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ニッポンのゆる~い日常

国家の正統性確立に苦しむ韓国

2009-12-29 09:13:53 | 正論より
12月29日付    産経新聞より


国家の正統性確立に苦しむ韓国    筑波大学大学院教授・古田博司氏


http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091229/kor0912290245000-n1.htm


 ≪発展の遅れた半島の李朝≫

 来年は日韓併合100周年にあたり、韓国の反日運動の盛り上がりが予想され、また日本の一部学者が同調する動きもある。以下、事実を指摘しておきたい。

 歴史上の朝鮮は、満州から半島へと廻る回廊の上に立つ、いわば回廊国家であった。

 大陸に清国を建てた、第1代ヌルハチと次代ホンタイジの年代記、『満文老档(まんぶんろうとう)』が当時の満州語で残されている。満州軍は清国建国前に朝鮮侵攻を行うが、奉天に集結した軍が朝鮮に南下し、京城を抜くまでにたった2週間しかかからない。半島の東側は険しい山岳だが、西側は何の要害もない野原だからである。もとより守り防ぐことのできない国であった。ゆえに侵略の報が入るや、王は海浜の江華島へと逃げ去った。

 満州やモンゴル諸国から見ても、大陸の明朝と半島の李朝は兄弟国であった。明は白蓮(びゃくれん)教徒の明主が建てた国だったので明という。元朝に宗教反乱で立ち向かい、モンゴル人の放漫な紙幣濫発(らんぱつ)政策に対する反省から、当初は反商業的な国家として誕生した。同時期成立の李朝はこれを真似(まね)し、明がそれを捨てて発展していたころ、なおも反商業的であった。


 商店も筆屋と鍮器(ちゅうき)屋くらいしかなく、人々は市場と行商人に頼っていた。曲げ物の技術がなく、車輪も樽(たる)もない。物は背負子(しょいこ)に担いで人が運んだ。染料も顔料もないので、民間人は白衣、陶磁器は白磁だった。李朝は、いわば世界が中世期の頃に、古代国家として発生したインカ帝国に近い存在として特筆される。


 ≪日本の思い出にさいなまれ≫

 このような国を植民地とした近代日本から染料が入ると、白衣は柄入りで染められて「倭風」と称され、リヤカーが来ると車がなかったため、ハングルで「クルマ」と呼ばれて今日に至っている。日本植民地時代に朝鮮が年平均で3・7%の経済成長を遂げたことが韓国人研究者の実証研究でわかっており、もはや隠すべくもない。

 戦後、朝鮮は南北に分断されたが、韓国は38度線のおかげで史上初めて中国の勢力圏を逃れることができた。三方を海に囲まれ、北方には行けず、いわばこの国は島化したのである。他方、北朝鮮は中国の勢力圏に残りつづけた。


 韓国はアメリカによって解放され、北朝鮮は極東ソ連軍の連れてきた傀儡(かいらい)から国が始まる。独力で得た独立ではないため、国家の正統性がない。北朝鮮は金日成が満州で抗日していたので少しはあるが、日本軍が強すぎて朝鮮領内に入ることすらできなかった。北朝鮮は金日成の抗日を誇張し、中国の勢力圏にある現況を表向き否定しなければならなかった。こうして主体思想が生まれる。一方、韓国は日本の思い出にさいなまれ続けることになった。韓国が国の正統性を確立するには、日韓併合条約を無効とし植民地時代を抹殺するか、民主制の成熟しかなかったのだが、後者は流産してしまう。

 2009年5月23日、前大統領の盧武鉉氏が自宅の裏山から飛び降り自殺をした。親族の収賄関与容疑で最高検察庁の事情聴取の最中だった。自殺の時点で盧氏は関与を認めたことになり、遺体は司法解剖に付され、親族の収賄の捜査が本格化するはずである。


 ≪負うべきものを放り出す≫

 ところが野党民主党は最高検察庁による不正資金疑惑捜査が盧氏を死に追いやったとして李明博政権を批判し、政府は盧氏を国民葬とすることで盧氏支持者たちの反発をかわした。さらに検事総長を辞任させ、盧氏親族の捜査を打ち切った。遺体の司法解剖もついに行われなかった。これで李明博政権が国策捜査を認めたことになるから、今度は政府批判が始まり、政権は倒れるはずである。ところがこれもそうはならなかった。


