パロディ短歌(風俗編1)
母の栄養良くなりて
●たはむれに母を背負ひてそのあまり 重きに泣きて三歩あゆまず
(本歌 たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず 石川啄木)
(蛇足)「おっかさんをおぶったくらいでよたよたするんじゃないよ」「おっかあ、啄木の真似は無理。ギックリ腰になってしまう」
「道」などには目もくれないボーイフレンドに
●やは肌のあつき血汐にふれてばかり 助平ならずや我を口説く君
(本歌 やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君 与謝野晶子)
(蛇足)うまくいかないもんだねえ。本命のイケメンはなかなか口説いてくれないし、どうでもいいのが、べたべた寄ってくるし。
父の自覚なく、メタボの身で女の尻ばかり追いかけ(チョイ悪おやじ)
●父として幼き者は見上げ居り ねがわくは桃色の豚とうつるなよ
(本歌 父として幼き者は見上げ居りねがわくは金色の獅子とうつれよ 佐々木幸綱)
(蛇足)金色の獅子は無理でしょう。豚はまだマシかも知れない。トドも河馬もいるからねえ。メタボとはメタボリック・シンドロームの略で腹囲の大きな紳士淑女、おっちゃん・おばちゃんを指す言葉。流行語の類なので、解説をしておきます。
あくる日の調理に手違ひありて
●「この味が不味いね」と君が言ったから七月七日はフラレ記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)世の中、一寸先は闇です。
美人局(つつもたせ)にはまり、ヤクザに脅されて
●「この指をつめろ」と君が言ったから今日は悪夢のチビリ記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)美人局をきちんと読める人はもう少ないかもしれない。そもそも、新聞記事に載らなくなったのは、この手の事件がなくなったのだろうか。でも、男と女とヤクザがいるかぎり、なくなるとは思えない。ヤクザの恐喝にも流行があって、脅し方が違うのかもしれない。
大穴狙いがはずれて予想屋に当りちらし
●「この馬があたる」と君が言ったから日本ダービーはスッカラカン記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)博打の醍醐味はやっぱり大穴狙いでしょう。想像上の楽しみが何倍にも増えるわけで、その代わりに低打率なのは仕方がない。
優勝戦線から脱落するのが習いになり(タイガースファン)
●春すぎて夏来たるらし 白星の味忘れてふ雨の虎猫
(本歌 春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほすてふ天の香久山 持統天皇)
(蛇足) 三十八年ぶりの優勝にわいた平成十四年が懐かしい人も多いのではないか。知り合いの大学教授は「早くあかんようになった分だけ、テレビ中継を見る時間も減ります。研究が進んでよかった」と負け惜しみを言っていましたが。
頭髪や髭はもとより
●わがはいの大事なところに生える毛の 白きを見れば予ぞ老けにける
(本歌 かささぎのわたせる橋におく霜のしろきを見れば夜ぞふけにける 中納言家持)
(蛇足) 中年の同級生が集まると、話はいつしか老眼のこと、抜け毛、白髪(しらが)のこと、さらに入れ歯へと収斂していく。悲しい現実である。
母の栄養良くなりて
●たはむれに母を背負ひてそのあまり 重きに泣きて三歩あゆまず
(本歌 たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず 石川啄木)
(蛇足)「おっかさんをおぶったくらいでよたよたするんじゃないよ」「おっかあ、啄木の真似は無理。ギックリ腰になってしまう」
「道」などには目もくれないボーイフレンドに
●やは肌のあつき血汐にふれてばかり 助平ならずや我を口説く君
(本歌 やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君 与謝野晶子)
(蛇足)うまくいかないもんだねえ。本命のイケメンはなかなか口説いてくれないし、どうでもいいのが、べたべた寄ってくるし。
父の自覚なく、メタボの身で女の尻ばかり追いかけ(チョイ悪おやじ)
●父として幼き者は見上げ居り ねがわくは桃色の豚とうつるなよ
(本歌 父として幼き者は見上げ居りねがわくは金色の獅子とうつれよ 佐々木幸綱)
(蛇足)金色の獅子は無理でしょう。豚はまだマシかも知れない。トドも河馬もいるからねえ。メタボとはメタボリック・シンドロームの略で腹囲の大きな紳士淑女、おっちゃん・おばちゃんを指す言葉。流行語の類なので、解説をしておきます。
あくる日の調理に手違ひありて
●「この味が不味いね」と君が言ったから七月七日はフラレ記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)世の中、一寸先は闇です。
美人局(つつもたせ)にはまり、ヤクザに脅されて
●「この指をつめろ」と君が言ったから今日は悪夢のチビリ記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)美人局をきちんと読める人はもう少ないかもしれない。そもそも、新聞記事に載らなくなったのは、この手の事件がなくなったのだろうか。でも、男と女とヤクザがいるかぎり、なくなるとは思えない。ヤクザの恐喝にも流行があって、脅し方が違うのかもしれない。
大穴狙いがはずれて予想屋に当りちらし
●「この馬があたる」と君が言ったから日本ダービーはスッカラカン記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)博打の醍醐味はやっぱり大穴狙いでしょう。想像上の楽しみが何倍にも増えるわけで、その代わりに低打率なのは仕方がない。
優勝戦線から脱落するのが習いになり(タイガースファン)
●春すぎて夏来たるらし 白星の味忘れてふ雨の虎猫
(本歌 春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほすてふ天の香久山 持統天皇)
(蛇足) 三十八年ぶりの優勝にわいた平成十四年が懐かしい人も多いのではないか。知り合いの大学教授は「早くあかんようになった分だけ、テレビ中継を見る時間も減ります。研究が進んでよかった」と負け惜しみを言っていましたが。
頭髪や髭はもとより
●わがはいの大事なところに生える毛の 白きを見れば予ぞ老けにける
(本歌 かささぎのわたせる橋におく霜のしろきを見れば夜ぞふけにける 中納言家持)
(蛇足) 中年の同級生が集まると、話はいつしか老眼のこと、抜け毛、白髪(しらが)のこと、さらに入れ歯へと収斂していく。悲しい現実である。