オドラデクの心配事

日常にゆるやかに乱入する舞踏家の由無し事

今週の二つの公演

2007年05月21日 | 道路劇場のお知らせ
二つの公演のご案内です。
いつも直前になってからですみません.
会場でお目にかかれることを楽しみにしております。

ひとつ目は、
第14回 寺山修司忌 記念公演
日時 5月23日(水)12:30~13:30 (平日の昼ですが・・・)
場所 青森大学 学生ホール(青森市幸畑)
出演 佐々木英明(朗読) 福士正一(舞踏)
   青森大学学生ほか(朗読)
※寺山修司が、青森短期大学校歌を作詞したことから、
 毎年この時期にゆかりの人をゲストに記念公演を行
 っているものです。(一般参加自由:無料)

ふたつ目は、北枕ツアー
日時 5月25日(金)(弘前市)、26日(土)(黒石市)、
   27日(日)(青森市)
三上寛と青森在住のアーティストとのコラボレーションライブです。

『北枕ツアー』 ごあいさつ

このツアーは、三上寛を師匠と仰ぐ弘前在住のシンガー「ふきた」が、
2年前師匠を青森に招き、青森在住のアーティスト仲間ともにツアー
したのが始まりです。
今年で3回目を迎え、青森県だからこそ実現できる濃いメンバーによる
ライブパフォーマンスになってきました。
青森県に産み落とされ、アオモリを背負い、極限の表現を追及して来た
表現者たち。
50代の三上寛(歌)、佐々木英明(詩)、福士正一(舞踏)と、
これからを担い、引き継ぎ、更にそれ以上のタカミを目指す青森在住の
中堅&若手表現者たち。
ふきた(歌)、コスモス(変態朗読バンド)、MAJIO(ライブペイント)、
小山内薫(津軽三味線)、TAKUSHI(DJ)、
これらのメンバーが、それぞれの表現スタイルを抱えながら、同時に他者
に踏み込み、コラボレーションしていきます。
歌とペイント、歌と舞踏、朗読と舞踏と演奏、DJとペイントなど様々な
組み合わせが混ざり、よじれて新たに濃密なアオモリの今を炙り出してい
きます。
週末、お近くの会場でお会いできることを切に願っております。

出演者
 三上寛(音楽)
 佐々木英明(朗読)~青森公演のみ
 福士正一(舞踏)
 ふきた(音楽)
 コスモス(音楽)
 MAJIO(ライブペイント) 
 小山内 薫(津軽三味線)~弘前公演のみ
 DJ TAKUSHI(DJ)

公演日程
 5/25(金)弘前
 ORANGECOUNTY (弘前市大字富田3丁目6-4) TEL0172-34-2277     
 開演 19:00  前売3000円/当日3500円(1ドリンク別)

 5/26(土)黒石
 津軽伝承工芸館(黒石市大字袋字富山65-1)TEL0172-59-5300
 開演 18:00  前売3000円/当日3500円(1ドリンク込)

 5/27(日)青森
 アトリエ1007(青森市本町3-4-5スズケンビル1F)
  ※県立郷土館の海手側通り ローソンの3軒駅寄りです。)
 開演 18:00  前売3000円/当日3500円 

 青森公演予約・問合せ TEL&FAX 017-766-8009(福士)
            odorade@actv.ne.jp

 全体の予約・問合せ TEL 090-2561-0434(barふきた)
           fukitaman69@docomo.ne.jp

北枕ツアー関連ブログ
http://kitamakura.exblog.jp/

出演者プロフィール

三上 寛
1950年3月20日、青森県北津軽郡小泊村(現中泊町)に生まれる。
五所川原高校在学中よりビート派詩人の影響を受け、現代詩を書く。
18歳で上京し、様々な職業を経て、作詞作曲を始める。
71年に、アルバム『三上寛の世界』発表。
同年、中津川フォークジャンボリーにて、最もラジカルなシンガーとして、
一躍脚光を浴びる。
音楽活動で次々に伝説を作る一方、俳優としてもその才能を発揮。
主な出演作品は『田園に死す』『仁義なき戦い』『典子は今』
『戦場のメリークリスマス』等々。
最近の主な出演作品は、田口トモロオ監督みうらじゅん原作
『アイデン&ティティー』居酒屋「なまず」の店長役等。
現在、創作活動は益々活気を帯び、この15、6年の間にオリジナル
アルバムだけでも25作品も発表。
その他、再発は数知れず。
ライヴ数は年々増え、近年はヨーロッパ公演や海外でのレコーディング
も盛んである。
ちなみに今年は、北枕ツアー前週のまさに今、スコットランドツアー中。
※今回、青森公演にてゲスト出演される佐々木英明氏とは、天井桟敷
「邪宗門」などで共演。