 このように朝鮮の為政者は、いつも負うべきものを放(ほう)り出すのである。李朝の仁祖は満州軍に民衆を放り出した。1905年、第2次日韓協約の時、高宗は朝鮮の命運を5人の大臣たちに丸投げした。韓国初代大統領の李承晩氏は国民を棄てて亡命し、1997年の金融危機の際、金泳三氏はIMF(国際通貨基金)に国を投げ出した。最後に盧武鉉、李明博両氏が民主主義自体を放り出した。韓国人の意識構造の「恨(ハン)」とは、為政者に放り出された民衆の嘆きから始まるのである。

 さて、日韓両政府の支援により2007(平成19)年に始まった「第2期日韓歴史共同研究委員会」がこのほど終了した。筆者は今期から設けられた教科書小グループのチーフだったが、実に虚(むな)しい2年間を過ごした。論争好きな彼らに引きずられテーマ設定に1年間を要し、いざ共同研究が始まると、韓国の委員は4、5冊、多くて10冊の教科書資料しか読んでこなかった。「日本帝国主義」「右翼教科書」などという用語を使い、政争の観点しか持たない彼らを諄々(じゅんじゅん)と諭す以外にはなかったのである。さらに韓国側が名指しで人身攻撃を行っても、日本側委員長はわれわれ委員を守ることがなかった。私は「恨」を感じた。(ふるた ひろし)





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すべてはマザコンのため

2009-12-29 09:12:47 | Weblog


【異論暴論】正論2月号 すべてはマザコンのため


http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/091229/med0912290744000-n1.htm


■心理学が解明した鳩山“マザコン”総理の正体

 「最後は私が決断する」と言いながら何も決められず、支持率を急落させている鳩山由紀夫首相だが、その人格を心理学的に分析したところ、「完全にマザコンの特徴に一致している」ことが、深層心理学者の林道義氏の指摘で分かった。林氏は、「政治家としては完全に落第」と批判している。

 正論2月号に掲載された林氏の論文によると、いわゆるマザコン人格の特徴として、(1)「マザー」の権威をかさに自分が偉くなったと見せたがる(2)その半面、「マザー」と目したものにどこまでも甘えようとする(3)「マザー」に頼って独自判断ができず、言動が支離滅裂になる(4)現実を直視できず、結論を先延ばししようとする-などの点が挙げられる。

 これを鳩山首相の就任後の言動にあてはめると、(1)温室効果ガス25%削減という無謀な国際公約などは、外に向かって「いい顔」したい性格の表れ(2)オバマ米大統領に「トラスト ミー」と空手形を切ったのは、アメリカという「マザー」への無限の甘えが原因(3)発言がころころ変わるのは、人格が弱く独自判断ができないから(4)「最後は私が決断する」と言いつつ問題を先送りばかりしているのは、現実を直視できないため-などと、見事に一致するというのが林氏の主張だ。

 さらに問題なのは、鳩山首相が国民にも甘えようとする傾向が顕著なこと。偽装献金事件の会見で鳩山首相は、「国民の皆さんの辛抱強さと、じれったいなという思いは感じます」と言いつつ、全くけじめをつけようとはしなかった。これこそまさに、無限の甘えといえるだろう。(川瀬弘至)




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「小沢帝国」誕生の足音

2009-12-28 16:01:14 | Weblog
「小沢帝国」誕生の足音   【一筆多論】より


http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091228/stt0912280704000-n1.htm


あっという間に政権交代という大きなドラマが起きた今年も仕事納めを迎えた。主役は母親から毎月1500万円もらっていながら「知らなかった」と言い訳する鳩山由紀夫首相ではなく、天皇陛下の胸中まで手に取るようにわかるらしい民主党の小沢一郎幹事長であることは、賢明な読者のみなさんには自明のことだと思う。

 誰も褒めてくれないので、少々自慢しておくと、5月に小沢氏が西松事件で代表の座を降りたとき、私は「まだ早い『さらば、小沢一郎』」と予言し、鳩山氏が民主党代表に選ばれた際には「傀儡(かいらい)とはいいたくないが」と書いた。民主党支持者とおぼしき読者からお叱(しか)りのはがきや手紙を多数頂戴(ちょうだい)したが、結果はご覧の通りである。

 首相があれほどこだわっていたガソリン税の暫定税率廃止は、小沢氏の一喝で実質的に維持されることになった。本人は否定しているが、天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見も小沢氏が首相サイドに強く「要請」して実現したと多くの関係者が証言している。どちらがこの国を動かしているかは一目瞭然(りょうぜん)である。

 最近になって小沢氏は、「総理大臣になって、本当にみんなのためにやれると皆さんが思ってくださるときがあれば、拒む必要はないと思っている」(テレビ東京の番組)と首相就任にも意欲をみせるようになった。裏側から首相を操るよりは、よほどすっきりするが、「小沢首相」誕生は、この国の議会制民主主義を破壊しかねない大きなリスクを伴う。

