「大災害を克服し、未来の建築・都市へ」という講演会に参加してきた。
そこでは多くの専門家の今回の震災に対する見識の広さや行動力に何度も驚かされた。なかでも特に僕にとって印象的だったのは2つある。伊東さんの行動力と日本の将来性についてだ。
まず伊東さんだが、震災の発生直後から被害を受けた自分の代表作でもあるせんだいメディアテークで営業が再開するまで閉じこもって尽力していたそうだ。その後、日本の代表的な建築家である隈さん、妹島さん、山本さん、内藤さんとKISYN(帰心)の会を設立し、建築家同士で話し合いながら被災地で何ができるかを模索している。また被災地の仮設住宅では被災者同士がコミュニケーションをとる場所として不十分だからということで、自ら「みんなの家」という被災者がふと訪れて会話をできる建物を設計した。また東北大の小野田先生が中心となって立ち上げた「アーキエイド」を通して、岩手県釜石市の復興計画にも取り掛かっている。伊東さんの主な震災支援活動を書き出しただけでこれほどにものぼる。僕が本当に驚かされたのは、伊東さんが震災の支援を一人の建築家として何ができるかと真摯に考えたことと、それを実行に移していく行動力だ。
そしてもう一つ強く感銘を受けたのは講演会の最後に一人ひとりから今後の日本や建築、専門家のあり方などのアドバイスの内容だ。というのは、震災を取り扱った記事の内容の多くは「この逆境を乗り越えて、世界に日本のすごさを発信しよう」というのが主だった(少なくとも僕が読んだ記事に関しては)。それに対して、この講演会で出た意見は「日本は人間にするともう50、60歳なのだから、今回の震災はこれからおとずれる終焉を見つめるいいチャンスだ。」「今回の震災で日本の経済構造の問題が明らかになった。でもその問題は解決に向かっていない。」「急激な人口の減少が災害によって突きつけられ、そこで将来の人口収縮した日本を見据えて設計できるチャンス。」といったことが挙げられた。これは以前の、ここから立ち直ればまた高度経済成長のような日本が復活するかもしれないという淡い幻想をいとも簡単に打ち崩した。もういくら頑張っても高度経済成長期のような、若々しいエネルギーの満ちた日本にはならないことが今回参加したパネリストの共通の認識だったようにさえ思えた。
今回の講演会では伊東さんをはじめとする各分野の専門家の震災に対する意識の高さと、僕の震災当事者として何かしようという意識の低さが浮き彫りになった。また日本のこれからどのような変化を遂げていくのかという予測も聴くことができた。これからは震災に対してできることを探りつつ、日本の将来を見守っていきたい。
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そこでは多くの専門家の今回の震災に対する見識の広さや行動力に何度も驚かされた。なかでも特に僕にとって印象的だったのは2つある。伊東さんの行動力と日本の将来性についてだ。
まず伊東さんだが、震災の発生直後から被害を受けた自分の代表作でもあるせんだいメディアテークで営業が再開するまで閉じこもって尽力していたそうだ。その後、日本の代表的な建築家である隈さん、妹島さん、山本さん、内藤さんとKISYN(帰心)の会を設立し、建築家同士で話し合いながら被災地で何ができるかを模索している。また被災地の仮設住宅では被災者同士がコミュニケーションをとる場所として不十分だからということで、自ら「みんなの家」という被災者がふと訪れて会話をできる建物を設計した。また東北大の小野田先生が中心となって立ち上げた「アーキエイド」を通して、岩手県釜石市の復興計画にも取り掛かっている。伊東さんの主な震災支援活動を書き出しただけでこれほどにものぼる。僕が本当に驚かされたのは、伊東さんが震災の支援を一人の建築家として何ができるかと真摯に考えたことと、それを実行に移していく行動力だ。
そしてもう一つ強く感銘を受けたのは講演会の最後に一人ひとりから今後の日本や建築、専門家のあり方などのアドバイスの内容だ。というのは、震災を取り扱った記事の内容の多くは「この逆境を乗り越えて、世界に日本のすごさを発信しよう」というのが主だった(少なくとも僕が読んだ記事に関しては)。それに対して、この講演会で出た意見は「日本は人間にするともう50、60歳なのだから、今回の震災はこれからおとずれる終焉を見つめるいいチャンスだ。」「今回の震災で日本の経済構造の問題が明らかになった。でもその問題は解決に向かっていない。」「急激な人口の減少が災害によって突きつけられ、そこで将来の人口収縮した日本を見据えて設計できるチャンス。」といったことが挙げられた。これは以前の、ここから立ち直ればまた高度経済成長のような日本が復活するかもしれないという淡い幻想をいとも簡単に打ち崩した。もういくら頑張っても高度経済成長期のような、若々しいエネルギーの満ちた日本にはならないことが今回参加したパネリストの共通の認識だったようにさえ思えた。
今回の講演会では伊東さんをはじめとする各分野の専門家の震災に対する意識の高さと、僕の震災当事者として何かしようという意識の低さが浮き彫りになった。また日本のこれからどのような変化を遂げていくのかという予測も聴くことができた。これからは震災に対してできることを探りつつ、日本の将来を見守っていきたい。
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