daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

竜王戦ほか

2017-02-15 08:10:28 | 日記・雑談
既報の通り、月曜日は竜王戦1組にて、三浦九段の復帰戦が指されました。
夕休のあたりでは三浦九段が優勢に見えたのですが、実際は難解だったようで、結果は大熱戦の末、羽生三冠の勝ち。
素晴らしい内容の将棋になって、佐藤会長も感謝を述べておられましたが、本当に良かったと思いました。
また、やはりトップ棋士はすごいと、心底思いました。

この対局は非常に多く報道していただき、そのほとんどは温かい内容で、この点も本当に良かったです。
棋士の真剣な対局姿が、注目を集めるというのが、将棋界として一番大切なことです。
三浦九段のことについては、「第三者の公正な調査によって疑いが晴れた」ということを、広く知ってもらえるようにと思っています。

昨日まで行われていた王将戦は、郷田王将が1番返し、佐渡(第5局予定地)の方々はきっと喜んでおられることと思います。
こちらも、特に終盤戦が非常に面白い将棋でした。
2日目に入る直前で決断の一手が出て、そこからずっと均衡の取れた勝負というのは、観る側からすると最高でしょう。
ここまで星は偏っていたものの内容は拮抗しているので、次もとても楽しみです。

聖の青春が高評価、という話題。
弟弟子としてもうれしいことですし、また将棋界にとっても、明るい話題です。
まもなく公開の3月のライオンにも、期待大です。

明日は自分の竜王戦。
今期の竜王戦は特に、対局できるということに感謝する気持ちが強いです。
思いを込めて、良い将棋が指せればと思っています。

朝日杯、ほか

2017-02-12 09:30:39 | 日記・雑談
昨日の有楽町での朝日杯準決勝・決勝は、八代五段が初優勝。
若者ばかりで誰が勝っても初優勝という大きな勝負を制したのは見事です。
彼は自分よりちょうど一回り下の世代で、層が厚い印象ですが、これでいっそう競争が激化しそうです。

また数日戻りますが順位戦では、自分と同じクラスで、横山六段が昇級決定。
彼は自分と同世代なので、全勝は本当に見事だと思います。
繰り返し対戦してきた相手で、これまでの分は悪いですが、いつかまた、上のクラスで戦える日が来るように僕も頑張りたいです。

2人ともおめでとう。

その後、B2、C2では昇級者は決まらず。
ラス前は残すところ来週のB1のみになりました。

先週はとにかく毎日連盟に詰めていたら、あっという間に1週間が終わりました。
外出禁止に違反者が出た件は、大変申し訳なく思っています。
まずはルールの周知徹底と、対局環境については、今後さらなる議論が不可欠です。

明日あさっては王将戦第4局。

臨時総会

2017-02-08 22:26:34 | 日記・雑談
既報の通り、月曜日に臨時総会と、その後の理事会を経て、佐藤康光九段を将棋連盟の新会長に選出しました。
新聞各紙等、報道でも大きく取り上げていただきました。

今日はさっそく佐藤会長と、いろいろと仕事の話をしましたが、当然ながら、とても大変そうでした。
これがずっと続くんですねと、覚悟された様子でした。
これから将棋界のために、対局と同様に全力投球で頑張っていただけると思いますし、支えていかなくてはと思いました。

また昨日は三浦九段が連盟内で記者会見をされており、自分も深夜、帰宅してから将棋プレミアムの映像で観ました。
理事室に立ち寄られた際に、常務会としてのお詫びをしたことも、合わせて書いておきます。
自分自身は対局中でしたので自分ごととしては言えませんが、2月13日の対局前にこのような機会を持てたことは、良かったと思います。
いまは少しづつではありますが、常務会としてやるべきことを進めている状況です。
ほかにも三浦九段の独白記事が出たり、渡辺竜王も数か月ぶりにブログを更新するなど、動きのあった一日でした。

またこれも既報の通り(というか会見で話した通り)ですが、再度の臨時総会開催の請求があり、2月27日に開催することに決まりました。
解任動議という極めて重い案件に、28名もの棋士が署名したという事実は、真摯に受け止めたいと思います。
当面は審判を受ける立場ですので、ブログの更新もすこし頻度を落として、上記のようなことに関しても書くのは事実のみで最小限にとどめ、総会が終わってからまた、先のことを考えようと思います。

最後に対局の話ですが、序盤からずっと苦しさを感じていましたがいつになく辛抱強く指すことができて、結果幸いしました。
いまのルールになってからは、一番遅い終局でした。
最終局は勝ち越しを懸けての戦いになります。
今月の対局は来週に竜王戦、その翌週にNHK予選です。

