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高校生新聞(大学受験ニュース)
学生街 gakuseigai
科博メールマガジン第412号
発行日:2011年4月21日
http://blue.tricorn.net/kahaku/j.x?v=3&u=19208
上野公園の桜並木は見ごろを終え、ただいま新芽がぐんぐんと成長中です。
まだうす緑色ですが、これから徐々に濃くなっていく姿をみるのが楽しみです。
さて、もうすぐゴールデンウィークが始まります。このような連休の時には、
遠方からのお客様も多く、初めて来館されるという方もいらっしゃるかと思い
ます。そんな方におすすめなのが、教育ボランティアが行うガイドツアーです。
常設展示されている約14,000点もの展示物の中から、科博の見どころを1時間
程度でご案内しております。教育ボランティアの個性あふれるガイドツアーは
ファンも続出です。お越しの際には、ぜひご参加下さい。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「小笠原諸島のクモ類」
■ 筑波実験植物園だより 「クレマチス園」
■ 上野散策 「科博の展示を歩く(その2)」
■ お知らせ
■ 壁紙プレゼント(4月カレンダー付き)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ エッセイ ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小笠原諸島のクモ類
動物研究部 小野 展嗣
-----------------------------------
船が苦手な私にも絶海の孤島群小笠原はじつに魅力的です。1853年黒船のペ
リー提督は小笠原を訪れ米国の領有を宣言します。さらに捕鯨船の寄港地にし
ていた英国も領有権を主張するなか、徳川幕府は1861年咸臨丸を派遣して日本
の領有を宣言し、1876年小笠原ははじめて日本領土として認められました。そ
の後一世紀小笠原の歴史は激動し、安定を見せているのはここ30年ほどのこと
です。
昨年、当館の総合研究の一環として小笠原のクモ類を研究する機会があり、
日本初記録の種や新種を含む81種を記録することができました(専報47号)。
そして動物地理学や生態学の知見をもとにそれらのクモを解析したところ、固
有種は少なく、なんと7割が人為的に移入されたものと判定されました。移入
種の多くは、土壌性あるいは建造物の周囲に生息するもので、その故郷は日本
本土だけでなく、台湾、東南アジア、太平洋諸島、アメリカ、とじつに様々で
す。小笠原のクモ類相には、島々の歴史が色濃く反映していることがわかりま
した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 筑波実験植物園だより ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クレマチス園
筑波地区事務部 高山 晋吾
-----------------------------------
4月に入り、ようやく春らしい陽気となりました。
筑波実験植物園でも東日本大震災の被害により、温室が当分の間ご覧頂くこ
とができない状況ですが(水生植物温室は見られます)、園内には他にも見頃
を迎えている植物がたくさんありますので、ぜひご来園ください。
さて、もうすぐゴールデンウィークです。この期間中の5月3日(火・祝)
から6月12日(日)までの間、クレマチス園が公開されます。昨年までは企画
展として行われてきましたが、花の時期に対応できるように特別公開といたし
ました。
ところで表題にあります「クレマチス」ですが、これは分類としてはキンポ
ウゲ科センニンソウ属のなかまの植物で、我が国では、古くから「テッセン」
や「カザグルマ」と呼ばれ親しまれていたものです。当園ではこのクレマチス
のなかまを原種(野生種)を含め約200種類・1200株以上を育成管理していま
す。それらが5月の連休から順次咲き始め、この時期に特別公開しているもの
です。
期間中、クレマチス園は白や黄色、ピンクや紫の様々な色の花が咲き乱れ、
すばらしい風景になります。
期間も約1月間ありますので、お気軽にご来園ください。お待ちしておりま
す。
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◆ 上野散策 ◆
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科博の展示を歩く(その2)
附属自然教育園 石川 昇
-----------------------------------
日本館1階南翼「自然をみる技」には渋川春海作の天球儀と地球儀が展示さ
れています。春海は天文学者、暦学者で、貞享元年に貞享暦を作り、同年幕府
の初代天文方に任命されました。天文台は牛込に設置されました。天明2年、
天文台は浅草に移され、さらに天保13年には九段坂上にもできました。台東区
浅草橋3丁目の浅草天文台跡には碑があります。渋川の子孫は幕末まで断続的
に天文方を務めました。なお、葛飾北斎の「鳥越の不二」は浅草天文台とその
彼方の富士を描いた作品です。
同じフロアには宇田川榕菴著『植学啓原』が展示されています。榕菴は津山
藩医宇田川玄真の養子となって津山藩医となりましたが、幕府の天文方蕃書和
解御用の翻訳員となって、江戸へ移りました。展示の本は西洋の植物学を初め
て日本に紹介したものです。当時、天文方は浅草天文台にありました。
浅草天文台は鳥越神社の先で、当館から徒歩40-50分かかりますが、彼らは
