daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

名局探訪

2007-12-16 16:42:59 | 将棋
昨日は来客までの短い時間だけ棋譜並べ。竜王戦の決着局を改めて並べてみたのですが、やっぱり簡単に理解できるものではありません。ただ、一見破天荒に見えても、よく考えるとなるほどと思わされる手がたくさんありました。さすがに一流の将棋は違います。

並べていて僕が一番感銘を受けたのは図の場面。


いま渡辺竜王が▲9八飛と逃げたところ。ゼロ手で香車を取らせるこの手自体も意表の発想ですが、何より驚いたのは、この手を着手するのに残り時間を使い切ったことです。このとき相手は残り10分、自分は30分。その状況で30分すべてを投入するというのは、なかなかできるものではありません。ここが最後の勝負どころと踏んだ竜王の勝負勘が、勝利を呼び込んだのではないかと思いました。


この手に対し佐藤二冠の△9九銀成は自然な手ですが、なんと△8九銀不成!とする手も有力だったとか。でもそれって数手前の△8七銀を8九から打ったのと同じなんですよ!将棋は本当に深いですね。


良い将棋に触れるのは、我々にとって至福のひとときです。この感動を、一人でも多くの人に伝えられたらと思います。


今朝は教室に出かける前にPCをつける時間がなく、帰宅後の更新になりました。これから棋譜並べの続きです。