「伊賀上野語り部の会養成講座③」芭蕉さん編

2023-02-07 00:06:39 | 「伊賀上野語り部の会」で勉強中
2023/2/4午前、いつものごとくココ5階でお城と南宮山を見て…
 
語り部養成講座が始まって初めての青空、すっきり爽やかだったので…

今日といってもずいぶん日にちが経ってしまいましたが、
何せ勉強中の身なのであれこれと調べることが多い
講演は「伊賀市文化振興課/芭蕉翁記念館学芸員」の高井悠子さん。

四季折々「記念館の展示物」は変わります。
所蔵している「芭蕉さんのたからもの」は、俳諧関係資料を含めて約3500点とか。
「芭蕉の真筆」は約20点、日本でも最大数かもしれない、とのこと。

では、時は春近し!ということで「梅」のお話から~
そもそも「梅」とは?
 撮影日:2022/3/16

春告草(ハルツゲクサ)】【好文木(コウブンボク)】ともいわれる。(それぞれ梅の別称
平安時代初期までは花といえば「梅」を指すことが多かったそうで、
梅はあたたかい春に先駆けて、まだ寒い時期にいち早くつぼみをつける植物です。
だから、春を告げる花・・・
「梅」は花もさることながら、何と言ってもその「香り」に惹かれます。
芭蕉さんも多くの「梅の句」詠んでいます。
余談ですが↓この方も「梅と鶴」を題材にした作品が多いとか。
林和靖(リンナセイ)】北宋の詩人

芭蕉さんは、生涯旅人だったように思われていますが、
*伊賀で生まれ育つ、当時「宗房」は、29歳(寛文12年/1672)「貝おほひ」を菅原神社に奉納。
*江戸へ行く、「桃青」を名乗り、39歳で俳号「芭蕉」。
*旅に出て「紀行文」を書き始めたのは亡くなる10年位前、41歳の時。
「野ざらし紀行」「鹿島詣」「笈の小文」「更科紀行」「奥の細道」。
 
(出典:令和2年度/芭蕉祭特別展図録より)
旅をしていても故郷である伊賀への帰郷は10回に及び、
1000句の俳句の内、伊賀ゆかりの句は100句、如何に多いことか…
*『奥の細道』は、紀行文の集大成。
*「不易流行」を弟子に伝える、等々。
(芭蕉さんを学ぶとここら辺でいつも頓挫してしまう、
哲学っぽくなりすぎないで進みたいものですが…)

令和3年度の新収蔵資料に、芭蕉筆の【月見の献立】。
「元禄7年(1694)8月15日、伊賀の門人たちの合材によって
 一棟の草庵(無名庵)が芭蕉に贈られた。芭蕉は転居祝を兼ね、
 仲秋の名月に句会を催し、心から門人たちをもてなしている。
 その折に芭蕉自ら筆をとった『八月十五夜 月見の献立懐紙』は、
 今日に伝わっている。
 それから2か月後の10月12日、芭蕉は大坂で病没した。」

(参考:「月見の献立」についての寄稿文(平成18年度芭蕉翁献詠句集)です)

伊賀で生まれた芭蕉さんのことは学ぶことがいっぱい。
1時間の座学は、ほんのプロローグ。
夏休みの宿題で「俳句はつらかった 」…と嘆いていた自分が恥ずかしい💦
今後、諸先輩方にも教わりつつ…少しずつ、ですね。

座学が終わったところで「芭蕉記念館」へ移動します。
その道すがら、上野公園入口の「芭蕉さん句碑」の傍の「梅」、蕾固し。
   
三枚目は昨年3/16の満開の梅、あとひと月が待ち遠しいですね。

やまざとは まんざい遅し 梅の花
元禄4年に芭蕉が48歳の時に詠んだ春の句です。
「三河万歳が、新春を寿ぎつつ各戸を廻る。
どうしたって実入りがよく人家の密集している都会を先にする。
正月気分も消えかかろうとする頃田舎に廻ってくる。
鄙(ヒナ:都から遠く離れた所。いなか。)ではそれでもう一度正月の気分が舞い戻ってくるのである。」

余談ですが、
この句の意味は「養肝漬宮崎屋」のご主人にも教えていただき、
「城下町のおひなさん」で店内展示の中に「三河万歳の人形」があったのです。
これはどうして?とお聞きしたところ、芭蕉の俳句にあるでしょ?
と、説明されたので鮮明に覚えています。

芭蕉記念館】(上野公園内)
  
*昭和34年10月開館式
*校倉(アゼクラ)様式、高床式コンクリート造り平屋建て
*収蔵資料は「デジタルミュージアム秘蔵の国伊賀」で一部公開中

   
ここにある「芭蕉像」は上野市駅前にある銅像の原型になります。
ここでも高井先生の説明を受け、子どもたちにも分かりやすいような展示を心がけているとのこと。
ぬりえやクイズなども四季折々に変わります。
月一のギャラリートークや講演・出前講座・寄稿原稿の執筆など
お忙しいようです。
でも、何よりここに来ていただくことが一番嬉しいとのこと、ぜひ

次回「記念館の竹」「広場にある樹木など」そして「俳聖殿」へ

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