すもーる・すたっふ
”愚直に”Th!nk Different for Serendipity
 



「夢とビジョン」を語る技術を読了。部門のミッション、そして自らのミッションを考えることの重要性を再認識した。ミッション→ビジョンのビジョンシップ(WHAT、仕掛け、面、トップの仕事)と戦略→計画のマネジメントシップ(HOW、仕組み、線、ミドルの仕事)、日々の業務(点、現場の仕事)というビジネスヒエラルキーの捉え方に共感した。自らの問題意識、危機意識、当事者意識を日々明確に持って「面で思考」することが必要だと反省した。本書はトップと現場を繋ぐミドルのためのリーダシップ教本だと思う。

目次
第1章 自分を認識する―過去・現在・未来の自分たちを考える
第2章 問題意識を持ち続ける―すべての始まりは問題意識から
第3章 自分の夢を語り、チームの夢、企業の夢を共有する―夢実現は主体的行動から始まる
第4章 ミッションを考える―自分のミッション、チームのミッション、企業のミッション
第5章 ビジョンを描く―夢を形にする技術
第6章 戦略構想でチームを引っ張る―現実化へのプラットフォームとしての戦略
第7章 チームメンバーで共創しやる気を出す―チームビルディング力を向上させる
第8章 目標達成のためのコミットメント―成功体験を共有し、ストレッチ文化を醸成する
第9章 メンバーのモチベーションの総和がチームの成果―チームの力を引き出すことがリーダーの仕事
以下の指摘、投げ掛けが心に残った。

・どんなレベルのデータで議論しているか?
・点・線・面の連続性から価値は始まる
・問題意識、危機意識、当事者意識
・上司をマネジメントしているか?
・マネジメントとは関係性を客観化すること
・自分らしい発想と思考が周りを動かす
・ミドルが現場から独自性を生み出す
・リーダーシップ=ビジョンシップ+マネジメントシップ
・「どうやるか」は言えても、「何をやりたいか」が言えない
・自分の中にある常識×他人の中にある非常識=革新
・部門の3歩咲きを読み、2歩先を語り、1歩先を照らせ
・「したいこと」「すべきこと」「できること」の重なりを見極める
・人事を尽くさなければ天命はない
・チームの存在基盤を未来に向けてどう考えていくか
・事業ドメイン、ビジネスモデルを見直す
・王様が裸なのに陰でくすくす笑っているだけじゃないか?
・「緊張感のあるコミュニケーション」の文化をつくる
・トップの言霊だけではビジョンの共有と実行力は生まれない
・戦略は削っていくことでわかりやすくなり、特徴がえぐり出される
・戦略=攻めるための仕掛け×攻めるために内部を固める仕組み
・原理原則をチームの価値観として共有化しているところは強い
・緻密さと細かさは似て非なるもの
・ストレッチ=自主性・主体性を意味する
・場当たり的でわかりにくい指示は部下の仕事を増やすだけ
・抽象的なトップの考えを現場のリーダが具体化させる
・たとえ少しでも進化・前進しなければ組織は挑戦しなくなる


我を超える人材は多くの価値を生み、戦略構想に富む人材は多くの資産を生む(P.39)
ビジネスヒエラルキーとは、企業活動をその上位の概念から構造化させたものだ。最上位は、理念であるミッション。そして、その次が自分たちのありたい姿であるビジョン。目標である。その次に来るのが日本企業が弱い戦略。そして、それ以降が日本企業の強い計画・管理・業務。(P.45)
リーダーシップは、ビジョンシップとマネジメントシップの2つの能力軸で分解すると非常にわかりやすい。ビジョンシップとは、ミッション&ビジョン構築力(創出力)であり、仕掛けづくりの能力だ。本田宗一郎、小林一三などがこれらの能力のベストプラクティス。ミドルマネジメントでのビジョンシップは、自分の部門のミッション&ビジョンの再構築力となる。もうひとつの軸のマネジメントシップとは、戦略&計画構築力であり、仕組みづくり能力である。藤沢武夫、大野耐一などがこれらの能力のベストプラクティスだ。ミドルマネジメントでは、自分の部門の仕組みづくり、戦略&計画づくり力になる。(P.50)
ミッションとは「使命」である。存在意義でもある。理念と訳してもいい。ミッションは神からの、社会からの、「あなたの存在意義」である。(P.88)
自部門の目標を考えるよき、あなたは「できること」「すべきこと」「したいこと」のどこにウエイトがかかっているだろうか?「できること」に軸足がかかっていると現実家。「すべきこと」にかかっていると勤勉家。「したいこと」に比重がのっていると夢想家。実際は、これらの3つのすり合わせが最終目標になっているはずである。そしてこれらの3つの重なりの結果が実績になる。(P.95)
自分たち一人ひとりが、危機感を持ち、問題意識を持、当事者意識を持つ。その中から緊張感と十分なコミュニケーションを醸し出す。そういう環境でのミドルのビジョンは、迫力が違う。リアリティが違う。レベルが違う。(P.122)
戦略は、具体策・施策のイメージがより具体的に見えなければならない。あくまで、戦略は、具体策・施策の方向性を規定するフレームであり、コンセプトである。コンセプトを概念と訳すレベルだと、どうしても特徴レス、本質レスのものになってしまう。コンセプトは本質であり、明確な特徴である。戦略とは、「目標実現に向けての明確なる特徴づけ!」である。つまり、フォーカス&ディープ!しないとならないのだ。フォーカス&ディープ!するからこそ、より具体的になるし、より本質追求型になる。だからチームに「わかりやすさと特徴」が醸成される。そうするとエネルギーが集中化される。やるべきことの変数が減る。やるべきことの変数を減らすことが戦略でもある。(P.125)
そのプロセス自体が、教育であり、現場の戦略化にもつながる。仕事には、過去の仕事・現在の仕事・未来の仕事がある。重要なのは、過去の仕事が現在の仕事に、現在の仕事が未来の仕事につながることだ。しかも、未来の仕事を想像して、現在の仕事そのものを進化させることが重要なのだ。(P.178)


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