きっと、繁華街で、花見の名所でもあった上野を歩いたと思われます。
さらに、同じフロアには古河藩藩主土井利位著『雪華図説』が展示されてい
ます。利位は日本で初めて顕微鏡で雪の結晶を観察し、記録を冊子にまとめま
した。利位は江戸幕府の老中、さらに老中首座にまでなった人物で、徳川将軍
の菩提寺である寛永寺がある上野の山には訪れていたと思われます。
日本館2階「日本人と自然」には忠犬ハチ公の剥製があります。ハチは1923
年11月10日、秋田県大館市で生まれ、翌年1月14日、大館駅を出発、20時間後
上野駅に到着、渋谷の上野英一郎博士のお宅に向かいました。
同じフロアには人類の展示があります。江戸時代人のミイラは谷中の三崎遺
跡、江戸時代人の頭骨、頸骨などは上野池之端の七軒町遺跡の出土です。両方
とも当館から徒歩20分以内、彼らは江戸時代の上野を歩いていた方々です。
*「上野散策」は筆者が附属自然教育園に異動になったため、今回で終了しま
す。
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◆ お知らせ ◆
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企画展「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」
関連講演会 その2 参加者募集!!
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企画展「宝石サンゴ展」講演会その2
「宝石サンゴ研究の最前線」
[日 時]平成23年4月29日(金・祝)13:30~15:00
[会 場]国立科学博物館 日本館2階 講堂
[司会進行]藤田 敏彦(国立科学博物館 動物研究部 研究主幹)
[演 題]
1.「宝石サンゴ研究の最前線―展示での研究紹介」
藤田 敏彦(国立科学博物館 動物研究部 研究主幹)
2.「ミトコンドリアゲノムを使って宝石サンゴを分類する」
鈴木 知彦(高知大学 理学部応用理学科 教授)
3.「宝石サンゴの骨格を分析して海洋環境を調べる」
鈴木 淳(独立行政法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門
研究グループ長)
[募集定員]100名(一般)
※参加申し込み方法、詳細は下記ホームページをご覧下さい
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03coral/event.html
-----------------------------------
企画展「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」関連イベント参加者募集!
-----------------------------------
好評につき追加開催が決定いたしました!
「宝石サンゴシルバージュエリー制作教室」
~宝石サンゴとシルバーを使って、お気に入りのペンダントまたはストラッ
プを作ろう~
[日 時]全2回実施
平成23年5月7日(土)1回目:10:00~12:00
2回目:14:00~16:00
[実施会場]国立科学博物館 地球館地下1階
宝石サンゴ展会場内特設会場
[担 当]日本宝飾クラフト学院講師
[募集定員]1回につき12名(全2回 計24名)
小学校3年生以上
[参 加 費]700円(材料費、保険料)
※参加申し込み方法、詳細は下記ホームページをご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03coral/event.html
-----------------------------------
ホットニュース最新号をアップしました!
-----------------------------------
ホットニュースの最新号『日本で起こる地震』をHP公開しました。
今回のホットニュースでは、これまで明らかにされている地震の歴史やメカ
ニズムについて紹介し、今回の大地震をきっかけに、あらためて地震という現
象について、そして日本列島という場所の特徴を含めて科学的に解説します。
↓最新号ページはこちら
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/index.php
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企画展「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」
-----------------------------------
深海のジュエリー「宝石サンゴ」。宝石サンゴはその骨格を磨くと美しい光
沢がでることから、紀元前から宝飾品などとして洋の東西を問わず珍重されて
きました。深海に生息し、成長に多くの年月を要する貴重な宝石サンゴ。
この展示では、古くから私たち人類の文化と深い関わりのあるこの「深海か
らのおくりもの」を、貴重な標本、文化史資料、現代のジュエリー作品などに
より紹介し、将来に向けた持続的な利用について考えます。
[開催期間]平成23年4月1日(金)~5月29日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03coral/index.html
----------------------------------
ウェルカム・パンダ記念
「科博標本動物園 -上野動物園の歴代スター大集合-」
-----------------------------------
上野動物園への新しいパンダ来園を祝い、国立科学博物館が動物園に大変身!
