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オドラデクの心配事

日常にゆるやかに乱入する舞踏家の由無し事

ジャンベの

2007年08月08日 | 道路劇場の記録
アフリカの太鼓「ジャンベ」のワークショップを
開くことになった。
昨年、絵本作家沢田としきさんが子供たちと1ページ
3畳の巨大な絵本8枚を作るイベントを企画した折に
出会い、その勢いで道路劇場「鬼のカサブタ」(掲載写真)
に出演していただいたご縁があり、今年も青森に来ること
になったので、せっかくの機会にワークショップを開こう
とするものです。
告知が遅くなり、また、お盆の時期とも重なり、なかなか
苦戦しています。
せっかくの機会なので、是非参加してくださいね。

日時 2007年8月12日(日) 午後2時から
   2007年8月18日(土) 午後7時から
   2007年8月19日(日) 午前10時から
                 午後2時から
場所 青森演劇鑑賞協会
(青森市安方:善知鳥神社海手 ライオンズマンション善知鳥の向かい)
会費 大人2500円  親子で参加の場合は、3000円
参加人数 各回とも限定7名まで
※まったくの初心者大歓迎です。初歩からていねいに教えていきます。
 ※ジンベをお持ちでない方も参加できます(事務局で用意します)
※ワークショップは、休憩を入れて概ね2時間を予定しています。
 ※開催時間は、参加状況により変更する場合があります。

講師 廣田真志(ひろた まさし)
北海道帯広市出身 東京都在住
アフリカ セネガル、マリにて民族楽器の修行
現在、アフリカンダンスとドラムのグループ「ウォークトーク」で活躍中

文字のない時代から、ジェンベ(ジンベとも)は音楽を楽しむだけでなく、
西アフリカの村々での通信手段としても使われてきました。 発祥地は現在の
マリ、セネガル、ギニアなどの地域で、そこに住むバンバラ族が生み出したと
の説が有力です。
ジェンベの語源は、バンバラ語の「ジェベ・バラ=調和の太鼓」の意味だとい
われています。
踊りを楽しむときや婚礼や埋葬のときの伴奏として、今でも人々の生活に密着
しています。
構造は杯型にした丸太をくり抜き、広い方の口にヤギや牛の皮を張るだけ。
小さい方の口は開けておきます。
真ん中をたたくと「ドーン」と腹に響く低音、端をたたけば「ポンポン」という
柔らかい音、縁を手のひらでたたくと金属のようなかなり甲高い「カーン」という
音の3種類が出ます。
年配の女性のためのリズム」「祝い事のリズム」など、意味を持った数百種の
リズムがあり、他の太鼓などとの組み合わせで意味が決まるものもあります。

参加申し込み・問合せ先 
このブログにコメントしてください。



サンショウウオの卵

2007年05月06日 | 道路劇場の記録
黄金週間は、めずらしく遠出しなかった。
昨年は、長野松本公演4回、その後、田中泯さん
の山梨県桃下村へ、翌日には、横浜ZAIMU
オープニングで黒田オサム翁と至福のジョイント、
その翌日は新宿文化センターで2日間ゴールデン街
のクロさんの還暦リサイタルにジョイント。
あわただしい日々であったことを思うと、なんと
今年は平穏であることか。

ということで、自宅の周りをうろうろしていたら、
いろいろ発見。

その1 水天宮というお宮がある。鶴亀温泉のバイパス
を挟んで側道を少し上ると奥の方に沼がある。
これは農業用水の溜池であろうが、不思議な雰囲気が漂っている。
沼とは元来神秘性を備えている。
のんびり釣り糸を垂れている人がちらほら。
その奥の方に水天宮の看板がある。
津軽ではどこにでもありそうないわくありげな社があり、
竜神様を祀っているようす。
実は、ここまでは去年も稽古がてら来たことがある。
よく見ると、その奥のほうに祠があり、その脇には清水が
奥の小さな沢のほうから流れ出ているのだ。
直感でここにはサンショウウオが産卵していると思い、
目を凝らすと案の定、トウホクサンショウウオの卵の房を
清水の中に発見。間もなく孵化するだろう。
彼らはきれいな水のところにしか卵を産まない。

