昨日は力のこもったいい将棋が指せました。しかし、勝てませんでした。
何度も勝ったと思ったのですが、つかみ切れませんでした。なんとも厳しい世界だなあと思う瞬間です。
戦型は練りに練って、久々に藤井システムを採用。本家が離れているいまこそ、採用する価値もあるというものです。
作戦的にはうまくいったのですが、その後相手の粘りにあり、小さなミスが出て形勢混沌。しかしその後こちらもよく踏ん張り、秒読みに入ってからは二転三転。
お互いの玉が中段に泳いだあと、こちらの小さなミスを突いた「詰めろ逃れの詰めろっぽい手」が出て負け筋に。しかしその直後に向こうも最善を逃し、今度はこちらに「詰めろ逃れの詰めろ」が二通りあるという局面を迎えました。片方が勝ちで片方が負け。たぶん実戦ではめったに出現しない状況のように思います。
1分将棋の中、すべての変化を読み切るのは相当に困難です。あまり使いたい言葉ではないですが、結果は指運だったように思います。
しかし、そうは言っても実力のような気もします。僕は指運に弱いです。強い人は指運にも強いです。
もう長い間将棋を指してきて、お互い読み切れないまま偶然勝ったというケースはかなり少ないです。勝負師として、何かが足りないのだと思わざるを得ません。それが埋まらないものだとしたら、将棋の技術で埋めるよりありません。
次の対局はすぐあさってです。仕方ないので今日はこれからヤケ将棋します。
そう言えば、昨日の対局ではちょっと面白い出来事がありました。
普段の連盟の対局では、お昼と夜の食事の時間が近くなると「時間入れてください」と言って席を離れることが多いです。これは、休憩までの時間を手番の棋士の消費時間に加算するという意味です。だいたい10分前ぐらいが平均でしょうか。
で、昨日は中盤の難しい局面でゆっくり考えようと思ったので、早めに休憩を宣言して、そのまま席で考えていました。そしてふと記録用紙を見ると「▲15分」と書いてあるのですが、そのときまだ休憩までは20分ぐらいはあります。たぶん、記録係の子が休憩時間を18時からと勘違いしたのですね(正しくは18時10分から。この習慣は僕には不思議です)。
相手の広瀬君はすでにいなかったので、そのまま黙っていれば完全犯罪成立(?)だったのですが、自分は何も悪くないとは言え味の悪い思いをするのもイヤなので、指摘して10分追加してもらいました。他の棋士だとどうするのかちょっと興味深いところですが、たぶん細かい儲けより気持ちよく対局したい、という人のほうが多いのではないかと思います。
順位戦ともなると、記録係も本当に大変ですから、時にはミスが出るのも仕方ありません。しかしそのぶん勉強になるのも事実で、僕は三段時代好んで深夜まで記録を取りました。態度はともかく(^^;ミスは少なかったように思います。少なからずプロ意識もありました。
いまでも機会さえあれば、たまにはやってみたいと思うときもあります。長時間の将棋をたくさん経験したいまなら、当時とはまた違った見え方ができるのではないか、と思います。
何度も勝ったと思ったのですが、つかみ切れませんでした。なんとも厳しい世界だなあと思う瞬間です。
戦型は練りに練って、久々に藤井システムを採用。本家が離れているいまこそ、採用する価値もあるというものです。
作戦的にはうまくいったのですが、その後相手の粘りにあり、小さなミスが出て形勢混沌。しかしその後こちらもよく踏ん張り、秒読みに入ってからは二転三転。
お互いの玉が中段に泳いだあと、こちらの小さなミスを突いた「詰めろ逃れの詰めろっぽい手」が出て負け筋に。しかしその直後に向こうも最善を逃し、今度はこちらに「詰めろ逃れの詰めろ」が二通りあるという局面を迎えました。片方が勝ちで片方が負け。たぶん実戦ではめったに出現しない状況のように思います。
1分将棋の中、すべての変化を読み切るのは相当に困難です。あまり使いたい言葉ではないですが、結果は指運だったように思います。
しかし、そうは言っても実力のような気もします。僕は指運に弱いです。強い人は指運にも強いです。
