daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

負け越し

2014-04-07 10:26:12 | 日記・雑談
小田原城での第4局、前3局以上の良い将棋になったと思うのですが、森下九段は敗れ、残念ながらプロ側の負け越しが決まってしまいました。
視聴者数も今回では初めて50万人を越え、新聞各紙でも大きく取り上げていただきました。

記者会見でも述べたように、本局のポイントはツツカナが▲4四金と打った手で、ひと目ありがたいように見えて意表の好手だったように思います。
この手は5時(夕休入り)をすこし回ったところでの着手だったようで、将棋の進行があと数分早ければ・・というのは結果論とはいえ、僕がこの手を見た瞬間に思ったことでした。
他に▲5六歩とあえて金銀交換に踏み込んだ手と、▲5七金と角を見捨てた手、このふたつもかなり意表を突かれました。
▲4四金と違って意表の「好手」ではなかったと思うのですが、少なくとも大きなポカやミスの類ではなく、かつ人間の読み筋には入らない手なので、指していて非常に疲れる展開になってしまったということは言えそうです。

本局は最後の詰みがあまりにもぴったりで、「美しい棋譜を残したい」という一丸さんの気持ちが、そこに結実したように思いました。
昨年のリベンジマッチでは逆に、船江君がぴったり詰む変化に誘導したのですが、本局ではプロ側がきれいに斬られてしまいました。

ところで、最終局に登場する山本一成電王が、最近コンピュータ将棋周辺知識の普及のために?ブログを書きだしたようですが、本局の観戦記の最後の一文には、ハッとさせられました。
棋士が負けたあとの記者会見というのはどうしても気が重く、それは仕方のないことだとも思いますが、もしまたそういうことがあれば自分も気をつけたいと思います。


今日は午後から役員会、その後夕方からは椿山荘で名人戦の前夜祭。
桜の見ごろももうあとすこし、今期も名人戦開幕の季節がやってきました。
おそらく前3期に続いて相居飛車のいろいろな戦型が見られるシリーズになるのではと思います。
特に、毎年用意周到な名人が、第1局に何を持ってくるかは要注目です。

直前の王将戦はフルセットまでもつれておおいに盛り上がりました。
羽生三冠にとってはその前のタイトル戦が王座戦で、それもフルセットでした。
名人戦も同様のシーソーゲームに期待したいですね。

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2 コメント

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Unknown (オヤジ)
2014-04-07 19:21:23
明日からは名人戦ですね。森内竜王名人と羽生三冠の七番勝負を堪能できるのは何より嬉しいです。

日曜の電王戦第四局ですが、森下先生は豊島先生に負けない対COM対策をなさってこの一局に臨まれたのではないでしょうか。去年・今年の電王戦で、棋士が負けた対局で1分将棋になる前に終局したのは今回が初めてだと思いますが、森下先生の最後まで諦めない姿に深い感銘を受けました。去年の塚田先生の頑張りも凄かったですが・・・
山本一成さんのブログは片上先生に教えて頂いてはじめて訪問しましたが、コンピュータ将棋の第一人者らしい見識に感嘆しました。

電王戦最終局、屋敷先生にはぜひとも勝って頂きたいです。
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Unknown (ラインイズグッド)
2014-04-08 23:00:46
本番と同じソフトを貸し出しすることにする、と規則を変えたのに、その変えた意味が棋士の方にあまり伝わっていないようで残念です。
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