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ニッポンのゆる~い日常

日米同盟より中国重視

2009-12-10 09:16:51 | 民主党
日米同盟より中国重視


http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091210/stt0912100739004-n1.htm


 「オバマ大統領は議会に対して、何と説明すればいいのか」

 今月4日。米軍普天間飛行場の移設問題に関する日米閣僚級作業グループの会場となった外務省の一室に駐日米大使、ルースの怒声が響いた。外相の岡田克也らが、年内決着を先送りするという首相、鳩山由紀夫の「決断」を伝えたときだ。

 だが、岡田は8日の記者会見で、その時の光景を真っ向から否定した。

 「大使はしっかり自らの主張を言われたが、怒鳴り上げたわけではない。米国にもいろいろな意見がある。それをどれくらい真に受けるかだ」

 ルースの怒りは、正面から受け止められなかった。

  
面目失った知日派

 「10年間かけてまとめた合意が、白紙に戻ることを懸念している」

 8日に都内で開かれたシンポジウムでは、知日派で知られる元米国務副長官、アーミテージが「懸念」を繰り返した。日米安保を支える米有力者たちが、何とか日本政府に同盟の重要性を理解させようと、メッセージを送り続けた形だ。

 「同盟より連立維持の方が重要と考えているのではないか」「基本的な信頼に傷が付く」「日米安保という保険がもたらす価値は、日本が払っている対価と比べて高くはない」

 だが、その声は鳩山政権には届かない。岡田は記者会見でこうも語った。

 「日米両国の民主党を攻撃し、関係を悪くすることが望ましいと思っている人もいる」

 知日派は今、ワシントンで完全に面目を失った。

  
過去最大の訪中団

 鳩山と、政界の最高実力者、幹事長の小沢一郎。2人の言動には、「米国が最も神経質になる中国という要素が常にちらつく」(政務三役)とされる。

 「一度にこれだけの国会議員が外国を訪問するのは聞いたことがない。中国に限らず過去最多だろう」

 外務省関係者が異口同音に語る一大イベントが10日、北京で幕を開ける。民主党と中国共産党の定期交流事業と、小沢が自民党時代から手掛けてきた草の根交流「長城計画」の合同プログラムだ。

 今年は民主党国会議員143人が参加する。各議員が募った後援会関係者や秘書を含めれば626人が厳冬の北京に赴く。

 先の衆院選で初当選した約140人の小沢チルドレンのうち約80人も参加するが、内実は「ただの物見遊山」(党関係者)。党内からも「米国を軽視して中国に傾斜しすぎているのではないか」(若手議員)といった声が出るほどだ。

 民主党政権が米国から聞こえる声を突き放し、中国からの声ばかりに耳を傾けようとしている姿。だが、そこに明確な理念や政策は見えず、漠然としたアジア重視があるだけだ。

                   
 浸透する正三角形論

 今回の訪中で民主党幹事長、小沢一郎は胡錦濤国家主席との「トップ会談」を行う。だが、訪中団には消化試合のような緩いムードが漂っている。

 「小沢さんと胡主席が会談すれば8割方、おしまいだ。あとは万里の長城の見学にでも行けばいい。それが目当てなんだから」

 訪中団に参加する参院首脳はそう言う。一行は10日に人民大会堂で中国要人と記念撮影し、中華全国青年連合会の歓迎夕食会。11日以降はグループごとで省庁や農村、長城見学へ回る。

 小沢自身は11日にソウル入り。12日には李明博(イ・ミョンバク)大統領と非公式夕食会に臨む。


 17回目を数える「長城計画」は、小沢が自民党時代に属した経世会(竹下派)から引き継いだ交流事業だ。小沢は「100歳まで続ける」と肩入れし、小沢側近も「利権目当てに中国詣でをしたかつての自民党議員たちとは違う。純粋な民間外交」と強調する。

 ただ、日米関係が緊張している今、140人以上の国会議員を連れての訪中は、日本が想像する以上に米側の関心を呼んでいる。「米政府も注目している。日本の対米・対中スタンスが分かるからだ」。米民主党筋はそう話す。

 一方で、自民党田中派時代から小沢を知るベテラン秘書は内実はシンプルなことだと解説する。

 「小沢さんが、自分の権勢を誇示したいだけだ」

  
揺れる価値観

 首相の鳩山由紀夫は9日、「バリ民主主義フォーラム」出席のためインドネシアに入った。先立って行われた同国メディアとのインタビューで語った言葉が、鳩山外交の不可解な一面をみせる。

