daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

半月

2016-10-27 13:34:14 | 日記・雑談
前回のエントリから間が空いてしまいました。
半月も更新できなかったのは海外旅行とかを含めても初めてだったはずで、しかもその間のアクセスは通常時よりも多かったです。
もちろん、期待されても何も出ません。
当事者ならいざ知らず、それ以外の棋士が、軽々しく何かを書いて良いような事柄ではないと思うので。
自分の考えを持ち、必要な意見をしかるべき場所で言うことと、全世界に向けて発信することは、全く違います。

もっともブログの更新が滞ったのはそういう理由ではなく、単に時間的にも精神的にも、余裕がなかっただけです。
どのような日々だったかは、通常のブログが書けるようになったら後日書くかもしれませんが、とにかく毎日とても忙しいです。

いま棋士としてすべきことは、改めて将棋を一生懸命指すこと。
その姿勢を見てもらうこと。
結局のところ、他にできることは、ない。と断言できるかはともかく、そう多くはないはずです。
私はそう思います。
それは大変なことです。大変ですが、頑張るしかない。
若い頃の自分も、同じように考えたと思います。

一昨日の対局にはひときわ気合を入れて臨みましたが、残念ながら空回りしてしまい、完敗。
夕休の局面は指せていると思ったのですが、休憩中に△6四歩の好手に気がついて、以下は形勢悪化に気落ちして粘りを欠いてしまいました。
最近特に成績が悪いですが、今後の対局もできるだけ、自分の色や気持ちを出して、すこしでも結果につなげたいです。

正直言って、いま対局以外で将棋に触れる時間はありません。
本当に大変な状況ですし、もちろん思い描いた未来とは全く違います。
でも、覚悟を持って立候補したわけですから、将棋界のために引き続き最善を尽くします。

目の前にある現実に向き合い、それぞれの立場で、一生懸命生きるしかない。
それだけです。

2016-10-12 09:04:57 | 日記・雑談
先週のことですが、「聖の青春」の舞台挨拶に行ってきました。
力の入れ具合が伝わってきたのはもちろんですが、実際に夭折した人物を取り上げた映画ですから、重い気持ちにもなりました。
一言でいうと、とても揺さぶられる映画です。

死を扱うということは、生と向き合うということでもあります。
一生懸命生きていかないといけないと、当たり前のことをこのときもまた、思いました。

将棋ファンの方にとっては、村山先生のいろんなエピソードが描かれている場面や、棋士・関係者のちょっとした登場、東出さんによる羽生先生のモノマネ(?)、等々楽しめる部分も数多いと思います。
将棋ファンでない一般の方から見ると、どういうふうに思われるのか、一棋士として非常に興味深く思っています。

公開は11/19からです。
一般人の妻ともう一度、観に行こうかと思っています。

実はつい最近、気持ちの整理のつかない出来事が立て続けにありました。
書けませんが、正直言って辛いです。
ただそれでも、これからも一生懸命生きていかないといけないなと、当たり前のことを日々、思っています。

直近のエントリにも書きましたが、(もちろん健康で)長生きすることは最近の大きな目標で、それは、最近の世の中の変化がとても目まぐるしく、未来がどうなっているか楽しみでぜひ見てみたいと思うからです。
そんな好奇心を、これからも大切にしていきたいと思っています。

降級

2016-10-09 09:24:33 | 日記・雑談
昨日の対局は、久々に先手四間飛車を採用。
相手は急戦。
こういうクラシックな戦型が中継してもらえたのは、とても喜ばしいことです。

若者はこういう将棋はあまり知らないのではと思いきや、青野先生の門下生なのはうっかりしていました
青野先生といえば、修業時代に「鷺宮定跡」をよく勉強したことを、思い出します。
特に今泉さんに、よく教わりました。
20年ぐらい前のことですが、この頃に基礎が固まっていったと思います。

しかし昨日の将棋は終盤でパスみたいな手を指してしまい、負け。
それまではずっといい勝負のねじり合いだったみたいなので、残念というか情けないというか。
気を取り直して、とは思いますが、これで降級なので、痛恨のミスでした。

数年前は2組にいたはずなんですが、これで来期は5組。
星の偏りは仕方ないところで、竜王戦は特に入れ替わりの激しい仕組みとはいえ、ちょっと負けすぎです。
5組には忘れ物があるので、取り戻しに来たと思って来期は頑張ります。

最近の自分の目標は、長生きすることと、長く将棋を続けることです。
全力で指して、一生懸命生きていれば、またチャンスはあると信じています。

ここ数日

2016-10-05 12:49:29 | 日記・雑談
相当に慌ただしく、なかなかブログを更新する暇もなく。
月曜日の常務会はもとより、ほかにも大事な会議があったり、来客や、夜も予定が詰まっていて、なかなか大変でした。
総務としての日々の業務と、新しくいただく前向きな案件とで、頭を切り替えながら仕事をする毎日です。

今週は土曜日に竜王戦の残留決定戦がついています。
それが終わるとようやく一段落、の予定。
先月夏休みをいただいたので、多少スケジュールが大変になるのは、やむをえないところです。

王位戦に続き、王座戦も羽生王座が防衛。
こちらはストレート決着でした。
3局とも前例の少ない、面白い将棋でしたが、羽生先生の大局観や適応力がすごかったですね。
将棋でも仕事でもあれぐらい、いろんな状況に的確に対応できたらなあと思います。

勝ち、負け

2016-10-01 10:11:26 | 日記・雑談
昨日の午前中の対局は、相手の振り飛車で、早い動きを警戒しながら駒組みする展開。
流れの中で穴熊に組んで、良いタイミングで仕掛けることができてからは快勝。
うまく戦機をとらえた1局でした。

午後の対局は、同じく相手の振り飛車から、今度は相穴熊に。
経験値の差が出やすいかなという懸念の通りになってしまいました。
穴熊はあまり好きではないのですが、現代将棋では避けて通れないので、仕方のないところです。

この将棋は中盤の手の広いところが急所の局面で、第一感が凡手、次に読んだ手が大悪手(実戦)、他のいくつかの選択肢の中に相手の本命視していた手があり、その順を選ぶべきだったようですが、自分にはちょっと難易度が高かったです。
2局とも集中して指すことができたので、復調までもうすこしでしょう。

上半期もこれで終わり、今日から下半期です。
昨年とあまり変わらないペースですが、今期はなんとか20勝には届くように、と思っています。

今日は土曜日ですがこれから出社予定。
叡王戦の放映があり、三段リーグ開幕、そして都城では女流王将戦第1局、と盛りだくさんの一日です。
個人的には、今日から外の方との会食の予定が続きます。
仕事の幅が広がってきているのはありがたいことなので、体調と言動・ふるまいに気をつけて、引き続き頑張ります。