夏の甲子園2023決勝戦で、慶応が仙台育英に8対2で勝利しました。私は正直なところ、リアルタイムでテレビを殆ど見てはいなかったのですが、ニュースなどの情報と二日前の準決勝の二試合は見ていましたから、それらを元にして、慶応勝利の要因などを語ってみたいと思います。
まず、凄まじかったのは慶応側の応援です。ネット上では「慶応応援」という言葉がトレンド入りしているとのことで、応援の仕方がマナー違反ではないか、という声があるとのことです。優勝すれば107年ぶりとのことで、盛り上がるのも無理はないとも言えるでしょう。ただ、自軍ベンチ側アルプススタンドだったら良いと思うのですが、外野スタンドで、スクラムを組んで大集団で左右に互い違いにスクラムを揺らしている状況は初めて見ました。プロ野球なら仕方ありませんが、高校野球では、やり過ぎでしょう。
次の要因としては、慶応は決勝戦で5試合目、一方、仙台育英は6試合目です。しかも全試合が強豪校で、出来れば当たりたくない隣県のチームが2校含まれています。1試合多く戦っているということは、投手のみならず野手も同じく体力を消耗しているので、当然不利になります。昨年優勝した仙台育英は実は、1回戦不戦勝で今年の慶応と同じでしたが、昨年の決勝戦の相手チームの下関国際も共に1回戦不戦勝で、5試合目ですから、その点では平等でした。
次は投手力です。仙台育英は150㎞を超える投手が三人そろっているとのことで、慶応より投手力が上という見方もありましたが、いくら、ボールにスピードがあっても、コントロールが定まらないとピッチャーは務まりません。その点、慶応のピッチャーは、内角低めにしっかりコントロールすることができていて、相手打者を翻弄していました。打者は外角だけでなく、内外角の両方を攻められると中々打てません。高いレベルの戦いになってくると、内角を攻められるかどうかの微妙なコントロールが求められます。
次はバッティングです。私が決勝戦前から注目していたのは慶応の延末選手です。黒縁のメガネをかけて、一見派手さの無いバッティングですが、バットのヘッドを肩のうしろ、キャッチャー寄りにして構えるので、スピードボールに対応できます。殆どのメジャーリーガーと同じ構え方です。決勝前まで延末選手は5番打者でしたが、決勝では4番に上げられました。やはり決勝では結果を出していました。
この試合の勝負所は、4回裏の仙台育英の攻撃でしょう。仙台育英が1点を追う場面、チャンスでバッター湯田投手に変えて代打寺田選手が出てきました。ここは須江監督も勝負をかけたのでしょう。三塁線を襲うぎりぎりでファールの打球がありました。ここで3対3の同点になっていたら、と思うのですが、どうもこの試合は慶応が勝つようにシナリオが出来ているような感じでした。三回戦の履正社戦で仙台育英が1イニングで3回エラーしたのに1点しか取られなかったときの須江監督の言葉を借りるなら、神様が仙台育英を勝たせようとはしなかったということでしょう。最後に聖書のことばです。「くじは、ひざに投げられるが、そのすべての決定は、主(創造主)から来る。(箴言16:33)」