「お前が小沢嫌いだからそんなオーバーなことを書くのだろう」というお叱りを受けるのは承知の上だが、証拠をあげよう。小沢氏は首相官邸を訪ね、来年度予算に関する要望書を渡した際、こう発言している。

 「党というより、全国民からの要望なので、可能な限り予算に反映させてほしい」

 民主党の要望は、ガソリンの暫定税率維持など18項目だったが、少なくとも国民の一人である私は、これらの要望をした覚えもなければ、賛成した記憶もない。むろん自民や公明、共産といった野党支持者の声もほとんど反映されていない。

 もっとあきれたのは、首相が「党というより国民の思い。感謝したい」と応じたことである。「民主党の方針=国民の意向」論を何の疑問もなく受け入れたのである。私なぞは「非国民」というわけだ。

 これは、全体主義に近い「一党制」を志向する考え方である。一党制とは何か。本棚で埃(ほこり)をかぶっていた政治学の教科書を引っ張り出してみると、「全体の利益を独占的に代表すると称する一つの政党が、政治による社会の統制を再生産していく」システムとある(「政治学講義」佐々木毅著)。

 一党制では、自由な政治的意思表示と選択の機会がない。共産党が支配する中国の国家体制に近く、小沢氏が自らを人民解放軍の司令官になぞらえたのも単なる偶然ではない。

 過日、盛岡市内で開かれたパーティーで地元選出の国会議員がこうあいさつした。

 「(岩手では)小沢王国が完成した。しっかりと国会で仕事をして小沢帝国を目指します」

 帝国の誕生はすぐそこまで迫っている。(論説委員)






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資金移動:小沢氏側に新生、自由党解党時残金22億円余

2009-12-27 10:26:55 | 陸山会(小沢一郎)
資金移動:小沢氏側に新生、自由党解党時残金22億円余


http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091227k0000m010074000c.html


小沢一郎民主党幹事長が過去に率いた2政党「新生党」と「自由党」を解党した際、党に残った資金の大半に当たる計22億円余を、自分の運営する政治団体に移して支配下に置いていたことが分かった。自分の政治活動のほか、親族への支出などにも充てていた。両党の資金には政党交付金など多額の公金が含まれており、こうした資金移動の手法が論議を呼びそうだ。

 政治資金収支報告書などによると、小沢氏が代表幹事を務めた新生党は新進党に移行する直前の94年12月、党本部と10支部に残った資金のほとんどに当たる9億2526万円余を、政治団体「改革フォーラム21」に移した。党本部に限ると5億5948万円余のほぼ全額が同フォーラムに移され、この大半は国から支給された「立法事務費」だった。同フォーラムは、東京都千代田区にある小沢氏の個人事務所を所在地とし、小沢氏が実質的に運営している。

 また、03年9月には小沢氏が党首だった自由党と民主党の合併に伴い自由党が解党。同党に残った15億5715万円余(うち5億6096万円余は政党交付金)は、所属する議員らの35政治団体に各500万円が分配されたほか、13億6186万円余が同党の政治資金団体だった「改革国民会議」に移された。同会議は自由党解党後に一般の政治団体に変更され、小沢氏による若手政治家の育成事業「小沢一郎政治塾」の運営母体となった。

 同会議も所在地を小沢氏の個人事務所に置き、最近5年間は事務所費として毎年1096万~2532万円を計上、政治塾の会場費や講師への謝礼などに2354万~2690万円を支出している。06~07年には農水省OBの小沢氏の義兄に対し「組織維持費」の名目で計495万円の支出もあった。支出額は毎年6066万~8308万円、5年間で3億4556万円余に上る。解党時の残資金を巡っては、政党交付金に限り他団体への寄付を禁じる改正法案が今年、衆院を通過したが、解散で廃案となった。

 解党に伴う資金移動について毎日新聞は小沢氏の事務所に説明を求めたが、26日までに回答はなかった。【政治資金問題取材班】





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固有の領土となぜ教えぬ

2009-12-27 10:09:31 | Weblog
竹島と高校解説書 固有の領土となぜ教えぬ

http://sankei.jp.msn.com/life/education/091227/edc0912270246000-n1.htm


 高校の新しい学習指導要領の解説書で領土問題について竹島(島根県)が明記されなかった。

 昨年改定した中学用では「我が国と韓国の間に主張に相違があることなどにも触れ」と初めて竹島について記述した。

 ところが今回の高校用では、竹島の言葉を入れず、「中学校における学習を踏まえ」とあいまいな表現になった。何を遠慮したのか、これではどの国の領土なのか分からない。北方領土とともに竹島が日本固有の領土であることを明確に教えるべきである。

