今年6月12日、シンガポールで米朝首脳会談が行われました。これにより、日本の北朝鮮による拉致被害者の家族の間には、大きな期待感がわき起こりましたが、それから四か月経過している今も、拉致問題は、少なくとも表向きには何らの進展もありません。
当ブログでは、11年前の2007年9月に第33回「拉致問題解決を求めて」という記事をアップしています。記事は、「制裁よりも融和を」という内容です。ご存じのように、これまで日本政府は、制裁一点張りでした。案の定、拉致問題は何の動きもありません。国内では、被害者家族が、解決を求めて集会を催したり、街頭でビラを配ったり、はたまた、アメリカに被害者家族が行って大統領に拉致解決を訴えるなどしてきましたが、私はそれらの動きを見ていて、歯がゆく思うばかりでした。
小泉純一郎首相時代に、数人の拉致被害者が日本に帰ってくることができたのは、日本と北朝鮮による水面下の交渉があったからです。本来なら、その交渉に尽力した人に対し、「よくやった」と評価すべきところなのですが、それどころか、ある人々は強く非難をしました。つまり、拉致という犯罪を行なった国に対して、こちらから頭を下げて和解を求めることは辻褄が合わないという論理です。もちろん、そういった論理も一理ありますが、それ以外にどんな解決方法があるでしょうか。目的は拉致問題解決であり、長く苦しみの中にある拉致被害者と被害者家族の願いを解決する、そこに焦点を合わせなければなりません。小泉首相時代に日朝交渉した人は、ひたすら、拉致問題解決という焦点を見失わなかったので、あの解放劇を見ることができたのです。
解決の道はただ一点、日朝交渉です。首脳同士でなくても水面下でも良いでしょう。アメリカ任せでは何も進展しません。日朝が交渉するしか道はありません。ただ、問題は今の日本政府が日朝交渉を行なう意欲があるかないかです。今年の6月12日に米朝首脳会談が行われたのならば、その翌日でなくても、その一週間以内には日朝交渉が行われ、そして、翌月の7月には、拉致被害者と日本にいる家族が面会するというようなビッグニュースがあっても不思議ではないでしょう。
日本政府が日朝交渉に消極的になっている理由は、表向きには北朝鮮の核問題かと思います。しかし、私には、日朝交渉をしない理由にしているとしか思えません。韓国のム・ジェイン大統領は南北会談を積極的に推進し、あの米朝会談にまで結びつけました。しかし、韓国国内には南北友好に賛成する人ばかりではありません。その点、日本の場合、日朝が友好的になることに反対する人は韓国よりも少ないかもしれません。
1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯で、北朝鮮工作員だったキム・ヒョンヒ氏は死刑判決後に特赦され、後に、その著書の中で、「北朝鮮と交渉するには、北朝鮮のプライドを損ねるべきではない」と、元工作員としての提言をしています。その点、日本はメディアからして、北朝鮮に対して上から目線です。国家対国家は、個人対個人と違わないでしょう。相手に対して敵意を持ったり、見下げたりすれば、相手はそれを敏感に感じるでしょう。何はともあれ、あらゆる手を尽くして拉致問題を早期に解決すべきです。
当ブログでは、11年前の2007年9月に第33回「拉致問題解決を求めて」という記事をアップしています。記事は、「制裁よりも融和を」という内容です。ご存じのように、これまで日本政府は、制裁一点張りでした。案の定、拉致問題は何の動きもありません。国内では、被害者家族が、解決を求めて集会を催したり、街頭でビラを配ったり、はたまた、アメリカに被害者家族が行って大統領に拉致解決を訴えるなどしてきましたが、私はそれらの動きを見ていて、歯がゆく思うばかりでした。
小泉純一郎首相時代に、数人の拉致被害者が日本に帰ってくることができたのは、日本と北朝鮮による水面下の交渉があったからです。本来なら、その交渉に尽力した人に対し、「よくやった」と評価すべきところなのですが、それどころか、ある人々は強く非難をしました。つまり、拉致という犯罪を行なった国に対して、こちらから頭を下げて和解を求めることは辻褄が合わないという論理です。もちろん、そういった論理も一理ありますが、それ以外にどんな解決方法があるでしょうか。目的は拉致問題解決であり、長く苦しみの中にある拉致被害者と被害者家族の願いを解決する、そこに焦点を合わせなければなりません。小泉首相時代に日朝交渉した人は、ひたすら、拉致問題解決という焦点を見失わなかったので、あの解放劇を見ることができたのです。
解決の道はただ一点、日朝交渉です。首脳同士でなくても水面下でも良いでしょう。アメリカ任せでは何も進展しません。日朝が交渉するしか道はありません。ただ、問題は今の日本政府が日朝交渉を行なう意欲があるかないかです。今年の6月12日に米朝首脳会談が行われたのならば、その翌日でなくても、その一週間以内には日朝交渉が行われ、そして、翌月の7月には、拉致被害者と日本にいる家族が面会するというようなビッグニュースがあっても不思議ではないでしょう。
日本政府が日朝交渉に消極的になっている理由は、表向きには北朝鮮の核問題かと思います。しかし、私には、日朝交渉をしない理由にしているとしか思えません。韓国のム・ジェイン大統領は南北会談を積極的に推進し、あの米朝会談にまで結びつけました。しかし、韓国国内には南北友好に賛成する人ばかりではありません。その点、日本の場合、日朝が友好的になることに反対する人は韓国よりも少ないかもしれません。
1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯で、北朝鮮工作員だったキム・ヒョンヒ氏は死刑判決後に特赦され、後に、その著書の中で、「北朝鮮と交渉するには、北朝鮮のプライドを損ねるべきではない」と、元工作員としての提言をしています。その点、日本はメディアからして、北朝鮮に対して上から目線です。国家対国家は、個人対個人と違わないでしょう。相手に対して敵意を持ったり、見下げたりすれば、相手はそれを敏感に感じるでしょう。何はともあれ、あらゆる手を尽くして拉致問題を早期に解決すべきです。