安倍政権が成立しようとしている「戦争法案」。ポイントは、集団的自衛権だ。安倍政権が「集団的自衛権」行使が必要とする事例は、「個別的自衛権」で十分対応可能だと野党は言う。憲法学者がこの法案を「憲法違反」だという理由は、「集団的自衛権」にある。
憲法違反だとまで言われ、世論調査でも、今国会成立に「反対」が57%に達し「賛成」の25%(日経)。
地方に広がる戦争法案への疑問
この法案が成立しないと本当に日本を守る事ができないのだろうか?
安倍首相のお友達を集めた私的諮問機関の「安保法制懇」が報告書を出してから、1年足らず、与党内部でも十分に検討されたとは言い難い。外交や安全保障の基本的な政策は、野党を含め国民的コンセンサスが必要だ。ここまで集団的自衛権にこだわるのは何故だろうか? 安倍晋三の本音はなんだ!? 安倍晋三という人間の本質にかかわる問題なのかもしれない。
そもそも総研 そもそもナゼ安倍総理は集団的自衛権の行使にここまでこだわるのか
安倍イズムを読み解く 首相は国家社会主義者(共同通信社)
倍晋三首相は、自分を保守と位置付けているが、祖父の岸信介元首相と同じ「国家社会主義者」の傾向がある。選挙で勝った政治勢力がある程度の独裁性をもって政策を展開できるという「政治万能主義」の面もある。
憲法改正、教育改革、集団的自衛権の行使容認、靖国神社参拝や従軍慰安婦問題に関する河野談話見直しなどの一連の政策や言動を安倍イズムと名付けた。
去年とことし、二つの象徴的なメッセージが発表された。一つはことしの建国記念日を迎えるにあたってのもの、もう一つが昨年の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」での式辞で、いずれも「美しい国」「誇りある国」という言葉が散見される。また、式辞では占領期のことを「最も深い断絶であり、試練」と位置付けサンフランシスコ講和条約の締結を「自分たちの力によって再び歩みを始めた日」「日本を日本自身のものとした日」などとしている。
靖国神社に参拝することや従軍慰安婦の強制性を認めた河野談話を見直すことは「美しさ」や「誇り」を守ることであり、憲法改正や教育改革にこだわるのはそれらが占領期につくられたものだからだろう。
憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認することに対して「立憲主義を否定している」という批判があるが、本人の耳に届いていないのではないか。作家の百田尚樹氏との対談本で、現代の民主主義国家の憲法は、あるべき国の姿や理念を書き込むもので、政治権力を縛るものではないと明言している。立憲主義を「古色蒼然としたもの」と批判してさえいる。続き⇒安倍イズムを読み解く 首相は国家社会主義者(共同通信社)