すもーる・すたっふ
”愚直に”Th!nk Different for Serendipity
 



DHBR2005年7月号 『【名著論文再掲】 真の戦略家は「創発」を促す 戦略プランニングと戦略思考は異なる』(H.ミンツバーグ)を読んだ。戦略プランニング(分析、計画)からは「戦略」は生まれない。「戦略」は戦略思考(直感と創造性、ビジョン)から学習プロセスによって「創発的に」生まれる、ということだろうか。「創発」という言葉の意味をよく理解するため、『The Rise and Fall of Strategic Planning』を早めに読んでみようと思う。

目についた箇所をメモしておく。
これまで実施されてきた戦略プランニングは、実は「戦略プログラミング」と呼ぶべきものである。すなわち、既存の戦略やビジョンを具体的な言葉で表現し、その詳細について詰めることなのだ。

問題は、戦略プランニングは行動ではなく、計算を重視する類のものであることに原因がある。

「分析することで、総合化が図られる。したがって、戦略プランニングとは戦略を創造することである」。これこそ誤解につながりかねない。ここには三つの前提が存在している。すなわち「予測は可能である」「戦略家は戦略課題と別世界に存在できる」、そして「戦略策定プロセスは定型化できる」である。

戦略は計画的であるといわれるが、創発的でもある。つまり、社内のさまざまな施策が複合されて、自然に一つのパターンがかたちづくられることがある。言い換えれば、意識的に考えた結果ではなく、その学習プロセスから自然発生的に生まれてくる場合がよくわるのだ。

我々は行動するために思考するが、思考するために行動することもある。何かを試したところ、これがうまくいった場合、その経験は有効なパターンとなり、やがて戦略へと昇華する。これこそ、まさしく学習プロセスによる戦略策定である。

システムはみずから思考したりしない。また、システムが単に人間の思考を簡便化する以上の機能を発揮させるために利用される時、かえって思考の妨げになる。30年にわたる戦略プランニングの経験が教えるところによれば、戦略策定プロセスを恣意的に定型化するよりも、むしろ自由度を与えるべきなのだ。


#関連エントリー
創発の意味するもの:shiba blog

本日買った本「The Rise and Fall of Strategic Planning」:shiba blog


#関連リンク
FPN: 『戦略プランニングと戦略思考は異なる!?
OutLogic視点ブログ:『意図的戦略と創発的戦略:2つの戦略プロセスを管理する-『イノベーションへの解』
ビジネス戦略を考える:『「創発」に水をぶっかけるーボッ、ボクです。



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