 「自由と民主主義という共通の価値を大事にしている、日本とインドネシアが強力な戦略的パートナーとなることによって、アジアや世界全体に貢献できる」

 実は、民主党代表選の最中の今年5月15日の記者会見で鳩山は、これと相反する発言をした。

 麻生太郎前首相が外相時代に唱えた自由、民主主義、法の支配などの価値を共有する国との連携を重視する「価値観外交」を強く否定してこう語った。

 「私は価値の外交は嫌いです。外交とは、価値観の違う国々がいかに共存共栄する関係を作り上げていくかということだ」

 鳩山発言は日ごろから振幅が大きく、どちらが真意かわからない。ただ、結果的に価値観を共有する米国との同盟関係が揺るがせ、政治体制や価値観が異なる中国との友好関係ばかりを強調することが多い。


急がば回れ

 12月8日、国会2階の民主党国対委員長室。今回の訪中団団長でもある国対委員長の山岡賢次は、駐日米大使館首席公使、ズムワルトの訪問を受けた。

 米軍普天間飛行場移設問題の年内決着を求めるズムワルトに、山岡は連立3党の事情を説明し、こう付け加えた。

 「『急がば回れ』ということわざがある。せいては事をし損じますよ」

 山岡は何げなく言ったが実はこのセリフ、鳩山が10月10日に、中国の温家宝首相から言われた言葉と同じだった。共同開発で合意している東シナ海のガス田「白樺」について、条約締結交渉の早期開始を求めた鳩山に、温は「『急がば回れ』という言葉もある」と先送りを示唆したのだ。

 小沢はもともと、日米中3カ国は等距離の関係であるべきだとする「日米中正三角形論」が持論だ。

 自民党でも、親中派で知られる元幹事長、加藤紘一らが同様の主張をするが、党内の主流ではない。日本の唯一の同盟国と、日本に数百発の弾道ミサイルを向ける共産主義独裁国家とを同列に並べる議論が乱暴だとの考えが広く共有されているからだ。

 だが民主党では「日米中、これは等距離の三角形」(参院議員会長の輿石東)と当然のように語られる。そして中国への「偏愛」と、米国へのそっけない対応が生まれる。

 与党の一角、社民党はそこに活路を求め、連立離脱カードで政権を揺さぶる。

 「小沢幹事長から政府にものを言うべきだ」

 7日、社民党幹事長の重野安正は、普天間飛行場を名護に移設する日米合意の白紙化を小沢に迫った。念押しする重野。小沢は「政府に申し伝えます」と3回繰り返した。(敬称略)



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人間的資質を問う

2009-12-10 09:13:14 | Weblog
12月10日付    産経新聞より



鳩山首相に申す     櫻井よしこ氏


http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091210/plc0912100305004-n1.htm


人間的資質を問う



鳩山由紀夫首相は自身の裡(うち)の虚言癖と道徳心の欠如に気付いているだろうか。鳩山政権の諸政策が国益を毀損(きそん)し、日本の力を殺(そ)ぎ続け、日本の衰退を決定づけつつあると、自覚しているだろうか。

 おそらく、その自覚はつゆほどもないのであろう。だからこそ、テレビカメラの前に立つ首相の大きな双眸(そうぼう)には、いささかの含羞(がんしゅう)も憂いも宿っていないのである。

 本来、当欄は、首相の政策について論ずる欄である。だが、今回、わが国宰相に政策以前の人間的資質について質(ただ)さなければならないことを、一人の日本人として口惜しく思う。

 政権発足から約3カ月、徐々に明らかになったことのひとつが、首相にまつわる金銭事情のいかがわしさである。初めは、亡くなっている人の名前を騙(かた)った個人献金の偽装疑惑だった。当初、資金は首相自身のものとされた。が、次から次に暴かれた事実によって、偽装献金の原資はおよそすべて母親の資金だったと判明した。

 偽装献金に使われていたのは、母親の資金のごく一部で、母からは、毎年1億8000万円が首相側に渡っていたことも明らかになった。資金提供は少なくとも6年間続き、現時点で判明している累計額は9億円だという。

同額が首相の弟の邦夫氏にも渡っていたが、これらは2人の子供への貸し付けだと、説明されたという。気の毒に。高齢の母上にこのようなことを言わせて。

 邦夫氏は8日、「最大限の贈与税を払い、私の責任のつけ方としたい」「兄と違って虚偽記載はしていない」と述べた。邦夫氏が指摘したように、首相は、母親の資金の一部を偽装献金に回していた。偽装するくらいであるから、無論、贈与税は払っていない。明らかな脱税である。

