関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

総括質問全文1

2009年03月06日 | 市政全般

 総括質問の全文を掲載します。一昨日の質問終了後、議会事務局が録っているカセットテープを借りて、原稿を起こしました。
 殆どの方は昨日の要約で事足りると思いますが、一応、正確なところをお知らせしておきます。

日本共産党市議団を代表して、提案された議案に総括的に質問します。
 昨年秋から始まった、日本経済の急激な悪化のもとで、本市経済と市民生活も極めて厳しい状況におかれています。
 この景気悪化の要因は、第一に労働法制の規制緩和で非正規労働者が急増し、大企業が今、その方々を使い捨てにしようとしていること、第二にアメリカを中心とする極端な外需だのみの脆弱な経済がつくられてきたこと、第三に、金融危機がストレートに実態経済を揺らがせるような構造になってしまっていることにあります。
 それはすなわち、この間の構造改革の政治がもたらしたものであり、景気悪化は、政治災害であり、人災と言わなければなりません。
 アメリカ言いなり、大企業本位の政治から、国民本位暮らし優先の政治への根本的転換がいよいよ求められている訳ですが、旧来の破綻した路線にしがみついたままの09年度政府予算案では、解決の展望は見えてこないのであります。
 こうしたもとで、本市H21年度事業は、経済悪化の中で雇用・経済振興に知恵と力を尽くすことが求められています。
 また、21年度は、策定された市総合計画の具体化の方向性と、合併後の4年間の最後の年として、この間の市政の流れが問われる年でもあります。
 以上のような角度から6つの分野について質問します。
 第一に、市民生活の実態をどう認識しているか。取り分けあらゆる分野に広がる経済的困難の増大について把握されているかどうかについてです。
 いくつか数字を示せば、例えば生活保護世帯は、H19年度までの6年の間に130%に急増しています。(H13:593→H19:772)。
 国保加入者では、税の滞納から有効期間3ヶ月の短期保険証を発行されている世帯の受診率が一般世帯に比べて極めて低いという調査結果は既に知られているところですが、そういう世帯が本市でも一千世帯に達しようとしています。
 実際、市内の大きな医療機関の外来診療の管理をしている方でも、「短期保険証の方の受診は殆ど見ることがない」という実感をお持ちでありました。
 また、就学援助を受けている小中学生が640人を超えていますが、こうした家庭のみならず経済的に大変な家庭では、部活動もできるだけお金のかからない部を選ぶということも稀ではありません。
 学童保育でも、全体としての入所児童の増加の一方で、親の失業や給与減少などで利用料が払えず退所する家庭も増えています。
 以上はごく一例ですが、格差と貧困の拡大が日本社会の重大問題になっている中で、お金が無いために医者にかかれない、子どもの生活にも経済苦が陰を落としている、そういう事態が鶴岡でも拡大していることに、私は市政に関わる者として何よりも心が痛むのであります。
 そしてそれは、今申し上げたようないよいよ切羽詰まったご家庭だけの問題ではありません。多くの市民の生活が全体として苦しいものになる中で、最も弱い方のところから大変な事態が発生しているということであります。
 市長説明では、こうした市民生活の苦しい実情への思いが感じられないのでありますが、問題をどのように認識されているのか伺います。
 また、経済的な困難の状況について十分に把握する取り組みが必要ではないかと考えます。例えば、短期保険証の方が通常の保険証の方に比べてどの程度医療機関を受診しているか、低所得の方が要介護認定を受ける率やサービスの利用率、保育園や学校での困難事例と家庭の経済的問題との関わりなどなど、施策毎に把握できるはずであります。
 生活実態に目を向けた調査をおこなうことで、切実な市民生活のニーズも明らかになると考えますが、その意志があるかどうか伺います。
二番目に雇用問題について質問します。
 現下の雇用危機は、景気悪化を背景としつつも、構造改革の一環としての労働法制の規制緩和と、リストラを助長する経済政策の結果、正規職員が削減され不安定雇用労働者が増大したこと。そして今、景気悪化を理由に大企業が派遣を始めとする不安定雇用労働者の大量解雇・契約解除をおこなっていることに原因があります。
 この間の労働者のたたかいと日本共産党の国会質問によって、大企業の生産現場では、「派遣労働が3年に到達する直前に一旦契約解除をおこなって、その後に再び派遣契約を結び直す」というような脱法行為が当たり前のようにおこなわれており、現行法規を正しく適用すれ
ば、「派遣切り」の大半は許されないものであるということが、明らかになってきました。大量の派遣切りどころか、大量の正規雇用がおこなわれるべき状況なのであります。
 大企業はこの間、派遣労働を活用して空前の大もうけを挙げてきました。蓄えられた内部留保は、製造業の大企業だけで、97年度から07年度末までの10年間に32兆円も増え、積み上がった額は120兆円にも達しています。
 派遣業の業界団体は、三月末までに職を失う非正規労働者を約40万人と推計していますが、この雇用を維持するのに必要な支出は内部留保のわずか1%にすぎないのであります。法律に基づいた直接雇用も内部留保のわずかの活用でできるのであります。
 そこで伺います。日雇い派遣・登録型派遣禁止、派遣労働そのものの原則禁止など労働者派遣法の抜本改正と、現行法規を厳格に徹底する労働行政の強化、こうした施策で大企業に雇用に関する社会的責任を果たさせることが、今日の未曾有の雇用破壊をストップさせるカギと考えますがいかがでしょう。
 また、本市にも、莫大な内部留保を蓄えているような大企業があり、そこでも大量の雇用打ち切りがおこなわれています。せめて法律は守るように、市としても要請をしていくべきではありませんか。市長の見解を伺います。