新四段

2017-02-05 16:29:10 | 日記・雑談
弟弟子の西田君が、開幕から14連勝!で、四段昇段を決めたとのこと。おめでとう。
何度かチャンスを逃したこともあったので、12連勝していても、きっと不安だったのではと想像しています。
(自分もそうだったので・・)
ホッとした気持ちが強いでしょうし、苦労したぶん、喜びもひとしおでしょう。

何回か練習で指したことはあり、最後に指したのがいつだったか覚えてないですが、当時から、上位の三段でした。
関西だと菅井君・斎藤君・澤田君といった、層の厚い世代の一人です。
彼よりさらに弟弟子の千田君は、いまちょうど棋王戦でタイトル挑戦中。
後輩に追い抜かれたり、遅れた分は、これから大いに取り返してもらいたいと思います。

今日はその棋王戦第1局と、女流名人戦の第4局が行われています。
棋王戦のほうはさっぱり分からない難解な将棋、女流名人戦のほうは、どうやらフルセットでしょうか。

そして明日は臨時総会。
それでなくても大変なところ、会長不在という非常事態ですが、自分は将棋連盟のために、自分がいまやるべき仕事をするだけです。

難しい状況にあるときには、常に将棋連盟のためにはどうあるべきかと考えることがまず大事で、それより上は、将棋という道のためと、将棋界のため。
いまの立場でなくとも、棋士として、それが何より大切な判断基準です。

総会が終わると、翌日は順位戦。
さすがに普段通り、とはいかないかもしれませんが、できるだけ心落ち着かせて、対局に臨みたいと思います。

ラス前

2017-02-02 08:42:13 | 日記・雑談
昨日は午前中の新幹線で帰京後、夜まではずっと連盟。

帰宅してからさらにひと仕事したあと、深夜11時頃からA級順位戦8回戦、いわゆる「ラス前」を観戦。
どの将棋も面白い内容で、手に汗握りました。

結果、挑戦・降級いずれも決まらず。
最終日も盛り上がりそうです。

また、初めてAbemaTVを見ましたが、視聴者も多かったようで、当日のランキング1位だったとか。
今後も大いに期待できる立ち上がりで、本当に良かったです。

王将戦のほうは、本局は四間飛車の出だしからの向飛車。
前夜祭の挨拶で「もし四間に振れば、ひと通り(の振り飛車が)見られることに」と言ったのですが、その通りになりました。
封じ手の局面は、一歩得で居飛車が十分に見えますが、この先どうなるでしょうか。

出張

2017-01-31 09:33:03 | 日記・雑談
今日はこれから王将戦第3局@大田原。
ホテル花月さんには昨年10年連続開催の感謝状をお渡ししましたので、今年で11年目の開催。
今後も続いてほしいと願います。

明日の朝は対局開始を見届けたらトンボ帰りで、そのまま千駄ヶ谷へ直行で常務会。
正直なところ、最近ちょっと体力的にきついですし、精神的にも大変です。
ただ自分としては4年前の立候補以来、理念はまったく変わっていないので、これからも将棋界の未来と、後輩たちのために、頑張るつもりです。


一連の問題については、公式見解が少ないという声を多く耳にしており、長年の将棋ファンの方々に対しては特に、心苦しく思います。
ただ公式の発信というのはそう簡単なことではないですし、もちろん最大限努力していることも、理解していただければと願います。
一般論としても、一つひとつのネット上の疑問や、報道に対して、随時反応することは難しいです。
本来発信すべきことが抜け落ちたり、あるいは間違った情報を訂正できないままになってしまったりということも、あるかもしれません。
それも含めて、精いっぱいやっている結果で、至らぬ点は、申し訳なく思います。

それと、今回のことでずっと心を痛めているのは、一部の先輩棋士が、将棋界の価値を貶める行動を繰り返してしまっていることです。
普通の会社であれば、社員として絶対にすべきでないことも多く、団体として本当に恥ずかしい限りです。

中でも情報管理は、普通の会社より幅広い世代の構成員を持つ組織で、かつ、社員研修のようなものがない世界なので、特に難しい問題です。
棋士である以上、プロ棋士としての活動を通じて、将棋界に貢献すべきですが、棋士の本分を離れてしまう人も中にはいます。
将棋連盟全体の大きな課題と以前から思っていましたが、最近特に悪い方向に流れているので、なんとかしなくてはいけないと思います。
自戒も込めて。

ただいっぽうで、若い人の発信や振る舞いを見ていると、勇気づけられることも多いです。
自分はこれからも未来ある若者のほうを向いて、努力していくつもりです。
いまはまだ30代半ばなので、ある意味そう思っていられて当然とも言えますが、10年後も20年後も同じ気持ちでいられるように、書いておきます。
立場上、なかなか具体的なことは書きにくいので、抽象的な言い回しになってしまいますが、この気持ちだけは、いつまでも忘れずにいたいと思います。