 それだけでも、首相は、まともな大人としての道徳心を欠いている。政治家に要求される道徳心もない。一方で、首相はこれまで情報開示を自らの政治姿勢としてきた。加えて、他の政治家の政治資金問題に関して、「秘書の罪は国会議員の罪」「秘書のやったこととうそぶいて自らの責任を逃れようとしますが、とんでもない」などの表現で厳しく批判してきた。ならば、少なくとも、自身の疑惑を秘書や高齢の母の責任にせず、自ら説明すべきである。説明なしに首相の座に居続けるとしたら、首相には道徳心のみならず、恥の心もないと断ぜざるを得ない。

 言葉と行動のギャップが果てしなく大きい首相の言葉は、まさに鴻毛(こうもう)の如(ごと)しである。

 首相は今年9月号の『Voice』に寄稿した論文「私の政治哲学」で、自身の揚げる友愛政治をこう説明した。

 「『友愛』の政治は、財政の再建と福祉制度の再構築を両立させる道を、慎重かつ着実に歩むこと」とし、現在の財政危機は自民党政権の失政ゆえだとして、「官僚主導の中央集権政治とその下でのバラマキ政治」などが原因だと断じている。

 平成8年11月号の『文藝春秋』に寄せた論文「民主党 私の政権構想」ではこう書いた。

 「官主導の上からのばらまきの保護政策は、画一的で人々の実状にマッチしないまま次第に膨れ上がることによって財政硬直の一因となってきた」

 いま民主党は予算編成の作業中で、予算が最終的に確定されたわけではない。しかし、すでに見えてきたのは、「財政の再建と福祉制度の再構築の両立」は恐らく不可能だという点だ。が、首相は言うだろう。来年度予算は元々の骨格を自民党が作った、と。たしかにそうだが、首相の予算案は、税収をはるかに超える赤字国債の発行で支えられる異常な編成に傾きつつある。特徴は、首相が厳しく批判してきた「画一的なバラマキと財政再建への逆行」である。

 首相の言葉のなんといい加減なことか。首相は同論文で連立政権のあり方についても述べている。「大事なことは、自分たちが掲げた理念・政策を実現するために、どう主張を貫くかということであって、野党になるか与党になるかはその結果でしかない」「政治が妥協であることは認めるが、しかし、大きな政策的妥協をしてまで政権に執着するような姿を見せてはならない。少なくとも私自身は『まず連立ありき』という考えはない」

 今の首相はどう見ても「連立ありき」である。財政再建どころか、大量の財政赤字を積み上げて予算を組まざるを得ない理由のひとつは、国民新党の亀井静香氏の主張ゆえではないのか。鳩山内閣が連立ありきだからこそ、社民党の福島瑞穂氏の主張を気にして普天間飛行場問題を解決できないのではないのか。日本の安全保障の支柱である日米同盟とほとんど存在意義を喪失し去った社民党の、どちらが国益にとって大事なのか。社民党を選ぶことは「大きな政策的妥協」の究極ではないのか。

 首相は10月25日の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の冒頭、「日本の外交政策として日米同盟を基軸と位置づけている」と異例の発言をした。軋(きし)む日米関係を気にしてのこととみられた。だが、その後も、首相の言動は猫の目のように変わり続け、日米同盟を支えるのに必要な相互信頼を醸成し得ていない。日米同盟を意義あるものにするための戦略を全く描き得ていない。

 普天間問題について、首相は、オバマ大統領に「どうぞ私を信頼してください」と言った。「信頼せよ」と口にしたからには、たとえ、庶民でも、日本人なら自分の言葉に責任を持つ。それが二転三転した末に、またもや先送りするとの姿勢を米国に見せたからこそ、米国は日本との協議を打ち切った。日米同盟の深化のためとして鳩山首相が提案した協議など信用できないということだろう。首相のみならず、日本という国家への、同盟相手の信頼はいまや消え去ろうとしている。

 先の選挙でたしかに民主党は選ばれた。しかし、こんな異形の政府になると、多くの人は考えなかっただろう。日米同盟を危機に陥れ、中国の高笑いを誘うような安保外交政策が生み出されるとは、国民は考えなかっただろう。


 日米安保を犠牲にして、社民党などとの連立を保とうとするのはなにゆえか。それが首相本来の考えか。または外国人参政権、人権擁護などの法案成立が目的か。首相は明確に答えなければならない。






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