七草セリと猫の部屋

猫と料理に夢中な漫画家のグダグダ日記

シェ・ジャニー

2012-07-16 11:41:12 | 日記
夜、何気なくテレビをつけたら、八幡平安比にあるフレンチレストラン「シェ・ジェニー」が出ていた。
あれ?あれ?
番組はローカル番組の「夢見るピノキオ」
以前フジテレビでやっていた「ワーズワースの庭で」の岩手バージョンだと
思ってもらえれば。(例えも古いのか・・)

主に岩手の食事処や季節のイベントなどを紹介する番組です。
ここで放送されると、ドドドドッと人が押しかけてきて、しばらく
混み混みのお店になっちゃうんです。
で、でも、こういうカジュアルな番組に「シェ・ジャニー」が取り上げられるとは
まるで思っていなかったから、びっくりしてしまって。

知っている人は知っている。
一見さんは行きにくくて、やはり誰かの紹介で予約を取るのがベスト。
そんな感じのレストランだと思い込んでいたので。
「シェ・ジェニー」は以前は渋谷で著名人が集まることで有名な
フレンチレストランでした。

かの向田邦子さんもオーナーシェフの春田光冶さんのことを
雑誌「アンアン」で掲載していた「男性鑑賞法」で以下のように評していました。
「店もシックだが、主人もスマートな人である。
 生まれが良くて育ちも良くて、名門の大学を出て(慶応です)
 おまけに人好きのする容姿に恵まれて、ラッキーで、この人に足りないものを
 探すとしたら、一体何なのだろう。」

でも、白鳥のように水面下では努力をしている、ただ決してそれを
表に出さない人、とも書いてありました。

東北の人達はいいなぁ、春田さんの料理が食べられて、という人もいるほど、
関東や関西からもシェフの熱烈なファンが食べにくるのだそうです。
渋谷の有名なお店、というのは知っていました。
しかし、ある時その有名店をクローズしてしまって、その後岩手に移り住んだ
というのも随分前にテレビで見ました。

えええ、岩手にいる~!
安比か・・・・遠い、しかもその当時は土、日のみ営業とのことで
よほどのツテがないと無理そうな雰囲気でした。
後で知ったのですが、ご両親の介護を兼ねてこちらに移り住んだそうです。

介護も終わり、今は料理に専念できるので、予約も取りやすくなったのかも。
でも、どちらにしても「シェ・ジャニー」で食事なんて、夢のまた夢。
夢ながら、いつか食べに行けたらいいなぁ・・・と執念深く思い続けていたら
「行かない?」と誘って下さる方がいて「私の車で行こう」と快く引き受けて
下さった方もいて、なんと実現したのです。
思い続けて10年ほどたった頃でした。

遠かった。。。安比。。。ステキだった「シェ・ジャニー」


   

店内です。
この時はランチで5000円コースでした。


   

(キュウリの後ろに見えるパテのようなモノはCAILLETTES。
豚肉、豚足、豚のレバー、ハツ、肺、ふだん草、ほうれん草
タンポポ、イラクサ等で作るパテ、ハンバーグ状にしてから
豚網脂で包んでオーブンで焼く、フランスの料理本では
“野菜”の項目に載ってることもある、料理だそう。)


   


   


   

どれもこれも初めて食べる味ばかり。
3年前のことなのに、今でも味がよみがえります。
でも説明は不可。
とても説明できない、あの奥行き。

私はただただ幸せで、夢のような時間を過ごしました。
帰り際、シェフが挨拶を兼ねてお見送りに来て下さいました。
だいぶお年を召したけど、未だに春田オーラ健在!
「すごい幸せな時間を過ごすことができました。
 ありがとうございます。」
とお礼を言うのが精一杯。(もっと気の利いた言葉はなかったものか・・)

でも、先日の「ピノキオ」の放送の中で
「美味しいって言われるより、幸せって言われるのが嬉しいんだよね」
と、春田さん自身が仰っていました。
そうか、しあわせでよかったんだ。

ちなみに「シェ・ジャニー」のブログもあります。
レシピの紹介もあります。
作るのは・・・私にはムリ・・・でも見ているだけで楽しい。
ちょっと覗いてみて下さいね。
           

http://chezjohnny.blog18.fc2.com/blog-date-20120716.html