組織の価値や力を高めるには、結局は構成員自身が、努力するしかないことです。
それは自分がいまの立場かどうかには関係のないことなので、これからもずっと、意識していきたいです。
そして、後輩から、将棋界のために頑張っていると認めてもらえるような、先輩になりたいと思っています。

勝ち

2017-01-29 13:26:42 | 日記・雑談
一昨日の対局は、矢倉の後手番で流行中の急戦。
形勢判断の難しい将棋で、自信のない局面が続きましたが、運よく勝つことができました。
次も頑張ります。

その後、すこし体調を崩して、昨日は半日ぐらい寝てしまったり、今朝は変な時間に目が覚めてしまったり。
たいしたことはなくて幸いでしたが、疲れが出たのかもしれません。
ちょうど土日なので、すこし休んで、明日からまた働きます。

「本格ステップ将棋」発売のお知らせ。
全国の小学校や児童館に、置いてもらえるようになればと願います。

今日は野田で女流名人戦第3局。

明日対局

2017-01-26 09:29:25 | 日記・雑談
竜王戦です。

月曜日の常務会・月例報告会以降、あまりに忙しいので、今週の更新は以上です。

最近の話題

2017-01-22 17:36:09 | 日記・雑談
ここ数日、将棋界は明るい話題が特にたくさんありましたので、簡単にですがまとめてご紹介しておきます。

まずは何と言っても「Abema TV」に将棋チャンネル開設のニュース。
いまは総務担当なので畑違いとは言え、当然ながら進捗はずっと聞いていました。
媒体が増えること、露出が増えることは、将棋界にとっては何よりの追い風です。
実際にリリースを迎えられたことをとても嬉しく思います。

また、この件に特に深く関わってきた棋士の一人が野月さんですが、ちょうど同じ日に八段に昇段されたとのこと。
もしかしてこの日を狙ってたんでしょうかね。おめでとうございます。

次に加藤一二三先生のニュース。
C2が2日間に分かれた関係で、ご自身の対局日から1週間後、19日の他の対局によって、降級・引退が決まりました。
63年間の棋士生活は、破られることは考えにくい記録です。

そしてその翌日、最年長勝利を挙げるというミラクルな展開。
相手がB1在籍の棋士ですからまたすごい。
19日・20日と2日続けてコメントを出されることにもなったわけですが、そちらも素晴らしいもので、感銘を受けました。
才能・情熱・努力・健康など、どれが欠けてもなしえなかった偉業だと思います。

連盟HPから他にお知らせを2点。
関根名人記念館にて、木村名人に関する特別展示が行われます。
実は私はご縁あり、すでに品物は見せていただきましたが、興味深いものでした。

81dojoでの指導対局の話題。
言うは易し、ではあるのですが、海外普及のためには、今後こうした取り組みを増やしていくことが求められるでしょうね。

一昨日の朝日杯では、弟弟子の澤田君が、永世名人と永世竜王を連覇する殊勲。
これでベスト4のうち3枠まで埋まり、全員が自分より後輩の棋士という結果になっています。
朝日杯はたしか羽生先生が数連覇していたはずですが、今年の有楽町は、当人たちにとって特に大きな勝負になりましたね。

今日は女流名人戦第2局、先週に続いて母は強し、を思わせる内容でした。
里見さんがタイトル戦で0-2に追い込まれたのは初めてではないでしょうか。
第3局は上記、関根名人記念館です。

辞任会見等

2017-01-21 11:50:29 | 日記・雑談
既報の通り、谷川会長が辞意を表明しました。
水曜日の午後、急遽開くことになった記者会見に同席。
おそらく自分の人生で、こんなことは二度とないでしょう。
見たこともないような、マイクとカメラの数でした。

時をほぼ同じくして島常務も、辞任を表明しました。
私自身としては、当面の事後処理に関して、引き続き全力を尽くします。
一連の経緯について反省・総括等、きちんとすべき立場なのかもしれませんが、それにふさわしい時と場所ではないと思いますので、ブログであれこれ書くことは控えます。

火曜日に竜王就位式があって以降、記者会見のほかにも理事会の開催、役員選挙・臨時総会・理事会の準備等、本当に休む間もない日々でした。
ただその間、明るいニュースもひときわ多い一週間でしたので、それらの話題は明日、改めて書きたいと思います。

また、いまはいろいろな思いを抱え込んだまま、目の前の仕事に当たっている状態ですが、こういう大変なときには特に、暖かい言葉が本当に胸に沁みるものなのだなあと実感しています。
大切な友人・知人やお世話になっている方々に感謝して、これからも将棋連盟のために一生懸命努めたいと思います。

最後に、このような事態になってしまいましたことを、将棋ファンの皆さまに心よりお詫び致します。