 解説書は指導要領の内容を具体的に説明したもので、教科書編集や授業に反映される。鳩山政権では初の解説書改定だが、学校で教えるべきことをきちんと教えない事態は国益にも反する。

 中学解説書の改定時には、韓国の李明博新政権への配慮もあって、竹島が「日本固有の領土」と明記されなかった。高校でさらに記述が後退したのは残念だ。

 政府は「韓国への配慮」を否定したが、韓国メディアは「苦心した跡がみえる」などと日韓関係に配慮したとの見方を一斉に伝えた。日本政府は足元を見られていることに気づくべきだ。

 逆に韓国の教科書では、竹島(韓国名・独島)が韓国領土であると詳しく記述している。解説書の記述見送りは、領土問題での後退と受けとられかねない。

 北方領土についても高校解説書では、中学解説書にあったロシアに不法に占拠されている事実の記述が省かれた。

 高校解説書で記述が後退した理由について、鈴木寛文部科学副大臣は、民主党が学習指導要領の大綱化(簡素化)を掲げていることをあげた。大綱化とは、縛りを必要最小限にし、学校現場の指導の裁量を広げようというものだ。

 しかし、北方領土や竹島が日本の領土であり、不法占拠されている事実を教えることは大綱化とは全く関係ない。

 川端達夫文科相は「自国の領土問題を子供たちに正しく理解させることが私たちの使命」だとした。だが領土問題では北海道教職員組合が昨年、竹島について「韓国の主張が事実にのっとっている」などとした資料を学校に配布する問題が起きている。

 新指導要領では国や郷土についての教育が重視された。民主党政権で、おろそかになることがあってはならない。






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元秘書起訴 首相の政治責任は明白 「脱税」の疑い徹底解明せよ

2009-12-25 17:02:43 | 民主党
元秘書起訴 首相の政治責任は明白 「脱税」の疑い徹底解明せよ


http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091225/stt0912250254000-n1.htm


 鳩山由紀夫首相は24日夜、資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、元公設第1秘書と元政策秘書の2人が政治資金規正法違反罪で起訴されたことを踏まえ、記者会見して謝罪した。

 政治資金の透明化や金額の制限などを求める規正法の趣旨を損なう悪質な行為と言わざるを得ない。首相の関与は嫌疑不十分で不起訴とされたものの、その政治責任は明白である。

 最大の問題は、母親からの約12億6千万円に及ぶ資金提供である。首相は6億円を超える贈与税を払う意向を示したが、これは修正申告して済む問題ではない。国政の最高責任者が、国民の義務である納税を怠り、発覚しなかったら知らん顔を通す-という脱法行為が問われているのである。

 「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」と、首相が以前に口にした言葉に従えば、進退が問われる事態だろう。

 首相は会見で、国民の辞めろという声が圧倒的になれば辞任を考慮するとまで表明した。一方で、政権交代を実行することが自らの責任だと語ったが、問題の所在がよく分かっていない。政治的かつ道義的な責任をどう取るかを明確にすべきだ。

 ◆進退に言及した会見

 首相は7年前、加藤紘一元自民党幹事長の秘書の脱税事件に際し、秘書の責任は国会議員の責任だと主張し、加藤氏に議員辞職など厳しい身の処し方を求めた。

 しかし、会見では「今回の件では私腹を肥やしたとか、不正な利得を受けたことはない」とした。過去の発言は自分には該当しないと釈明したのは、あまりにもご都合主義ではないか。

 資金管理団体の会計実務を担当していた勝場啓二元公設第1秘書は虚偽記載で在宅起訴され、会計責任者を務めていた芳賀大輔元政策秘書は、収支報告書のチェックに重大な過失があったとして略式起訴となった。

 東京地検特捜部は元秘書2人の立件で十分だと判断した。しかし、知らないうちに巨額の資金が母親から届き、一部は偽装献金に回ったが、「すべて秘書任せだった」という首相側の不自然な説明を、検察側はそのまま受け入れたのだろうか。

 資金を提供した母親や首相本人の聴取を見送った点には疑問が残る。現職首相をめぐる犯罪という異例の事態に、捜査が抑制的になったとすれば残念だ。

 また、ずさんな資金処理の背景に、身内からのカネなら悪質でないとの考えがあるのだとすれば、大きな誤りだ。衆参両院が定めた政治倫理綱領でも、政治不信を招く公私混同を断つことが重要課題に挙げられている。