佐々木英明(朗読)
詩人
1948年平内町小湊生まれ。
1968年寺山修司主宰:演劇実験室「天井棧敷」に参加。
『書を捨てよ、町へ出よう』『邪宗門』などで主演。
寺山修司監督映画 『書を捨てよ、町へ出よう』で主演
1988年帰郷。
個人誌『詩人』主宰。
詩集に『愛について』『心を閉ざす』がある。
レンタルビデオ店店員、砕石会社を経て、
現在、平内町の新聞販売店に勤務。

福士正一(舞踏)
1953年青森市生まれ。青森市役所に勤務する「公務する舞踏家」。
1997年度青森県芸術文化奨励賞受賞。
主な公演 「ダンス白州(山梨)94〜」
「縄文魂〜風の祭り(福島)89〜」
「縄文・雪幻想98」
「日韓パフォーミングアーツフェスタ〜祈りのかたち01」
「GAW展(竜飛崎・新宿ゴールデン街)05」
主な海外公演 「日韓ダンスフェスティバル(ソウル)93」
「サイパン島91」
「バヌアツ共和国独立記念公演80・00」
「韓国編 ソウル・平澤市・南原・釜山」
「釜山国際海浜舞踊祭97」
「欧州編(ペルージャ、アテネ、ニーム、パリ)05」

小山内薫(津軽三味線)
1979年生まれ。青森県弘前市出身、弘前市在住。
現代的な風貌とは裏腹に、津軽三味線に対するこだわりには
職人的な一途さがある。類まれな音楽的センスにより、早く
から頭角をあらわす。その卓越したテクニックは、師である
多田も舌を巻くほど。
三味線音楽の可能性を追求し、ロックバンドとの競演等、
活動の幅を広げる若手のホープ。昨今の三味線のコラボ、
セッションにありがちな安易さが感じられないのは、
独自の演奏スタイルを確立している証左でもある。
(多田あつし夢弦会HPより)

ふきた
1964年5月14日 青森県南津軽郡平賀町に生まれる。
東奥義塾高校在学中よりアンダーグラウンドミュージックに
興味を覚えバンド活動と共に作詞作曲を始める。
85年に上京、ロックバンド「Popland off gallery」の
Vo、Gとして東京を拠点に活動しながら、青森でも積極的に公演。
その才能は、名優故・牧良介氏にも認められ、新作戯曲の音楽を
依頼される程であった。
90年にマイナーレーベルより、アルバム『月がとっても青いから』
を発表。同年、レコード会社3社の争奪戦によりメジャーデビューが
決定するが、会社側との音楽に対する考え方の違いにより決裂、
メジャーを蹴る。
92年、憧れであった三上寛氏に無理矢理弟子入り。三上寛を筆頭に、
あがた森魚、電気グルーヴ、突然段ボール、さかな、灰野敬二、
ダウンタウン、キリングセンス、佐野史郎、ソンコ・マージュ、
川平慈英(敬省略)等々、あらゆるジャンルのアーティストと共演し、
稀代のシンガーソングライターとして絶賛される。
99年より、ホームレスを経て東南アジアを放浪。
01年春、活動拠点を青森県に移す。現在黒石市在住。
05年春、off gallery recordsより移籍後、初のCD『ヤーヤドー』発表。

コスモス
青森の至る所で様々な形式の音楽表現を試みる、クソアマチュアアコース
ティックバンド
92年、変態パンクバンドキ「チガイハゲ」結成
95年、ボーカルの千葉とギターの中畑で意識過剰で内向的なエロユニット
「コスモス」として宅録バンド的活動に猛進。
98年、ひたすら宅録で、チクチク創りためたアルバム
「ビグザムアンドバギー」ドーリンプロジェクトより発売
04年、更に最高のアルバムを作るべくひたすら世間に籠もり
    「ラードクリエイションロードビート」完成、発売。
05年、ヒロタケ、エイトの新メンバー加入により、ダラダラとカマキリの
ように動き出した。
5/13「寛とふきたのヤーヤドーツアー」
8/23サーカス小屋と海の「タカヤ祭り」企画。
10/16”空間実験室レコーディング&ライブ”を経て
3rdアルバムとなる、変態アコースティックバージョン
「ポップコーン・ガンマン」完成。
06年、5/24「寛とふきたの皮膚ネプタ祭トゥアー!」
8/24船底と光る列車の「タカヤ祭り2」企画。

MAJIO
絵描き。1977年生まれ。弘前在住。
特定のスタイルにこだわらず、ペンキ、アクリル、パステル、
コラージュ、CG,版画など、様々な手法で、日々、制作活動に励む。
ライブペイント、壁画、個展、Tシャツなどの製作を中心に活動。
特にライブペイントでは、様々なジャンルの音楽(DJ、バンド、
パーカッション、三味線、舞踏、etc)と共演し、絵描きながら毎年
多くの音楽イベントに参加している。
2003 弘前の情報誌『TEKUTEKU創刊号』表紙イラスト
2004  恋するコトバ(情報センター出版局)イラスト
2005.8 第22回嶺美会夏期大学講座(長野)にて、着物とペイントの
コラボレーション
2006.9 PEACE IN NATAURE:風人の祭り 参加
    DJ、三線、ディジリドゥと共演
2006.12〜2007.1 barふきたにて個展『250419』
2007.2 オリジナルパーカー制作
2007.3 ゆぱんきにて アコーディオン奏者STEFAN KOJI IANCUと
    ペイントで共演
   3 入内にて ”オドラデク道路劇場”にペイントで参加
   3 クラブイベント"draw."にてライブペイント   ・・・etc