これまでの歴史の中で300点を超える哺乳類の標本が上野動物園から国立科学
博物館にやってきました。本展覧会ではその中からジャイアントパンダの親子
たち、アジアゾウをはじめとする上野動物園歴代スターの標本を一挙公開しま
す。また、あわせて上野動物園と国立科学博物館とが連携することで得られた
これまでの研究成果を紹介します。
[期 間]平成23年4月1日(金)~5月30日(月)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03zoo/index.html
-----------------------------------
国際博物館の日記念事業 博物館・動物園セミナー
「上野の山でネズミめぐり」 参加者募集!
-----------------------------------
国際博物館の日の記念事業として恩賜上野動物園、国立科学博物館、東京国
立博物館が合同で博物館・動物園セミナーを開催します。
今年は「ネズミ」をテーマに3つの館園を巡り、新しい博物館や動物園の楽
しみ方を提案します。博物館と動物園が一箇所に集まっている上野だからこそ
できるユニークなイベントです。
[日 時]平成23年5月15日(日) 9:00~14:20
企画の詳細、参加申し込み方法は下記ホームページをご覧下さい
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/05icom/
-----------------------------------
研究者紹介~「私の研究」 開催中!
-----------------------------------
研究者紹介~「私の研究」は、当館の研究者が各自の研究について紹介する
展示コーナーです。地球館地下3階「科博の活動」でポスターと関連資料で展
示を行っています。チラシも配布中です。
現在展示中の研究者は、動物研究部:山田 格、植物研究部:堤 千絵、植
物研究部:大村嘉人、地学研究部:堤 之恭、附属自然教育園:濱尾章二の5
名です。また、これまで掲載のポスターは、以下のページでもダウンロード頂
けます。展示室もWebサイトも、是非ご覧ください。
↓紹介ページはこちら
http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/index.html
-----------------------------------
「第33回 未来の科学の夢 絵画展」開催!
-----------------------------------
次代を担う子どもたちが未来の科学の夢を自由な発想で絵に表現しました。
今年で33回目にあたる本展には、全国から小学校・中学校の部、幼稚園の部、
在日外国人学校の部の三部門の合計で10,358点の応募があり、その中から選ば
れた213点の入賞作品が展示されます。
[開催期間] 平成23年4月12日(火)~24日(日)
詳細は下記URLをご覧ください。
http://www.jiii.or.jp/hyosho/kaiga/H23/kaiga_jusho.html
-----------------------------------
企画展 「さくらそう展」:筑波実験植物園
-----------------------------------
本年のさくらそう展では、プリムラ・ポリアンサに焦点をあて、さまざまな
色や形の花、約50品種600個体を会場いっぱいに展示し、これらの品種群の成
立した過程を紹介します。また、日本人が古来、慣れ親しんできた日本のサク
ラソウの園芸品種も屋外に展示します。
ぜひ春の植物園をお楽しみ下さい。
[開催期間]平成23年4月16日(土)~平成23年4月24日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2011/04primla/
-----------------------------------
雑誌milsil(ミルシル)通巻20号と定期購読について
-----------------------------------
特集は「ネイチャー・テクノロジー-自然に学び技術をみがき、未来をつく
る-」です。汚れがつきにくいカタツムリの殻やそよ風でも滑空出来るトンボ
の羽など、自然には私たちが見習うべきテクノロジーがたくさんあります。本
号では、そんな自然のすごさを賢く活かす「ネイチャー・テクノロジー」につ
いてご紹介しています。
発行日 :平成23年3月1日(火)
定 価 :400円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
-----------------------------------
科博のイベント情報紙「kahaku event」4-5月号発行!