 首相は「払うべきものは払う」と贈与税を支払う意向を示しているが、国税当局は首相側の対応が悪質で相続税法違反(贈与税の脱税)にあたるものでなかったかどうか、厳正に調べる必要がある。鳩山家内部の巨額の資産移動についても、徹底した調査を行うべきだろう。

 ◆民主は自浄能力発揮を

 首相の偽装献金問題が節目を迎えた一方で、民主党の小沢一郎幹事長をめぐっては、西松建設の違法献金事件で元公設第1秘書に対する公判が開始されていることに加え、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑が浮上している。

 東京地検特捜部はこの問題で事務担当だった石川知裕衆院議員を規正法違反容疑で立件する方針を固めたとされる。平成16年に東京都内の土地を購入した資金の出所が不透明な点を問われており、小沢氏の元秘書に対する任意の事情聴取も行われている。

 重機土木大手「水谷建設」から計1億円の裏献金が小沢氏側に渡っていた疑いもある。

 政権発足から100日を迎えた首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で迷走したのに加え、公約実現に向けた政府内の調整でも指導力不足を露呈した。内閣支持率は最近1カ月で10ポイント以上急落した。

 首相を支える小沢氏の影響力が一層強まっている中で、政権の頂上に位置する2人の責任者がそろって「政治とカネ」で国民の信を失わせている。

 民主党は企業献金廃止のための法改正を掲げるが、2人に対する自浄能力は何ら示していない。きわめて遺憾だ。これでは実効ある改革を実現できるとは思えない。現実に起きている疑惑解明への姿勢を国民は注視している。




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竹島記述見送り 表現、公表時期…何重もの配慮

2009-12-25 16:33:55 | Weblog

竹島記述見送り 表現、公表時期…何重もの配慮

http://sankei.jp.msn.com/life/education/091225/edc0912251011005-n1.htm

 国と郷土を愛する態度を養うことを明記した新教育基本法のもとで領土教育の充実が期待される中で「竹島」記述が見送られたのは、政府が韓国への過剰な配慮を重ね続けてきた必然的な結果だった。

 文部科学省は本来、法的拘束力がある学習指導要領に竹島の領有権を書き込む方針だった。実際、中山成彬文科相(当時)は平成17年3月の国会で、そう答弁した。だが、昨年2月に公表された中学校の指導要領案に竹島の2文字はなかった。韓国の李明博大統領が就任した時期と重なったため、遠慮したのだった。

 5カ月後、指導要領より「格下」の解説書に初めて竹島を盛り込んだが、当初案にあった「我が国固有の領土」との表記は断念した。当時の福田政権が、反発する韓国側の姿勢を見て及び腰になったからだ。

 そして、鳩山新政権下でまとめられた高校指導要領の解説書では、竹島の2文字すら消えてしまった。

 文科省は当初、竹島表記を死守すべく、高校解説書の文面を中学版と同じにする考えだった。「表現に変化がなければ批判は受けない」(幹部)との読みもあった。自民党が8月の衆院選で大敗し、民主党政権に移行するまでの数週間の間に駆け込み的に公表することも検討したが、当時の河村建夫官房長官が日韓議連幹部だった事情もあり、断念した。

 新政権は、鳩山由紀夫首相が「友愛外交」を掲げている上に、実質的な最高権力者である民主党の小沢一郎幹事長は訪韓時に外国人参政権成立への意欲を示し、天皇訪韓にも言及する親韓派ぶりを発揮している。こんな政治状況下で、竹島明記の選択肢が残るはずもなかった。

 韓国への過剰な配慮は公表時期にも表れた。今回の発表は「日韓併合100年を迎える来年は厳しい。韓国は25日から3連休で、そのまま年の瀬を迎える。韓国世論の反発が最小限になるベストタイミング」(文科省関係者)なのだという。






現場に「領土問題軽視」の誤ったメッセージ送る恐れ 北方領土も記述後退


http://sankei.jp.msn.com/life/education/091225/edc0912251010004-n1.htm

高校の学習指導要領解説書に竹島が明記されなかったことは、韓国に領土問題で「後退」との印象を与えかねないことに加え、解説書にほぼ準拠して編纂(へんさん)される教科書や、教育現場に「領土問題軽視」の誤ったメッセージを送る恐れがある。

 鈴木副大臣は「高校段階での大綱化は民主党が主張してきた」と説明するが、第二次世界大戦の解説では小中学校の解説書で新たに盛り込まれた「沖縄戦」が高校でも明記されており、大綱化は「竹島」というわずか2文字の記述を見送る理由になっていない。

