老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

兵庫三田の有馬富士公園

2010-06-25 00:06:03 | 地域
昨日は梅雨の晴れ間の貴重な一日。思い切って懸案の「有馬富士公園」へ行きました。
昨年9月に「堺市ものづくり産業活性化「仕掛け人」育成プログラム」のワークショップ
がありました。その時の大阪府立大学の卒業生の ㈱Studio-Lの山崎亮代表取締役
の挨拶の中に出た「有馬富士公園」が強烈な印象で残っていました。

昨年の 堺市ものづくり産業活性化「仕掛け人」育成プログラム

兵庫三田の「有馬富士公園」へは我が家から高速に乗れば30分少々で着きます。
時々行くイオン神戸北から足を少し伸ばせばいいのです。タイミングが上手く合いません
でした。

ランドスケープ・アーキテクトとして活躍する山崎さんは、農学部緑地計画工学卒業、
地域生態工学大学院修了の新しい公園を提案する30歳半ばの若者(私にとって)です。

どこにもない奇抜な形を模索することが重要なのではなく、社会が求めているのに
これまで世の中に無かったプログラムを生み出すことが重要という設計とは別の
デザインに魅力を感じて、それを最初に実践したのが「有馬富士公園」でした。

当時の有馬富士公園は基本的には設計が終わっていて、開園後の運営計画をつくって
ほしい、という依頼だった。ディズニーランドのように「ようこそ」と言って誰かが
迎えてくれるような公園、歌って踊ってくれるキャストがいるような公園を考えました。

しかし、公園の場合はキャストに給料を払えない。そこが課題だった。

公園周辺のNPOやサークル活動をしている50の団体にヒアリングをしてみると
会議室や事務処理の場所に困っていました。そこで「公園で活動してください」
と声をかけました。これは今までのデザインの仕事ではありません。

例えば天体望遠鏡を持っている星に詳しい人たちは、自分たちの自慢の道具を公園へ
持ち込んで来園者に夜空の観察プログラムを開催してくれるわけです。子どもたちに
天体を見せてあげるから、こどもや親はとても喜ぶし、天体望遠鏡を持ってきた人たちも
楽しい。ゲストもキャストも楽しんでいる。

予期していなかった良い点は、公園って清掃業者が年に2回、園内を一気に除草したり
樹木を伐採したりするんですが、ため池の昆虫の生態に関係したプログラムをやって
いた人たちが、慌ててパークセンターにやってきて、「あんな維持管理の方法では、
この地域特有の昆虫がいなくなってしまう。もしよければあそこの部分は私たちで
掃除とか管理とかやらせてくれないですか」と依頼したそうです。

パブリックのために市民に何ができるのか。住む人たちが立ち上がって、自分たちの
私益だけでなく公益にために行動を起こさないと、豊かな風景はできあがらないと
思います。自立する公園、地域です。

公園としては珍しく、来者数がずっと増えて続けている。結果、有馬富士公園は現在、
パークマネジメントの先進地としていろいろな視察が来る公園になっているようです。

実際、平日に訪れてもイベントが行なわれていて、声を掛け合う場所でした。


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