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4-5月号では、現在開催中の展覧会情報や4-5月開催予定のイベントを
紹介しています。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学やイベント参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/kahakuevent04/index.html
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♪::☆::メールマガジン特製壁紙(4月カレンダー付き)プレゼント::☆::♪
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ご好評につき、「国立科学博物館特製4月カレンダー付きデスクトップ壁紙」
をプレゼントいたします。
(2011年4月28日までダウンロードできます。)
詳細はこちらです。↓
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/kabegami04/index.html
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 事業推進部 広報・サービス課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7-20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
高校生新聞(大学受験ニュース)
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科博メールマガジン第412号
発行日:2011年4月21日
http://blue.tricorn.net/kahaku/j.x?v=3&u=19208
上野公園の桜並木は見ごろを終え、ただいま新芽がぐんぐんと成長中です。
まだうす緑色ですが、これから徐々に濃くなっていく姿をみるのが楽しみです。
さて、もうすぐゴールデンウィークが始まります。このような連休の時には、
遠方からのお客様も多く、初めて来館されるという方もいらっしゃるかと思い
ます。そんな方におすすめなのが、教育ボランティアが行うガイドツアーです。
常設展示されている約14,000点もの展示物の中から、科博の見どころを1時間
程度でご案内しております。教育ボランティアの個性あふれるガイドツアーは
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※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
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■ エッセイ 「小笠原諸島のクモ類」
■ 筑波実験植物園だより 「クレマチス園」
■ 上野散策 「科博の展示を歩く(その2)」
■ お知らせ
■ 壁紙プレゼント(4月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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小笠原諸島のクモ類
動物研究部 小野 展嗣
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船が苦手な私にも絶海の孤島群小笠原はじつに魅力的です。1853年黒船のペ
リー提督は小笠原を訪れ米国の領有を宣言します。さらに捕鯨船の寄港地にし
ていた英国も領有権を主張するなか、徳川幕府は1861年咸臨丸を派遣して日本
の領有を宣言し、1876年小笠原ははじめて日本領土として認められました。そ
の後一世紀小笠原の歴史は激動し、安定を見せているのはここ30年ほどのこと
です。
昨年、当館の総合研究の一環として小笠原のクモ類を研究する機会があり、
日本初記録の種や新種を含む81種を記録することができました(専報47号)。
そして動物地理学や生態学の知見をもとにそれらのクモを解析したところ、固
有種は少なく、なんと7割が人為的に移入されたものと判定されました。移入
種の多くは、土壌性あるいは建造物の周囲に生息するもので、その故郷は日本
本土だけでなく、台湾、東南アジア、太平洋諸島、アメリカ、とじつに様々で
す。小笠原のクモ類相には、島々の歴史が色濃く反映していることがわかりま
した。
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◆ 筑波実験植物園だより ◆
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クレマチス園
筑波地区事務部 高山 晋吾
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4月に入り、ようやく春らしい陽気となりました。
筑波実験植物園でも東日本大震災の被害により、温室が当分の間ご覧頂くこ
とができない状況ですが(水生植物温室は見られます)、園内には他にも見頃
を迎えている植物がたくさんありますので、ぜひご来園ください。
さて、もうすぐゴールデンウィークです。この期間中の5月3日(火・祝)
から6月12日(日)までの間、クレマチス園が公開されます。昨年までは企画
展として行われてきましたが、花の時期に対応できるように特別公開といたし
ました。
ところで表題にあります「クレマチス」ですが、これは分類としてはキンポ
ウゲ科センニンソウ属のなかまの植物で、我が国では、古くから「テッセン」
や「カザグルマ」と呼ばれ親しまれていたものです。当園ではこのクレマチス
のなかまを原種(野生種)を含め約200種類・1200株以上を育成管理していま
す。それらが5月の連休から順次咲き始め、この時期に特別公開しているもの
です。
期間中、クレマチス園は白や黄色、ピンクや紫の様々な色の花が咲き乱れ、
すばらしい風景になります。
期間も約1月間ありますので、お気軽にご来園ください。お待ちしておりま
す。
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◆ 上野散策 ◆
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科博の展示を歩く(その2)
附属自然教育園 石川 昇
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日本館1階南翼「自然をみる技」には渋川春海作の天球儀と地球儀が展示さ
れています。春海は天文学者、暦学者で、貞享元年に貞享暦を作り、同年幕府