 また、中学解説書では北方領土について「ロシア連邦によって不法に占拠されている」として「不法に」の表現を新たに追加したが、高校では「不法に」の表現は省かれており、領土問題に関してトーンダウンした印象は否めない。

 民主党の支持団体である日教組では、傘下の北海道教職員組合が昨年11月、竹島について「韓国の主張が事実にのっとっている」、北方領土について「日本固有の領土式の観点ではなく、アイヌ民族や戦争との関係でとらえさえて考えさせる」などとした資料を各校に配布。領土問題への意識の低さは共通している。

 竹島については外務省ホームページなどで「歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土」「韓国による占拠は不法占拠」とした政府見解が示されている。

 高崎経済大の八木秀次教授は「竹島を明記しなかったのはアジア重視の現政権の姿勢の表れと考えられ、これが文科省の最新の方針だと受け取られれば、今後編纂される教科書にも影響を与える。政府見解が変更されていないのに、その時々の政治力学で教育や教科書の内容が影響を受けることは、あってはならない」と話している。


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全体主義が鎌首をもたげている

2009-12-23 10:35:55 | 正論より
12月23日付      産経新聞より



全体主義が鎌首をもたげている    拓殖大学大学院教授・遠藤浩一氏


  
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091223/stt0912230245000-n1.htm



 ≪小沢氏の異常な民主主義観≫

 民主党政権は「3K」すなわち「基地」「経済」「虚偽献金」の3つの問題を抱えて立ち往生しているといわれるが、これに「皇室への不敬、不埒(ふらち)、不遜(ふそん)」という4番目の「K」が出来(しゅったい)した。

 最初の3つと皇室にかかわる問題を並べるのは畏(おそ)れ多いことではあるが、この「4K」は、いずれも小沢一郎幹事長の目的なき権力志向および浅薄な民主主義(憲法)観、鳩山由紀夫首相の指導者としての資質の欠如、民主党所属議員の不甲斐(ふがい)なさがもたらした問題であり、相互に連関している。


 幹事長の“命令”に官邸が右往左往し、結果的にルールを逸脱したかたちで天皇陛下にご負担をおかけした問題については既に多くから指摘されているのでここでは措(お)くが、見過ごせないのは記者会見で同氏がまくしたてた異常な民主主義観、憲法観である。

 14日の記者会見で、小沢氏はいささか昂奮(こうふん)した口調で「30日ルールって誰が作ったのか」「国事行為は『内閣の助言と承認』で行われるのが本旨で、それを政治利用と言ったら陛下は何もできない」「陛下ご自身に聞いてみたら、手違いで遅れたかもしれないが会いましょうと必ずおっしゃると思う」「内閣の一部局の一役人が、内閣の方針にどうだこうだと言うなら、辞表を提出した後に言うべきだ」などと語った。


 ≪党議拘束で「賛成」を強要≫

 一知半解の憲法論を楯(たて)に年下の記者相手に怒鳴りまくる姿は滑稽(こっけい)というほかないが、「陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ、全(すべ)て」(同)という憲法観、民主主義観は尋常ではない。要するに小沢氏は、国会で多数派を形成した党派は万能であり、皇室も支配できると言っているに等しい。


 選挙前、子ども手当やら農家への戸別所得補償といったバラマキ政策の財源が党内で議論になったとき、「そんなものは政権を取りさえすればなんとでもなる」との同氏の一声が異論を吹き飛ばしたと伝えられるが、「政権を取りさえすればなんとでもなる」というこの言葉に〈小沢一郎〉という政治家の全てが凝縮されているように思われる。

 選挙という民主主義的ツールを活用して多数派を形成すれば、あとは何でもありというのは、全体主義が鎌(かま)首をもたげ始めるときに特有の光景である。


 同じ記者会見で、外国人地方参政権付与法案について小沢氏は「政府が提案するというのは、私どもの政府が提案すること。自分たちの政府が提案したことには、賛成するのが普通ではないか」と、党議拘束をかけて所属議員に賛成させる方針を示唆した。

 これはおかしい。この件について民主党は議論を回避するためにマニフェストから外して総選挙に臨み、政権を獲得した後、党内でこの問題について真剣な議論が展開された形跡はない。そもそも党内論議の場は政権発足とともに廃止されてしまったのである。


