元秘書起訴 首相の政治責任は明白 「脱税」の疑い徹底解明せよ
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091225/stt0912250254000-n1.htm
鳩山由紀夫首相は24日夜、資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、元公設第1秘書と元政策秘書の2人が政治資金規正法違反罪で起訴されたことを踏まえ、記者会見して謝罪した。
政治資金の透明化や金額の制限などを求める規正法の趣旨を損なう悪質な行為と言わざるを得ない。首相の関与は嫌疑不十分で不起訴とされたものの、その政治責任は明白である。
最大の問題は、母親からの約12億6千万円に及ぶ資金提供である。首相は6億円を超える贈与税を払う意向を示したが、これは修正申告して済む問題ではない。国政の最高責任者が、国民の義務である納税を怠り、発覚しなかったら知らん顔を通す-という脱法行為が問われているのである。
「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」と、首相が以前に口にした言葉に従えば、進退が問われる事態だろう。
首相は会見で、国民の辞めろという声が圧倒的になれば辞任を考慮するとまで表明した。一方で、政権交代を実行することが自らの責任だと語ったが、問題の所在がよく分かっていない。政治的かつ道義的な責任をどう取るかを明確にすべきだ。
◆進退に言及した会見
首相は7年前、加藤紘一元自民党幹事長の秘書の脱税事件に際し、秘書の責任は国会議員の責任だと主張し、加藤氏に議員辞職など厳しい身の処し方を求めた。
しかし、会見では「今回の件では私腹を肥やしたとか、不正な利得を受けたことはない」とした。過去の発言は自分には該当しないと釈明したのは、あまりにもご都合主義ではないか。
資金管理団体の会計実務を担当していた勝場啓二元公設第1秘書は虚偽記載で在宅起訴され、会計責任者を務めていた芳賀大輔元政策秘書は、収支報告書のチェックに重大な過失があったとして略式起訴となった。
東京地検特捜部は元秘書2人の立件で十分だと判断した。しかし、知らないうちに巨額の資金が母親から届き、一部は偽装献金に回ったが、「すべて秘書任せだった」という首相側の不自然な説明を、検察側はそのまま受け入れたのだろうか。
資金を提供した母親や首相本人の聴取を見送った点には疑問が残る。現職首相をめぐる犯罪という異例の事態に、捜査が抑制的になったとすれば残念だ。
また、ずさんな資金処理の背景に、身内からのカネなら悪質でないとの考えがあるのだとすれば、大きな誤りだ。衆参両院が定めた政治倫理綱領でも、政治不信を招く公私混同を断つことが重要課題に挙げられている。
首相は「払うべきものは払う」と贈与税を支払う意向を示しているが、国税当局は首相側の対応が悪質で相続税法違反(贈与税の脱税)にあたるものでなかったかどうか、厳正に調べる必要がある。鳩山家内部の巨額の資産移動についても、徹底した調査を行うべきだろう。
◆民主は自浄能力発揮を
首相の偽装献金問題が節目を迎えた一方で、民主党の小沢一郎幹事長をめぐっては、西松建設の違法献金事件で元公設第1秘書に対する公判が開始されていることに加え、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑が浮上している。
東京地検特捜部はこの問題で事務担当だった石川知裕衆院議員を規正法違反容疑で立件する方針を固めたとされる。平成16年に東京都内の土地を購入した資金の出所が不透明な点を問われており、小沢氏の元秘書に対する任意の事情聴取も行われている。
重機土木大手「水谷建設」から計1億円の裏献金が小沢氏側に渡っていた疑いもある。
政権発足から100日を迎えた首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で迷走したのに加え、公約実現に向けた政府内の調整でも指導力不足を露呈した。内閣支持率は最近1カ月で10ポイント以上急落した。
首相を支える小沢氏の影響力が一層強まっている中で、政権の頂上に位置する2人の責任者がそろって「政治とカネ」で国民の信を失わせている。