の初代天文方に任命されました。天文台は牛込に設置されました。天明2年、
天文台は浅草に移され、さらに天保13年には九段坂上にもできました。台東区
浅草橋3丁目の浅草天文台跡には碑があります。渋川の子孫は幕末まで断続的
に天文方を務めました。なお、葛飾北斎の「鳥越の不二」は浅草天文台とその
彼方の富士を描いた作品です。
同じフロアには宇田川榕菴著『植学啓原』が展示されています。榕菴は津山
藩医宇田川玄真の養子となって津山藩医となりましたが、幕府の天文方蕃書和
解御用の翻訳員となって、江戸へ移りました。展示の本は西洋の植物学を初め
て日本に紹介したものです。当時、天文方は浅草天文台にありました。
浅草天文台は鳥越神社の先で、当館から徒歩40-50分かかりますが、彼らは
きっと、繁華街で、花見の名所でもあった上野を歩いたと思われます。
さらに、同じフロアには古河藩藩主土井利位著『雪華図説』が展示されてい
ます。利位は日本で初めて顕微鏡で雪の結晶を観察し、記録を冊子にまとめま
した。利位は江戸幕府の老中、さらに老中首座にまでなった人物で、徳川将軍
の菩提寺である寛永寺がある上野の山には訪れていたと思われます。
日本館2階「日本人と自然」には忠犬ハチ公の剥製があります。ハチは1923
年11月10日、秋田県大館市で生まれ、翌年1月14日、大館駅を出発、20時間後
上野駅に到着、渋谷の上野英一郎博士のお宅に向かいました。
同じフロアには人類の展示があります。江戸時代人のミイラは谷中の三崎遺
跡、江戸時代人の頭骨、頸骨などは上野池之端の七軒町遺跡の出土です。両方
とも当館から徒歩20分以内、彼らは江戸時代の上野を歩いていた方々です。
*「上野散策」は筆者が附属自然教育園に異動になったため、今回で終了しま
す。
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◆ お知らせ ◆
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企画展「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」
関連講演会 その2 参加者募集!!
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企画展「宝石サンゴ展」講演会その2
「宝石サンゴ研究の最前線」
[日 時]平成23年4月29日(金・祝)13:30~15:00
[会 場]国立科学博物館 日本館2階 講堂
[司会進行]藤田 敏彦(国立科学博物館 動物研究部 研究主幹)
[演 題]
1.「宝石サンゴ研究の最前線―展示での研究紹介」
藤田 敏彦(国立科学博物館 動物研究部 研究主幹)
2.「ミトコンドリアゲノムを使って宝石サンゴを分類する」
鈴木 知彦(高知大学 理学部応用理学科 教授)
3.「宝石サンゴの骨格を分析して海洋環境を調べる」
鈴木 淳(独立行政法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門
研究グループ長)
[募集定員]100名(一般)
※参加申し込み方法、詳細は下記ホームページをご覧下さい
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03coral/event.html
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企画展「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」関連イベント参加者募集!
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好評につき追加開催が決定いたしました!
「宝石サンゴシルバージュエリー制作教室」
~宝石サンゴとシルバーを使って、お気に入りのペンダントまたはストラッ
プを作ろう~
[日 時]全2回実施
平成23年5月7日(土)1回目:10:00~12:00
2回目:14:00~16:00
[実施会場]国立科学博物館 地球館地下1階
宝石サンゴ展会場内特設会場
[担 当]日本宝飾クラフト学院講師
[募集定員]1回につき12名(全2回 計24名)
小学校3年生以上
[参 加 費]700円(材料費、保険料)
※参加申し込み方法、詳細は下記ホームページをご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03coral/event.html
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ホットニュース最新号をアップしました!
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ホットニュースの最新号『日本で起こる地震』をHP公開しました。
今回のホットニュースでは、これまで明らかにされている地震の歴史やメカ
ニズムについて紹介し、今回の大地震をきっかけに、あらためて地震という現
象について、そして日本列島という場所の特徴を含めて科学的に解説します。
↓最新号ページはこちら
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/index.php
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企画展「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」
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深海のジュエリー「宝石サンゴ」。宝石サンゴはその骨格を磨くと美しい光
沢がでることから、紀元前から宝飾品などとして洋の東西を問わず珍重されて
きました。深海に生息し、成長に多くの年月を要する貴重な宝石サンゴ。
この展示では、古くから私たち人類の文化と深い関わりのあるこの「深海か
らのおくりもの」を、貴重な標本、文化史資料、現代のジュエリー作品などに
より紹介し、将来に向けた持続的な利用について考えます。
[開催期間]平成23年4月1日(金)~5月29日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03coral/index.html
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ウェルカム・パンダ記念
「科博標本動物園 -上野動物園の歴代スター大集合-」
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上野動物園への新しいパンダ来園を祝い、国立科学博物館が動物園に大変身!
