鳩山首相上申書 知らなかったは通らない
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091222/plc0912220251002-n1.htm
鳩山由紀夫首相の資金管理団体の偽装献金問題で首相が東京地検特捜部に上申書を提出した。
脱法行為の疑いが持たれているという。異様な事態なのに、首相は「憶測を呼ぶのでノーコメント」などと提出の事実さえ明らかにしなかった。自身のカネの問題をなぜ説明できないのか。国政と最高指導者への信頼を失墜させかねない問題であることを認識すべきだ。
上申書提出を受け、検察の首相への事情聴取は見送られる見通しだという。捜査が尽くされたかどうかも疑問であり、不可解としかいいようがない。
偽装献金にからみ、首相側が実母から毎月1500万円、6年余の総額で11億円を受けていたことが明らかになった。この一部が偽装献金の原資となっていた。
首相は問題発覚後、この資金提供の経緯をあいまいにしてきた。上申書では資金管理などを元秘書に任せていたとし、虚偽記載や実母からの資金提供を知らなかったとしているとみられる。
資金提供の有無は母親に聞けばすぐに分かる話だろう。首相は当初、偽装献金の原資について「自分の資産」と説明していた。
実母はすでに提出した上申書で元秘書に資金を渡していたことを認め、利息や返済がないことから「贈与といわれてもしかたない」としているという。
息子が困っているからと、適正な手続きを経ず、これほどの資金提供をしていた金銭感覚にはあきれる。発覚しなかったら、この間の贈与税などをどうするつもりだったのか。「脱税」との批判を受けてもしかたあるまい。
金銭の管理を秘書に一任している政治家は少なくない。だからこそ、秘書の責任は政治家がとるべきだと述べてきたのは首相自身ではなかったか。
平成15年の社民党議員の秘書給与流用事件の際、首相は「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」と指摘していた。首相の言動は矛盾している。政治的かつ道義的責任は明白だ。どう責任を取るのだろう。産経新聞社とFNNの合同世論調査では、首相の政治献金問題への対応について「評価しない」が7割を超える。
偽装献金問題で首相の元公設第1秘書が近く在宅起訴される。首相はどんな説明をするつもりなのか。上申書の内容をなぞるだけでは到底納得できない。