鳩山政権の支持率が20%台に落ち込み、政権存続の危険水域に入っていると言われています。その一番の原因はやはり普天間基地の移設問題が右往左往しているからでしょう。政治家として、他者の意見をよく聞くということは大事なことですが、物事を決断するときには、誰も彼もが納得するということは困難です。誰かが不利益を被るということはよくあることで、上に立つ者としては苦渋の選択をしなければならないことも少なからずあるのでしょうから、鳩山首相は、その点、強いリーダーシップを発揮すべきです。そもそも、この問題に関しては、戦後65年も経過しているにも関わらず、日米同盟とは言え、アメリカの基地を日本が提供しなければならないという発想そのものを見直す必要があると言えるでしょう。この件に関し、アメリカでわずかの時間オバマ大統領と会談した鳩山首相でしたが、大統領の前に、小さくなっていた姿を見た日本国民は、がっかりしたのでしょう。積極的に自分からアイデアを提案し、若いオバマさんの前に、むしろ主導権を取って巧みな外交手腕を見せつける機会とすれば良かったのです。
民主党の支持率が落ち込む一方で、自民党が盛り返すのかというと、そうでもなく、最近、離党者が続出し、新しい新党が次々と誕生しています。結局、鳩山政権がアップアップしているのに、自民党が谷垣総裁の下で攻勢に転じ切ることが出来ないので、我慢しきれずの旗揚げということなのでしょう。自民党の戦略は、鳩山さんと小沢さんの政治献金問題ばかりをいつまでも追及していますが、これでは国民の支持は得られません。政治、経済評論家たちをうならせるような画期的な政策を発表すればよいのです。
最近、名古屋市の河村市長が、議員定数の半減と議員報酬の半減案を議会に提出しましたが、議員全員がそれに反対したということです。議員さん一人一人の立場に立てば、その案が可決すると、最悪の場合、自分の仕事と収入が0になるか、もしくは、収入がそれまでの半分になって、それなりの生活をしてきた生活スタイルを変えなくてはならないので、反対することも本音であるし、分からないではありませんが、政治はボランティアであると主張する河村市長の考えに賛同する議員さんが一人もいないというのは寂しい話です。名古屋市だけの話ではなく、国会議員も本来はボランティアであるべきでしょう。高額な給与を支給するので、勘違いする人がいるのです。
聖書に「わずかな人々が住む小さな町があった。そこに大王が攻めて来て、これを包囲し、これに対して大きなとりでを築いた。ところが、その町に、貧しいひとりの知恵ある者がいて、自分の知恵を用いてその町を解放した。しかし、だれもこの貧しい人を記憶しなかった。(伝道者の書9:14~15)」とあります。町が解放されることと、その貧しい人の名が記憶されることとどちらが大事でしょう。多くの人は、名を上げることや自分の利益を追求するものです。永遠から永遠に存在する真の神は全てをご覧になっています。政治家だけのことではなく、私たち一人一人が神の前にどうであるかが問われています。