関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

市長に質問しました~介護保険と有機農業~

2006年06月07日 | 市政全般

6日(火)から、6月定例市議会が始まりました。私はこの日、日本共産党議員団を代表して、総括質問をおこないました。総括質問は、当局から提案のあった議案に対してのみおこなうことになっており、自分が聞きたいからと言っても、当局の提案に関係無いことは聞くことができません。 今回は、介護保険に関わる条例に関してと、有機農業に関する条例に関連して質問をおこないました。
 私の質問と、市長の答弁をそのままお知らせします。

 <高齢者福祉センターおおやまの特養定員の拡大について> 
 最初に議第176号、高齢者福祉センターおおやまのショートステイ定員を24人減らし、その分の特養定員を拡大するという提案について質問します。 
 第一おおやまのショートステイ自体が他の施設に比べても空きがあるという状況が続いてきたようですが、その要因をどのように把握されているかということであります。 本市には、おおやまを含めてショートステイは16施設ありますが、4~5月の「空き情報」を見ましても、ユニット型個室はいつも空いているということになっています。やはり負担の重さということが明白ではないかと考ええますがいかがでしょうか。 
 第二は、このように負担の重さが問題となる中で、利用料の2分の1減免の制度は貴重であります。3月議会では「6月まで継続する」という答弁でありました。これ自体は貴重な努力であったと考えるものでありますが、今、「6月一杯でうち切り、4分の1に後退する」という情報が既に流され、不安の声、嘆きの声が広がっております。 7月以降も制度を継続すべきではないかと考えますがいかがかでしょうか。
 第三に、特養を当面おおやまで拡大すること自体は大変適切なことでありますが、その前提として、施設待機の現状を全体としてどのように把握し、その解消計画をどのように考えているのか伺います。 聞くところによりますと、概ね500人程度の待機があるということのようですが、待機者とご家族の実情は深刻であります。 市では、「待機者と言っても病院に何人、老健に何人、困っている人は何人」というような説明もされてきましたが、例えば老健に入っている方の半分以上が特養を希望しているというような状況になっているわけです。 政府は、介護施設整備を抑制していく計画を進めていますが、サービス受給者・家族の現実を見ない主張であります。 介護の基幹施設である特養を始めとして、市民の切実なニーズに応える整備が必要であると考えますがいかがでしょうか。
 第四は、施設整備の問題の一つとして、今国会で審議されている医療保険制度改正案の「療養病床削減」の問題について、どうお考えか伺いたいと思います。 本市には医療型の療養病棟が308床、介護型が80床、政府の改正案に従えば、これが介護型はゼロ、医療型は185床まで削減され、計204床もの削減となるのであります。 政府は、「療養病棟には、医療の必要度の低い人が多数入院している。削減された病棟は介護施設などに転換できる」などと説明しているようですが、本市の療養病棟を見ましても、経管栄養、胃ろうなどの医療を受けている方も多数いらっしゃいます。こういう方々を始めとして、介護施設での受け入れは、大変制限されているのが実情であります。
 政府の言うような療養病棟の削減は、本市としては容認しがたいものと思いますが、市長の見解を伺います。
 第五に、補正予算で提案されている「認知症高齢者在宅・施設連携等サービス研究開発事業」についてですが、もしこのモデル事業で成果が確認された場合に、どの程度の需要があると見込んでいるか伺います。
 対象となった方が在宅の時に使う見守り支援は今30人位の利用になっているようですが、月に80時間のサービスの在宅を継続するということは多くの方にとりましてなかなか困難であるというのが実態であります。
 認知症介護のニーズ全体にどう応えていくのかという構想の一環としてのご提案だと思いますので、ご説明をお願いします。
 