もう長い間将棋を指してきて、お互い読み切れないまま偶然勝ったというケースはかなり少ないです。勝負師として、何かが足りないのだと思わざるを得ません。それが埋まらないものだとしたら、将棋の技術で埋めるよりありません。
次の対局はすぐあさってです。仕方ないので今日はこれからヤケ将棋します。
そう言えば、昨日の対局ではちょっと面白い出来事がありました。
普段の連盟の対局では、お昼と夜の食事の時間が近くなると「時間入れてください」と言って席を離れることが多いです。これは、休憩までの時間を手番の棋士の消費時間に加算するという意味です。だいたい10分前ぐらいが平均でしょうか。
で、昨日は中盤の難しい局面でゆっくり考えようと思ったので、早めに休憩を宣言して、そのまま席で考えていました。そしてふと記録用紙を見ると「▲15分」と書いてあるのですが、そのときまだ休憩までは20分ぐらいはあります。たぶん、記録係の子が休憩時間を18時からと勘違いしたのですね(正しくは18時10分から。この習慣は僕には不思議です)。
相手の広瀬君はすでにいなかったので、そのまま黙っていれば完全犯罪成立(?)だったのですが、自分は何も悪くないとは言え味の悪い思いをするのもイヤなので、指摘して10分追加してもらいました。他の棋士だとどうするのかちょっと興味深いところですが、たぶん細かい儲けより気持ちよく対局したい、という人のほうが多いのではないかと思います。
順位戦ともなると、記録係も本当に大変ですから、時にはミスが出るのも仕方ありません。しかしそのぶん勉強になるのも事実で、僕は三段時代好んで深夜まで記録を取りました。態度はともかく(^^;ミスは少なかったように思います。少なからずプロ意識もありました。
いまでも機会さえあれば、たまにはやってみたいと思うときもあります。長時間の将棋をたくさん経験したいまなら、当時とはまた違った見え方ができるのではないか、と思います。
藤井九段は、谷川九段との最近の順位戦で矢倉をしようか?と迷われたそうです。矢倉ばかり勉強しているそうです。(朝日新聞の順位戦記事から)
また、解説会の後で飲みましょう。
敗戦はひきづらず(ひきづらないか、笑い)次の勝負に備えてください。
しかし、そうは言っても実力のような気もします。僕は指運に弱いです。強い人は指運にも強いです。
何年か前のNHK杯戦の対深浦王位戦(当時の段位は失念)で、片上さんが秒読みに追われて手が泳いでたのが強く記憶に残っています。今はどうかは知りませんが、終盤で余裕がない印象を持ちました。
むろんあくまで見た目だけの感想で、片上さんの将棋を到底理解できているはずもないですが、上に引用した文章を読んでなるほどと思いました。
話は飛躍するのですが、最近生まれてはじめてスロットをして、正直こんなものに溺れるなんて堕落だと思ってましたが、これが意外に奥が深くて驚きました。出目を目押しだか勘だかで合わせていく作業はある種の「感覚」を磨くのではないかと思ってしまいました。山崎七段がブログでスロットに凝っている話を読んで実は否定的だったのですが、今は「違う」印象を抱いてます。
あと佐藤天四段がオンラインゲームで日本ランキング上位に入るほど凝ってる話もある種の「感覚」を磨いているのではないかと想像したりします(こちらは私もちょっとは理解できます。大昔バーチャストライカーというサッカーゲームが流行した際、大阪・梅田のゲームセンターで23連勝した事があります)。
あるいはそういう「感覚」は邪道というか単なる類推でしかなく、将棋とは無関係のものかも知れませんが、全く無意味とも言えないと思ったりしますがいかがでしょう?
正直、詰めろ逃れの詰めろをかけたところでは相手は投了しかないかと思ったくらいですが
その後の桂の成り捨てや合い駒請求の角打ちなど素人には全く見えない手の連発で感心しまくりでした。
結果は残念でしたがやっぱり最高レベルのプロの戦いは将棋ファンにはたまらないものがあります。
これからも素晴らしい棋譜を期待しています。
大熱戦ありがとうございました。