民主党は企業献金廃止のための法改正を掲げるが、2人に対する自浄能力は何ら示していない。きわめて遺憾だ。これでは実効ある改革を実現できるとは思えない。現実に起きている疑惑解明への姿勢を国民は注視している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091225/stt0912250254000-n1.htm
鳩山由紀夫首相は24日夜、資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、元公設第1秘書と元政策秘書の2人が政治資金規正法違反罪で起訴されたことを踏まえ、記者会見して謝罪した。
政治資金の透明化や金額の制限などを求める規正法の趣旨を損なう悪質な行為と言わざるを得ない。首相の関与は嫌疑不十分で不起訴とされたものの、その政治責任は明白である。
最大の問題は、母親からの約12億6千万円に及ぶ資金提供である。首相は6億円を超える贈与税を払う意向を示したが、これは修正申告して済む問題ではない。国政の最高責任者が、国民の義務である納税を怠り、発覚しなかったら知らん顔を通す-という脱法行為が問われているのである。
「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」と、首相が以前に口にした言葉に従えば、進退が問われる事態だろう。
首相は会見で、国民の辞めろという声が圧倒的になれば辞任を考慮するとまで表明した。一方で、政権交代を実行することが自らの責任だと語ったが、問題の所在がよく分かっていない。政治的かつ道義的な責任をどう取るかを明確にすべきだ。
◆進退に言及した会見
首相は7年前、加藤紘一元自民党幹事長の秘書の脱税事件に際し、秘書の責任は国会議員の責任だと主張し、加藤氏に議員辞職など厳しい身の処し方を求めた。
しかし、会見では「今回の件では私腹を肥やしたとか、不正な利得を受けたことはない」とした。過去の発言は自分には該当しないと釈明したのは、あまりにもご都合主義ではないか。
資金管理団体の会計実務を担当していた勝場啓二元公設第1秘書は虚偽記載で在宅起訴され、会計責任者を務めていた芳賀大輔元政策秘書は、収支報告書のチェックに重大な過失があったとして略式起訴となった。
東京地検特捜部は元秘書2人の立件で十分だと判断した。しかし、知らないうちに巨額の資金が母親から届き、一部は偽装献金に回ったが、「すべて秘書任せだった」という首相側の不自然な説明を、検察側はそのまま受け入れたのだろうか。
資金を提供した母親や首相本人の聴取を見送った点には疑問が残る。現職首相をめぐる犯罪という異例の事態に、捜査が抑制的になったとすれば残念だ。
また、ずさんな資金処理の背景に、身内からのカネなら悪質でないとの考えがあるのだとすれば、大きな誤りだ。衆参両院が定めた政治倫理綱領でも、政治不信を招く公私混同を断つことが重要課題に挙げられている。
首相は「払うべきものは払う」と贈与税を支払う意向を示しているが、国税当局は首相側の対応が悪質で相続税法違反(贈与税の脱税)にあたるものでなかったかどうか、厳正に調べる必要がある。鳩山家内部の巨額の資産移動についても、徹底した調査を行うべきだろう。
◆民主は自浄能力発揮を
首相の偽装献金問題が節目を迎えた一方で、民主党の小沢一郎幹事長をめぐっては、西松建設の違法献金事件で元公設第1秘書に対する公判が開始されていることに加え、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑が浮上している。
東京地検特捜部はこの問題で事務担当だった石川知裕衆院議員を規正法違反容疑で立件する方針を固めたとされる。平成16年に東京都内の土地を購入した資金の出所が不透明な点を問われており、小沢氏の元秘書に対する任意の事情聴取も行われている。
重機土木大手「水谷建設」から計1億円の裏献金が小沢氏側に渡っていた疑いもある。
政権発足から100日を迎えた首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で迷走したのに加え、公約実現に向けた政府内の調整でも指導力不足を露呈した。内閣支持率は最近1カ月で10ポイント以上急落した。
首相を支える小沢氏の影響力が一層強まっている中で、政権の頂上に位置する2人の責任者がそろって「政治とカネ」で国民の信を失わせている。
民主党は企業献金廃止のための法改正を掲げるが、2人に対する自浄能力は何ら示していない。きわめて遺憾だ。これでは実効ある改革を実現できるとは思えない。現実に起きている疑惑解明への姿勢を国民は注視している。