これまでの歴史の中で300点を超える哺乳類の標本が上野動物園から国立科学
博物館にやってきました。本展覧会ではその中からジャイアントパンダの親子
たち、アジアゾウをはじめとする上野動物園歴代スターの標本を一挙公開しま
す。また、あわせて上野動物園と国立科学博物館とが連携することで得られた
これまでの研究成果を紹介します。
[期 間]平成23年4月1日(金)~5月30日(月)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/03zoo/index.html
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国際博物館の日記念事業 博物館・動物園セミナー
「上野の山でネズミめぐり」 参加者募集!
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国際博物館の日の記念事業として恩賜上野動物園、国立科学博物館、東京国
立博物館が合同で博物館・動物園セミナーを開催します。
今年は「ネズミ」をテーマに3つの館園を巡り、新しい博物館や動物園の楽
しみ方を提案します。博物館と動物園が一箇所に集まっている上野だからこそ
できるユニークなイベントです。
[日 時]平成23年5月15日(日) 9:00~14:20
企画の詳細、参加申し込み方法は下記ホームページをご覧下さい
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/05icom/
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研究者紹介~「私の研究」 開催中!
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研究者紹介~「私の研究」は、当館の研究者が各自の研究について紹介する
展示コーナーです。地球館地下3階「科博の活動」でポスターと関連資料で展
示を行っています。チラシも配布中です。
現在展示中の研究者は、動物研究部:山田 格、植物研究部:堤 千絵、植
物研究部:大村嘉人、地学研究部:堤 之恭、附属自然教育園:濱尾章二の5
名です。また、これまで掲載のポスターは、以下のページでもダウンロード頂
けます。展示室もWebサイトも、是非ご覧ください。
↓紹介ページはこちら
http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/index.html
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「第33回 未来の科学の夢 絵画展」開催!
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次代を担う子どもたちが未来の科学の夢を自由な発想で絵に表現しました。
今年で33回目にあたる本展には、全国から小学校・中学校の部、幼稚園の部、
在日外国人学校の部の三部門の合計で10,358点の応募があり、その中から選ば
れた213点の入賞作品が展示されます。
[開催期間] 平成23年4月12日(火)~24日(日)
詳細は下記URLをご覧ください。
http://www.jiii.or.jp/hyosho/kaiga/H23/kaiga_jusho.html
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企画展 「さくらそう展」:筑波実験植物園
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本年のさくらそう展では、プリムラ・ポリアンサに焦点をあて、さまざまな
色や形の花、約50品種600個体を会場いっぱいに展示し、これらの品種群の成
立した過程を紹介します。また、日本人が古来、慣れ親しんできた日本のサク
ラソウの園芸品種も屋外に展示します。
ぜひ春の植物園をお楽しみ下さい。
[開催期間]平成23年4月16日(土)~平成23年4月24日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2011/04primla/
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雑誌milsil(ミルシル)通巻20号と定期購読について
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特集は「ネイチャー・テクノロジー-自然に学び技術をみがき、未来をつく
る-」です。汚れがつきにくいカタツムリの殻やそよ風でも滑空出来るトンボ
の羽など、自然には私たちが見習うべきテクノロジーがたくさんあります。本
号では、そんな自然のすごさを賢く活かす「ネイチャー・テクノロジー」につ
いてご紹介しています。
発行日 :平成23年3月1日(火)
定 価 :400円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」4-5月号発行!
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4-5月号では、現在開催中の展覧会情報や4-5月開催予定のイベントを
紹介しています。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学やイベント参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/kahakuevent04/index.html
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♪::☆::メールマガジン特製壁紙(4月カレンダー付き)プレゼント::☆::♪
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ご好評につき、「国立科学博物館特製4月カレンダー付きデスクトップ壁紙」
をプレゼントいたします。
(2011年4月28日までダウンロードできます。)
詳細はこちらです。↓
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/kabegami04/index.html
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 事業推進部 広報・サービス課
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