さらに奥の道をどんどん行くと小さな小川のほとりに水芭蕉が咲いている。
こんなに近くにこんな懐かしい桃源郷のような景色があったのだ。
3年目にして発見。

その2 わが家は、三内丸山の運動公園に隣接した小高い丘の上にあり、
北東の端に位置しているので、すこぶる視界がよい。青森市内が一望に
見渡せ、東岳から、陸奥湾、遠く下北半島まで見渡せる。
ここから直ぐにバイパスを跨ぐ陸橋があり、奥に入っていくと自衛隊の
演習場があるのだ。
日曜休日に関係なく隊員を詰め込んだトラックやジープが行き来し、
遠くのほうから物憂げに砲台の音が聞こえてきたりたりする。
その陸橋を渡って、少し上り坂に差しかかろうとした矢先。
ここにも小さ目の溜池があった。
なんとあちこちで大量の蛙が団子になって絡まっている。
カーキ色の婚姻色が毒々しい。
これだけ大量に交尾の現場に居合わせたことはない。

ということで、わが家の周辺には少しの散歩で、生命の現場に
事欠かないことが今更のようにわかった黄金週間でした。


自作詩を朗読する会に緩やかに乱入

2007年05月01日 | 道路劇場の記録
詩人が10人。それぞれ自作詩を朗読する会が30日
青森駅前アウガビルの5階で行われた。
敬愛する弘前の詩人泉谷明氏が、絶妙の間をとり、
ユーモアに富んだ司会進行を行う。
皆さん詩をきいて暗く暗くなって、落ち込んで、
家に帰ってくださいと。

会は2部にわかれていて、第1部が9人の詩人により、
入れ替わりで簡単な自己紹介とともに、たんたんと
自作詩を読み上げていく。
お年をめしたかたが多い。
朗読はあっという間に済んでしまった。
第2部が佐々木英明氏の出番である。

乱入計画は、エイメイ氏と2人だけの秘密だ。
会場に着いたのは10分くらい前で、中から
内鍵がかけられエイメイ氏がリハーサルをしているとの
ことで、中には入れない。
ということで、全くのぶっつけで本番に臨むことになったのだが、
心の準備をするいとまもなく第1部の朗読が終わってしまったのだ。

踊ることは生きること。
生きることに入念な準備などできるはずがない。
場内の蛍光灯が消され、持ち込んだ照明を絞って雰囲気が出来上がる。
天井桟敷のJAシーザーが作曲した朗読のための音楽が静かに
流れ出す。

その一歩を踏み出すときは、いつも躊躇する。
完全なように見えるいつわりの空間に自分の肉体を割り込ませようと
するとき、いつも場の空間は、粘着質で重く暗い。
ああ、そこを突き抜けていくための刹那の逡巡。
留まることもできる。留まらないこともできる。
告知していないのだから、踊らなければそれで済むのだ。

そのようにして、いつも自分で自分の背中を押す。
舞踏の身体が緩やかに乱れながら一歩を踏み出し、
エイメイの存在の強度に吸い寄せられていったのです。


おもちゃ箱は呪縛の彼方へ

2007年04月26日 | 道路劇場の記録
4月に人事異動で配属先が変わり、
何とはなくごたごたして日記を書かない日が続く。
最近は紙切れ1枚でという表現は当てはまらない。
庁内のメールで音もなく提示されるだけだ。
したがって辞令交付もない。

ということで、税金の徴収担当になる。
新採用のとき1年間だけ同じセクションにいたことがある。
税金の滞納者を差押え処分する最も公権力を行使する係であった。
当時、税金の計算は、そろばんと電卓の両方が使われていた。
青森に帰ってから、最初のリサイタルを市民センターで
やった。モチーフは少年のおもちゃ箱であった。

開演30分前に近くの床屋に駆け込み、バリカンで坊主頭にして、
そのまま、舞台で踊った。命がけでスイカを抱えて走り回り、
床に落とし、生卵を体にぶつけ、正露丸を撒き散らし、石膏が飛び
散る会場はただならぬ匂いで充満した。
少年はおもちゃ箱の呪縛から解き放たれようと秘儀を繰り返す。

翌日、舞台の高揚をそのままにして出勤し、坊主頭の少年が、
そろばんで税金を計算していたのだ。
そのようにして、踊る体とと現実の生活がゆるやかにお互いを
犯していったのです。