2つ目に地域経済振興と雇用確保策について質問します。 
 政府は「史上最長の好景気」などと言ってきましたが、結局潤ったのは大企業だけであり、経済振興の目的が間違っていることが浮き彫りとなりました。消費税増税付きの定額給付金等という愚策をやめて、国民生活を支援する真の景気対策が求められています。
 同時に、市としても雇用・経済対策にあらゆる方策を用いなければなりません。日本共産党市議団は、12月に緊急雇用対策について市
に申し入れをおこなうなど、取り組みを進めて参りましたが、1月7日に設置された市緊急経済対策本部の取り組みを引き続き注視してきたところであります。
 そもそも地域経済を活性化するとは、地域内のお金の循環をつくることであり、それには、地域の人ができるだけ地域の材料を使って営む地場産業・地元中小商工業の仕事を増やすことが何よりの良策であります。
 農林水産物を生かした産業が重要であることは言うまでもありませんが、今回は、地場産材を使用し、地元業者が手がける住宅建設や住宅リフォームを促進する取り組みについて、当面する雇用・経済対策の中でも大きな意義を持つものの一つとして質問します。
 不景気の煽りが懸念されるとは言え、市内で一年間に建てられる住宅が木造だけで約400棟、仮に一棟2500万円だとすると年間100億円の市場、地場産材の部分では10~20億円の市場であります。
 鶴岡の建築関連従事者は1万人とも言われますが、住宅産業は、仕事の激減で日々の生活を脅かされている多くの業者に関わる裾野の広い産業です。
 住宅祝い金やリフォーム助成などの方法は色々考えられますが、仮に市が一棟に50万円投下したとしても2500万円の地場産住宅が建てられれば、経済的誘発の効率は第一次だけで50倍、二次的効果、三次的効果も非常に大きなものです。
 それはまた、温海・朝日を始め、中山間地域の振興をも支援するものともなります。
 バイオ研究支援に投入している4億円のほんの一部を回すだけで、経済振興に具体的効果が期待できるのであります。
 市長説明でも、「地域内経済の新しい循環システムの確立」が述べられていますが、国の林業・住宅産業向けの事業も活用して、今こそ施策を強力に推進する考えはありませんか伺います。
 なおかねてから主張しているように、教育や医療、介護など人的サービスを中心とし、切実な市民要求のある分野を拡充することが、雇用・経済対策としても、住宅施策にも勝るとも劣らぬ重要性・有効性をもっているということを申し添えておきます。
3番目に介護保険について質問します。
 H20年度までの第三期事業計画の3年間に介護保険制度は大幅な改悪が進められました。施設の食費が全額負担となり居住費が徴収され、経済力の弱い方の入所が困難にさせられましたし、新予防給付が開始されるなど軽度の方へのサービスも全般的に縮小されました。
 特別養護老人ホームの入所を待っている人は940人に達し、劣悪な労働条件から離職率は高く、本市の各事業所も人材確保と介護の質の向上に四苦八苦しています。
 市長はこの間、時々の制度改悪について、「当然のもの」などと容認するとともに、利用料減免の条件を厳しくするなどの対応をとってきましたが、介護保険制度そのものが、制度発足時に国が謳った「必要な人に必要な介護を保障する制度」といううたい文句に近づくどころか、実態は理念からどんどん離れているのであります。
 21年度からの3カ年計画である第4期事業計画は、関係者の方々の懇話会の意見を反映して作られたものですが、残念ながら、サービスの供給でも、保険料、利用料の負担の問題でも市民のニーズに応える計画には成り得てはいないと言わざるを得ません。
 本市の要介護認定率、サービス利用率が高いことは、ニーズを比較的正しく反映しているという積極的な意味を持つものだと考えますが、それが保険料に反映し、第三期に比べて5.8%から8.2%程度上がるとされ、国の2カ年限りの緩和措置が終わるH23年度では、所得金額200万円の方で年額17000円もの負担増となります。
 一方、特養建設は入所待ち940人に対して、増床は78床、老健施設やグループホームと合わせても152床に過ぎませんし、低所得で利用を手控えている人、サービスをまったく受けられない人などに手の届く計画にはなっていません。現下の介護保険制度の枠内にとどまるものであります。
 政府が2カ年に限ってですが国の負担を拡大したのも、サービスを充実させれば保険料に跳ね返るという制度の矛盾を自ら認めたものであり、介護保険財政に対する国の負担をより大きく、恒常的なものにしていくことの必要性は明らかなものと考えますが、市長の考えを伺います。
 また、現行制度が不十分なものだとすれば、市としては独自の措置で、制度から除外された人、経済的困窮者などへの必要なサービスを確保する施策を思い切って充実させていくべきではありませんか。考えを伺います。
4番目に子育て支援について質問します。
 市がH18年度におこなった「子育て環境分析調査」でも「子育ての環境について困っていること悩んでいること」の一番は、「子育てに係わる経済的負担」であり、全国的な世論調査と同様、経済的負担の軽減は、最も重要な子育て支援策の一つです
 ところが新年度予算案では、旧6市町村の保育料を統一するとして、旧町村の料金を引き上げる保育料改訂をおこなおうとしています。
 平均しての負担は現行と変わらず、統一は段階的におこなうということですが、新保育料では最高25000円上がる階層もありますし、旧朝日地域の「第三子以降無料」の制度も廃止されることになっています。
 また他に、児童館の使用料も最高8700円にのぼる負担増をおこなうという提案もされています。
                      と言うのであれば、保育料は、市民の強い要望に添って引き下げる努力をするべきものではありませんか。見解を伺います。

