☆三等星☆

~小ネタと妄想と切ない気持ち~


ごゆるりとしていってください。

「servant」

2007年04月16日 20時24分33秒 | 優しい時・切ない時
高1の夏にフィリピンにホームステイをしました。

ホストファミリーは、大邸宅に住む大金持ち。

ガレージには何台もベンツが並び、

家族はみな高級ブランドで身を固めていました。

家のことは、"servant"と呼ばれる

数十人のお手伝いさんがやってくれます。


閑話休題。

フィリピンの食パンは、ちょっと甘いんです。

僕は、朝食に食べるそのトーストが好きでした。

1枚を食べ終わると、お手伝いさんが追加を持ってきてくれます。

"Thank you."を言って、ひとかじり。

やっぱり美味しい。


ある朝も、いつもと同じように、

お手伝いさんがトーストを持ってきてくれました。

僕はそれを受け取り、食べます。


その時、気づいたのは、

やっぱりちょっと甘いトーストの味と、

当然のようにお礼を言わなかった僕。


ホストファミリーは良い方たちでしたが、

"servant"のことは常に無視していました。

彼らが"servant"に話しかけるのは、

命令を下す時だけです。

いつのまにか、僕にとっても

それが当たり前になっていたんです。


人を見下すことが当たり前の世界で、

すべての悦びは自己愛へ接続します。


主人と召使:命令するものと服従するもの。

人と人:君の笑顔が支えるものと僕の笑顔が支えるもの。