<藤島型の農業について>
 次に、議第178号有機農産物の生産工程管理者の認定などに関わる手数料条例の一部改正の提案について質問をします。 提案は、当該の手数料について、世間の相場よりも低く抑えて利用し易くしようというものであり、生産の拡大に役立つ取り組みの一つと評価するものでありす。そこで伺います。
 第一に、旧藤島町で進めてきた有機・特別栽培農業をどう評価されているでしょうか。それを鶴岡市全体に広げていく考えはないでしょうか。3月議会では農産物全体の一般的な販売戦略等についての答弁がありましたが、今回の条例改正提案にあたって、構想の発展がないのかどうか伺いたいと思います。
 第二に、特に有機・特栽の米について、どのような販売戦略を考えているかということであります。 一つ具体的に伺いたいことは、安全・安心の農産物を理解してもらう、消費者との交流事業についてであります。
 先月、神奈川の保育園と藤島を中心とした特栽米生産者の方々の「田植え交流会」の事業があり、子ども・保護者・職員など約130人(質問では「30人」と言ってしまいました。修正です、申し訳ありません)の方々が神奈川から鶴岡に来られたということでありました。 農薬や化学肥料を抑えた農業をめざす庄内産直センターという農民団体が1988年から始めた事業で「安全・安心のお米を食べさせたい」という都会の保護者の方々の願いに応えて年々発展してきたものであります。行政の担当者も参加されていますから、事情はよくご承知と思います。
 藤島型を始めとした低農薬・低化学肥料の農業の魅力に肌で触れ、鶴岡の食物・風土・文化まで体感し、心からの信頼を育んでもらうことができる、大変貴重な事業であります。参加されたお子さんはもちろん、保護者の方々も「鶴岡の農家とおやごになった」と感激して帰っているそうであります。
 そこに、昨年から藤島の生産者組織の方々も参加をして、500俵の藤島型コシヒカリが神奈川に販売されることになったそうであります。この産直の米を使う保育園は、神奈川県内40園ほどに達しているということであります。
 また、同センターでは2002年からは東京都の学校給食への供給を始めていますが、ここでも藤島型のはえぬき・ひとめぼれが今年から350俵港区の学校給食で使われることになりました。同区の小中学校全校が藤島の米ということになるそうです。
 これを含めまして、都内の学校で産直センターを通して鶴岡の低農薬・低化学肥料の米を使う学校は70余り、量にして年間2000俵にも達しているということであります。
 これらに見られるように、藤島型の米・農産物は、都会を始めとして高まっている、「安全・安心の農産物を食べたい」という今日の消費者の要望にピッタリ応えるものとなっています。
 そこで、ご紹介した田植え交流会のような顔の見える交流、そういう取り組みが進められれば、苦労に見合った販売が確保・拡大されていく可能性は大いにあるのではないかと考えるものでありますが、市長のお考えを伺います。
 第三に、生産者に対する支援を強化していく考えはないのかどうか伺いたいと思います。旧藤島以外の地区からも、今回提案の条例も使って、「俺もやりたい」という希望が出ているそうであります。今手がけている人、これから希望する人、そういうやる気のある農家は鶴岡の財産ではないでしょうか。そこにどう応えていくのか、お考えか伺うものであります。
 最後になりますが、藤島型のこうした取り組みは、農産物を売るだけではなく、それを通して安全・安心の生産地鶴岡を全国に知らしめる、鶴岡の自然と風土・文化のすばらしさまで全国にアピールすることができる取り組みではないかと考えます。
 市民と行政が共同でつくりあげてきた貴重な成果として、合併によって活かされるべき重要な事業の一つであるということを強調し、質問を終わります。