 政府内のガス抜き会議で意見は聞きおくが、その後は、政府が提案したことに問答無用で賛成せよと、この幹事長は命じているわけである。また、陳情は幹事長室で一元化して政府に伝達(命令?)するという新たな制度の設置によって、群小族議員は一掃されるかもしれないが、代わりに巨大な族機関が誕生してここが利権の全てを集約することになる。陳情の一元化とは、とどのつまり利権の一元化にほかならない。


 天皇会見をめぐる強引な圧力に懸念を表明した羽毛田信吾宮内庁長官に対して、小沢氏は「日本国憲法、民主主義というものを理解していない人間の発言としか思えない」と、天に唾(つば)するようなことを言って失笑を買ったが、小沢氏の憲法観、民主主義観にこそきわめて危険なものが内包されているのである。


 ≪異論や批判の言えない状況≫

 問題は、こういう人が事実上専制的に国政を牛耳っているにもかかわらず、しかも、皇室に対してまで不遜な言動をしているにもかかわらず、党内から異議や批判がほとんど出ないことである。今回の一件について公の場で異論を述べた民主党議員は、私の知る限り渡部恒三元衆院副議長と渡辺周総務副大臣だけである。


 大方の議員は幹事長に命じられた通り、次の選挙に勝つことと政府提案に賛成することだけが仕事と心得ているように見受けられる。小沢氏や鳩山氏に対する批判が党内から出ないこと自体が、自由で民主的な社会にあってはきわめて異常というべきである。

 政権を取れば全てが可能になると小沢氏は思い込んでいるようだが、同氏および彼の前で身を竦(すく)ませるだけの民主党諸氏には、再び哲学者、ハナ・アーレントの次の言葉を呈したい。

 「すべては可能であるという全体主義の信念は、すべてのものは破壊され得るということだけしか証明してこなかった」「不可能なことが可能にされたとき、それは罰することも赦すこともできない絶対の悪となった」(えんどう こういち)






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知らなかったは通らない

2009-12-22 09:27:55 | Weblog


鳩山首相上申書 知らなかったは通らない

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091222/plc0912220251002-n1.htm


 鳩山由紀夫首相の資金管理団体の偽装献金問題で首相が東京地検特捜部に上申書を提出した。

 脱法行為の疑いが持たれているという。異様な事態なのに、首相は「憶測を呼ぶのでノーコメント」などと提出の事実さえ明らかにしなかった。自身のカネの問題をなぜ説明できないのか。国政と最高指導者への信頼を失墜させかねない問題であることを認識すべきだ。

 上申書提出を受け、検察の首相への事情聴取は見送られる見通しだという。捜査が尽くされたかどうかも疑問であり、不可解としかいいようがない。

 偽装献金にからみ、首相側が実母から毎月1500万円、6年余の総額で11億円を受けていたことが明らかになった。この一部が偽装献金の原資となっていた。

 首相は問題発覚後、この資金提供の経緯をあいまいにしてきた。上申書では資金管理などを元秘書に任せていたとし、虚偽記載や実母からの資金提供を知らなかったとしているとみられる。

 資金提供の有無は母親に聞けばすぐに分かる話だろう。首相は当初、偽装献金の原資について「自分の資産」と説明していた。

 実母はすでに提出した上申書で元秘書に資金を渡していたことを認め、利息や返済がないことから「贈与といわれてもしかたない」としているという。

 息子が困っているからと、適正な手続きを経ず、これほどの資金提供をしていた金銭感覚にはあきれる。発覚しなかったら、この間の贈与税などをどうするつもりだったのか。「脱税」との批判を受けてもしかたあるまい。

 金銭の管理を秘書に一任している政治家は少なくない。だからこそ、秘書の責任は政治家がとるべきだと述べてきたのは首相自身ではなかったか。

 平成15年の社民党議員の秘書給与流用事件の際、首相は「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」と指摘していた。首相の言動は矛盾している。政治的かつ道義的責任は明白だ。どう責任を取るのだろう。産経新聞社とFNNの合同世論調査では、首相の政治献金問題への対応について「評価しない」が7割を超える。

 偽装献金問題で首相の元公設第1秘書が近く在宅起訴される。首相はどんな説明をするつもりなのか。上申書の内容をなぞるだけでは到底納得できない。





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鳩山首相であり続ける意味なし

2009-12-22 09:23:05 | Weblog
12月22日付      産経新聞より


鳩山首相であり続ける意味なし    ジャーナリスト・櫻井よしこ氏



http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091222/plc0912220227001-n1.htm


 ≪首相の信念による「反米」≫

 政権発足から3カ月が過ぎた鳩山由紀夫首相が問われているのは、いまや政策ではなく、政権存在の是非である。鳩山政権の政策は、内政外交ともに矛盾と破綻(はたん)が目立ち、およそすべての案件で行き詰まっている。とりわけ日米関係の深刻さは際立っている。

