い気持ちにならずにはいられませんでした。

この一番を負けてから成績が落ち込み、今期一番苦しい時期を迎えました。おりしも結婚式の準備が重なって、およそ将棋に集中できる状態ではなかったのですが、不調の時期に深く思い悩む余裕がなかったのは、いま思うとかえって良かったのかもしれません。

9月の室岡戦・10月の横山戦と立て続けに、対局直前でなくすこし前に研究していた形を採用。これは勉強する時間が少なくなっていたせいで、プロにはよくある手法です(たぶん)。気持ちが開き直れたせいか、どちらもいい将棋が指せ、ここで再び昇級を意識するようになりました。後半戦は毎日夕刊(観戦記)で2局取り上げていただき、かつ近代将棋(4月末発売予定の号)で2局出る予定のため、恒例の昇級者自戦記はこの横山戦を取り上げることにしました。掲載時期が分かったらまたお知らせします。

11月の桜井戦は順位戦では初めて夕休前に快勝。これはいけると思いましたが、ここからが難産でした。11月末からブログを始めたので、ここから先はそちらを読んでください(笑)
12月西尾戦
1月堀口戦
2月村山戦
と千日手2度を含み、3ヶ月連続でその日最後まで戦っていました。この3局は、いずれも昇級の1番と同じぐらい、忘れられないものになりそうです。

そして昇級を決めた高野戦は、苦しい場面もあったと思いましたが終わってみれば快勝。長い一年が終わりました。最後はちょっとあっけない感じで、喜びというのは突然やってくるものなんだな、などと思いました。

こうして振り返ってみても、気持ちの切れた場面というのは、全く思い当たりません。これが、好結果につながった一番の理由でしょう。
おかげで将棋の内容自体も、過去2年よりは良いものになったと思います。来期もこれ以上の将棋が指せるよう、頑張りたいと思います。

昨日も書いたように、明日は対局です。ここからまた、新たなスタートです。


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2 コメント

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熱戦でしたね。 (赤唐辛子)
2007-03-22 15:17:29
とくに対堀口戦の逆転が大きかったように思います。
観戦していて「もうダメか」と諦めかけました。堀口七段は糸谷四段もやぶっていますから、広島の棋士に相性がいいのか……なんて考えてしまいました。

ところで、エントリーの時間(11:11:11)は偶然ですか
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いえいえ (daichan)
2007-03-22 15:35:25
もちろん確信犯です(笑)よく見てますね、さすが。
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