<市長答弁>
 福祉関係につきましていくつかの点でおたずねでありますが、まあ色々ご発言の趣旨はそれなりに理解のできるところでありますが、結果的には十分なお答えは致しかねることをあらかじめ申し上げさして頂きます。
 まあともかくこのこれからは、実際にこのニーズの内容につきましても、高齢者の数が増えるだけでなくて、対応の仕方についても構造的に色々変動もあるだろうと思われます。
 また同時に提供するサービスの仕方につきましても、色々な工夫を重ねることによって、またそれなりに市民の暖かい、あついご理解のもとに展開して頂くというそういう変動も予想されています。
 そのなかで国の制度がいささか厳しいと言うことについて、私もまああの、具体的に申し入れるべきものにつきましては、積極的に申し入れをしながら、多様な展開について可能なように弾力的に対応していけるような全体としての政策の展開を進めるまあそんなことを基調にして、総括質問に対する総括的なスタンスとしてはそのような積もりでおりますので、あらかじめ申し上げさして頂きます。
  おおやまの件についてでありますがお話しもございましたように、これはあの国の施設に対する支援制度が改められたことに伴いまして、特に個室・ユニットケアという新しいタイプの施設を言うならば新型の施設という形で整備を致しております。
 この新型の施設については、それなりに利用を希望する高齢者も増えているという、私はそういうふうに報告を聞いています。ただこのショートステイ施設につきましては、お話しのように確かに今申し上げたような個室ユニットケアという新しいタイプの施設であるということから、利用料金が相対的に高くなっていると、いうことは非常にユーザーにとりましては、大きな障害になっていたということは率直に認めざるをえないのではないかと思いますが、同時にショートステイの施設につきましても多様な形での展開が図られておると、全体としてのバランス上、おおやまのショートステイについては、さらに有効に活用するという点での転換をするというのは、現実的に弾力的に対応する堅策であろうと、担当の方で提案させていただいて、私も同意をし、提案させて頂いたということでございます。
 様々これからも需要の内容、それから供給者側の色んなサービスの  の打ち方も変わるだろうという意味での変化もあるだろうと思いますので、その限りで弾力的に対応できるように措置を講ずるよう、折角またこれからも督励して参りたいと考えております。
 それから、施設の待機者についてのおたずねでありますが、昨年12月現在、特養の申込者は521人ときいております。現在の所在でありますが、自宅では174人、老健施設で124人、介護保険以外の施設で101人、一般病院で88人というようなことで、今後とも定期的に調査し実態把握に努めて参りたいと思います。
 これに対する対応でございますが、今年度より3ヶ年の介護保険第三期事業計画にもとづき、本計画期間中は特別養護老人ホームの建設、グループホームの増床をおこなわずに、改正の保険制度で新たに創設された小規模多機能の施設の整備を始め、地域密着型のサービスや認知症高齢者見守り支援サービス、特別養護老人ホームのホームシェアリング事業などの拡充を図って、高齢者が住み慣れた地域で暮らせる、各種の多様なサービスを地域づくりを地域の皆さんとともに取り組んで参りたいと考えております。
 それから、療養病床の廃止の見解でありますが、これもご指摘の趣旨はそれなりに実態があればわからないわけではありませんけども、現在のところ、入院患者の内お医者さんの対応がほとんど必要のない方が5割にのぼるというような調査結果があるそうでありまして、厚生労働省では、医療型介護型の療養病床については平成23年度までに廃止・削減という方針のようであります。
 本市の場合は、介護型施設が5施設、定員80人になっておりますが、施設やベッドが消えてしまうわけではありませんので(??)、それらの基盤施設が社会資源として今後とも有効に活用できるよう、また何よりも利用者その家族が不安をもつことの無いように今後とも注目をして運営にあたって参りたいと考えております。
 それから、認知症の高齢者住宅施設連携等サービス研究開発事業でありますが、これは、平成14年度から実施しております、認知症高齢者見守り支援サービスと、特別養護老人ホームの一つのベッドを二人で、一月或いは二月程度交互に利用しながら在宅生活の維持継続を図る、そうしたホームシェアリングと組み合わせて、認知症高齢者が安心して在宅生活が継続できる、そういう研究開発事業、これを厚生労働省のモデルとして取り組まさして頂いております。
 この度の事業につきましては、二ヶ年目の取り組みになるものであって、昨年度につきましては9月から実施し、6名の方がサービスを利用されており、このサービスは利用者の心身の安定や介護者の介護負担の軽減等の効果が認められたもので、今年度についても3組6人の高齢者方にサービスを利用してもらうということにしております。
 今後、認知症高齢者がますます増加することが予想されて、介護サービスのサービス体系にまだ確立をしておらない状況でありますので、本サービスの介護保険サービスへの導入が期待されているものであり、なお本サービスの利用者については、モデル事業としての助成制度の導入などにより、利用者の経済的な負担軽減も配慮なされているということで、せっかく指定された成果があがるようになお一層努力をして参りたいという風に考えております。
 最後に、利用者負担2分の1のものを6月までで4分の1に削減するということに対する反対のご見解でございますが、ご高承のようにこれらは昨年の10月厚生労働省の制度改正によりまして、軽減率が2分の1から4分の1に変更された、県内の自治体においてはこの時点で殆ど全て4分の1に変更していますけども、本市では年度途中ということもございまして、既に適用になっている方については、2分の1軽減を更新時期の今年の6月末まで適用することにしたということであります。
 これは、国県補助事業として実施しているものであり、補助金の算定率は4分の1軽減がベースとなっているということから、それと同時に今回の制度改正によって、これまで一律だった高額の介護サービスの支給基準額が一定所得者には殊更引き下げられる配慮もなされておると、そうしたこともあり、本市においても特別な配慮もされていることも踏まえて、軽減率を4分の1にするということに致したいと考えております。
 その他、旧鶴岡市におきましては社会福祉法人だけでなく、それ以外の事業所にもご協力頂き、減免を実施しておりますが、合併3年以内で全市に適用を拡大することにして、現在調整を進めております、社会福祉法人以外の減免については本市独自のものであり、事業所の皆さんのご理解・ご協力を頂きながら今後とも継続実施して参りたいと考えております。