5番目に、合併調整について質問します。
 市長は「合併しなかった市町村」に負けないように諸方策を進めると述べましたが、先に挙げた保育料の引き上げに見られるように、合併調整の中の主なものは「負担は高い方・サービスは低い方」と統一が進められてきました。
 この間、一人10万円相当の出産祝い金の創設など、独自施策を発展させてきたお隣の三川町との違いが浮き彫りにもなっています。
 旧町村は、地形や風土など困難の条件の中で、税金や公共料金の軽減や除雪など独自の支援策をとって暮らしを守ってきました。そうして築かれてきた財産を「合併したのだから制度は一つ」とただ無くしてしまえば、住民がどんどん町場に出てしまう流れを助長するばかりです。
 21年度予算でもおこなわれようとしている合併後の町村施策の切り捨てをやめ、旧町村のすぐれた施策は活かすこと、地域組織・各庁舎に必要な権限を残していくことなどが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
最後に、構造改革路線について質問します。
 本質問でも取り上げてきました、雇用、経済、介護、医療、保育などなど、本市行政と市民生活に降りかかっている困難の根本には、国の新自由主義の構造改革があります。
 市長はこれまで、その政策を容認し、それに沿った政策を進めてきましたが、市民生活のどの分野をとっても、市財政の状況を見ても、もはや構造改革政治の破綻は明らかではありませんか。
 「色々な実態把握をおこなって、その結果に基づいて、国・県にも改善・改革を求める」という市長説明でありましたが、これほど市民を苦しめている構造改革が誤ったものだという認識をお持ちなのでしょうか伺います。
 以上でありますが、H20年度まで40億円余りの市費を投入してきた先端研のこれだけ市民生活が逼迫する状況の中で、バイオ研究の支援について、21年度予算案でも他の施策と桁違いの4億円を投じる「聖域」にし続けるという問題が、現下の市財政の最大の歪みを成していることを最後に強く指摘して質問を終わります。

 ~答弁は次の投稿に続く~



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