DJ TAKUSHI
1978年生まれ。大分県出身、弘前在住。
TURNTABLE愛煙家。


サンショウウオの卵

2007年05月06日 | 道路劇場の記録
黄金週間は、めずらしく遠出しなかった。
昨年は、長野松本公演4回、その後、田中泯さん
の山梨県桃下村へ、翌日には、横浜ZAIMU
オープニングで黒田オサム翁と至福のジョイント、
その翌日は新宿文化センターで2日間ゴールデン街
のクロさんの還暦リサイタルにジョイント。
あわただしい日々であったことを思うと、なんと
今年は平穏であることか。

ということで、自宅の周りをうろうろしていたら、
いろいろ発見。

その1 水天宮というお宮がある。鶴亀温泉のバイパス
を挟んで側道を少し上ると奥の方に沼がある。
これは農業用水の溜池であろうが、不思議な雰囲気が漂っている。
沼とは元来神秘性を備えている。
のんびり釣り糸を垂れている人がちらほら。
その奥の方に水天宮の看板がある。
津軽ではどこにでもありそうないわくありげな社があり、
竜神様を祀っているようす。
実は、ここまでは去年も稽古がてら来たことがある。
よく見ると、その奥のほうに祠があり、その脇には清水が
奥の小さな沢のほうから流れ出ているのだ。
直感でここにはサンショウウオが産卵していると思い、
目を凝らすと案の定、トウホクサンショウウオの卵の房を
清水の中に発見。間もなく孵化するだろう。
彼らはきれいな水のところにしか卵を産まない。

さらに奥の道をどんどん行くと小さな小川のほとりに水芭蕉が咲いている。
こんなに近くにこんな懐かしい桃源郷のような景色があったのだ。
3年目にして発見。

その2 わが家は、三内丸山の運動公園に隣接した小高い丘の上にあり、
北東の端に位置しているので、すこぶる視界がよい。青森市内が一望に
見渡せ、東岳から、陸奥湾、遠く下北半島まで見渡せる。
ここから直ぐにバイパスを跨ぐ陸橋があり、奥に入っていくと自衛隊の
演習場があるのだ。
日曜休日に関係なく隊員を詰め込んだトラックやジープが行き来し、
遠くのほうから物憂げに砲台の音が聞こえてきたりたりする。
その陸橋を渡って、少し上り坂に差しかかろうとした矢先。
ここにも小さ目の溜池があった。
なんとあちこちで大量の蛙が団子になって絡まっている。
カーキ色の婚姻色が毒々しい。
これだけ大量に交尾の現場に居合わせたことはない。

ということで、わが家の周辺には少しの散歩で、生命の現場に
事欠かないことが今更のようにわかった黄金週間でした。


自作詩を朗読する会に緩やかに乱入

2007年05月01日 | 道路劇場の記録
詩人が10人。それぞれ自作詩を朗読する会が30日
青森駅前アウガビルの5階で行われた。
敬愛する弘前の詩人泉谷明氏が、絶妙の間をとり、
ユーモアに富んだ司会進行を行う。
皆さん詩をきいて暗く暗くなって、落ち込んで、
家に帰ってくださいと。

会は2部にわかれていて、第1部が9人の詩人により、
入れ替わりで簡単な自己紹介とともに、たんたんと
自作詩を読み上げていく。
お年をめしたかたが多い。
朗読はあっという間に済んでしまった。
第2部が佐々木英明氏の出番である。

乱入計画は、エイメイ氏と2人だけの秘密だ。
会場に着いたのは10分くらい前で、中から
内鍵がかけられエイメイ氏がリハーサルをしているとの
ことで、中には入れない。
ということで、全くのぶっつけで本番に臨むことになったのだが、
心の準備をするいとまもなく第1部の朗読が終わってしまったのだ。

踊ることは生きること。
生きることに入念な準備などできるはずがない。
場内の蛍光灯が消され、持ち込んだ照明を絞って雰囲気が出来上がる。
天井桟敷のJAシーザーが作曲した朗読のための音楽が静かに
流れ出す。

その一歩を踏み出すときは、いつも躊躇する。
完全なように見えるいつわりの空間に自分の肉体を割り込ませようと
するとき、いつも場の空間は、粘着質で重く暗い。
ああ、そこを突き抜けていくための刹那の逡巡。
留まることもできる。留まらないこともできる。
告知していないのだから、踊らなければそれで済むのだ。

そのようにして、いつも自分で自分の背中を押す。
舞踏の身体が緩やかに乱れながら一歩を踏み出し、
エイメイの存在の強度に吸い寄せられていったのです。