 次に有機農産物の生産工程管理者の認定についてでありますが、お話しのように有機農産物及び特別栽培農産物について、最近は非常に活発な施策が展開されており、消費者が安心して食べることができる農産物を提供すること、農業を基幹産業とする本市におきましては重要な意味をもつ施策であると考えております。
 特に化学肥料や農薬の使用を避け、土本来の地力を保ちながら栽培をおこなう有機農産物、化学肥料・農薬の使用を半分程度まで抑えた特別栽培農産物、安心・安全な農産物を求める消費者のニーズに応えるものであり、環境に対する負荷を低減した、非常に自然に優しい農業を推進するものとして非常に重要なことと認識をしております。
 一方、県においては今年の3月に策定された「農林水産業振興計画」の中で、環境と調和する農業を県内すべての地域で推進するという、全県エコエリア構想を提唱しているところであり、これから本市農業の振興を図っていく上で、非常に重要な方向と考えております。
 現在、このような取り組みは、藤島地域に限らず、鶴岡市の各地域で積極的に展開されております。例を挙げますと、化学肥料・農薬の使用を二、三割程度減らす、エコファーマーは、鶴岡市域だけで740名、全市では1100名近くが認定を受けており、また、有機栽培農家及び特別栽培農家を加えた農家数は、1500戸余りで全販売農家の3分の1を占めるなど、本市は県内でも最も活発な市町村の一つになっております。
 特に県が振興計画の中で取り上げるということは、当然藤島地区にありますところの県立の農業試験場の研究成果をも十分な参考に取り上げながら措置したに相違ないと、確証を得た訳ではありませんが、当然そのようなことで藤島地区の活動も反映されておる、全県的な施策であると一定の評価をしてもいいのではないかと思います。
 なお、藤島地域の水稲栽培につきましては、藤島型の特別栽培と言われる独自の基準を設定して地域に広く普及させるとともに、技術的な面や経営上の問題も含めまして幅広い角度から実践研究を重ねて頂いております。
 私も藤島地区の今回のことは、本当に将来の農業を含めの深い研究洞察を加えた誠にハイレベルの試みであると高く評価をすると同時に、なお農業自体としては構造的に、先程から申し上げておりますように、色々な厳しい状況の中で、この方式が具体的にどのように導入できるかを含めて、現実的に対応する方法についてさらに高度な研究を続けて頂くことを是非お願いを申し上あげたい。大きく期待をして参りたい。そうしたことを通じて、先駆的な取り組みを逐次また、関係の農協或いは農業者に伝わることには相違ありませんので、ただなお全体として農家を総括を致しますと、やはり現在の所は、非常に農産物価格の低迷、あるいは労働力不足など非常にの苦しい、厳しい環境下におかれますので、行政としてはそういったところも切り捨てる訳には参りませんので、そうした点についても暖かい配慮をするべく研究検討を重ねつつ、とにかく庄内地域の農林水産業をしっかり守っていかねばならないという認識のもとに、総合的な観点から対応するとともに、くどくなりますが、藤島地区の取り組みを一つの有力なモデルケースとして、さらに具体的な内容の研究・検討を深めて頂くように切に希望し、督励をして参りたいというふうに思っております。
 次に販売戦略についてでありますが、消費者のニーズの高まりなどから、お話しのように一般には非常に有利な販売につながっているようであります。国内外の産地間競争の激化や、品目の偏りなどによりまして必ずしも満足な収益を得られていない状況もありますけども、消費者との交流事業や農協の直販方式、消費者からの産地指定を受けるなどきめ細かに進める販売戦略が必要だろうと、ただ風評だけで調子に乗るだけでなくて、その仕組みについてもさらに研究をしながら実効が上がる方策をやらねばなるまいとかんがえております。
 なお幸いにして友好都市の交流が非常に活発でありますので、この機会を通じて農産物の販売をPRの方も、先方からも暖かい、熱意のある協力を頂いておりますので、そうした機会を今後とも展開をして参りたいと思います。
 それから生産者への支援ということでありますが、水稲の有機・特別栽培については、生産調整の面積を軽減するなどの措置を講じているところであり、また堆肥供給施設の整備・運営など、コウチク(?)連携による土づくりの推進に対する支援もおこなっております。
 あわせて来年度から実施される国の農地・水・環境保全対策においては、集落の5割以上の生産者が有機・特別栽培に取り組む場合について助成措置が講ぜられることになっておりますので、本市としてもこれらの措置を積極的に取り入れながら、支援をおこなって参りたいと考えております。


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