 18日、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に参加した首相は、クリントン米国務長官に普天間飛行場移設問題を先送りする方針を説明し、理解を求めたという。

 首相の説明では、クリントン長官は、「よく分かった」と答えたそうだが、それは到底、了承したという意味ではないだろう。首相はこれより前の15日、基本政策閣僚委員会で、移設先については与党3党で検討する方針を決めた。

 社民党などの小政党を深く関与させるという意味であり、普天間問題が白紙化されていく可能性は大きいだろう。しかしそれは社民党の所為ではなく、鳩山首相自らの選択なのだ。民主党政権の反軍事、反米の色彩の強さは、誰の所為でもなく、首相の信念ゆえだと言うべきだ。

 ≪危険極まりない自衛隊削減≫

 首相は16日、かねての持論である、有事に限って米軍に出動を求める「常時駐留なき日米安全保障」について、「首相という立場になったなかで、その考え方は封印しなければならない」と語った。

 信念としては持ち続けるが、首相として、現在はそれを前面に掲げることはしないという意味だ。

 首相は、「長期的な発想では、他国の軍隊が(日本に)居続けることが適当かという議論は当然ある」とも述べている。この考えを突き詰めていくと、日米同盟の破棄につながりかねない。

 では、その先の安全保障政策を首相はどう考えているのか。日本から米軍の常駐をとり払って、それを日本の国益につなげていく道はただひとつしかない。憲法9条を改正し、自衛隊をまともな国軍とし、軍事力を現在の水準よりかなりの程度強化する。まともな国として、国家の基本である外交力と軍事力の整備に積極的に取りかかる道だ。しかし、鳩山首相はそのような努力をまったくしていない。反対に、鳩山政権の力学は、軍事に関することのすべてを否定する方向へと働いている。

 17日の閣議で、首相は、防衛省が求めていた自衛官の減少停止を受け容(い)れないと決定した。

 この件について鳩山政権は「3500人の自衛官の増員要求」を認めないのだと説明したが、それは正しくない。

 例えば陸上自衛隊の場合、18万人の定員を3万5千人減らして14万5千人体制にすると防衛大綱で決定された。加えて、公務員改革でさらなる削減が求められ、結果、最悪の場合、自衛隊員の新規採用がゼロになりかねない危機的状況に陥っているのだ。

 深刻化する中国の脅威に備えるためにも、自衛官をこれ以上減らすことは日本の安全保障の深刻な危機を招く。その危機を前に、防衛省が要請したのは自衛官の削減を打ち止めにしてほしいということだった。周辺の危機的状況を見れば至極当然の要請さえも鳩山政権は認めず、さらなる削減を決定したのが17日の閣議である。

 つまり、鳩山首相には、米軍を退けた後に生ずる空白を、自ら補う考えはないのである。中国や北朝鮮の脅威にもかかわらず、軍事力は整備しないのである。この首相の考えを進めていけば、非武装中立に行き着く。鳩山政権の真の姿は、実は旧社会党政権だったと言わざるを得ない。

 ≪定住外国人でも同じ構図≫

 首相が描く日本国の形を鋭く抉(えぐ)り出したのが11月5日の衆議院予算委員会における稲田朋美氏の追及だった。氏は「定住外国人に国政参政権を与えることを真剣に考えてもよいのではないか」という首相の発言とともに、「日本列島は日本人の所有と思うなという発想は、日本人の意識を開くことであり、死を覚悟せねば成就は不可能であろう。(中略)だから私がその先兵を務めたい」という驚くべき発言について質(ただ)した。

 首相は自身の言葉について、「現実の問題、状況の中で対処していかなければならない」としながらも、「もっと開明的な、開かれた日本を作っていかない限り、この国の大きなテーマの解決は極めて困難」だと答えている。

 「死を覚悟」してまで、日本列島は日本人だけのものではないという価値観を徹底させたい、「その先兵」になりたいと切望した首相は、いま、それらの問題に現実的に対処しなければならないと語る。米軍の常駐なき安保論を、とりあえず封印したのと同じ構図だ。本心は変わらないのである。

 首相が米国に約束した普天間移設問題は、首相のやり方では解決しないだろう。他方、日本国の主権者は誰かという問題については、首相の考えを実現させてはならない。どの問題についても展望が開けず、また開かせてはならない首相であれば、氏が首相であり続ける意味は、もはやないのである。(さくらい よしこ)





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