「さなぎの食堂」へようこそ!

食券一枚で三食、現金300円から暖かい食事の出来る食堂です。からだに優しい「日替わり健康定食」をお楽しみ下さい。

ナラさん、ありがとう!  「さなぎの食堂」店長・岡野慶光

2012-03-04 11:23:46 | Weblog
 
*新店長・岡野慶光が新しい店長として4月より、「さなぎの食堂」を支えています。(彼は調理師免許も取りました)この10年間に寿町も、食堂も大きく変貌したけれど、「目の前にいるお腹が空いている人に暖かいご飯を食べてほしい!」という開店時の原点をしっかりと見据え、これからも皆さんに愛される場所であり続けたいスタッフ一同心を引き締めて頑張っていく覚悟です。よろしくお願いします


ナラさん、ありがとう!      
さなぎの食堂には、5~6年みんなと一緒に働いたNさんというスタッフがいた。
広島出身で年齢は60過ぎ、少しすきっ歯で体格はよく声は低く、お酒はダメだが煙
草を好み、持病があるのにつまみ食いが好きだった。
一見ぶっきらぼうのようだが面倒見がよく、初めてのスタッフやボランティアさんにも
いつも丁寧に接し教えてくれていた。仕事に対しても真面目で考えてくれていて、衝
突したりご指摘いただくことも多かった。休みのときは切りものなど、自分の利益度外視で手
伝ってくれた。話をするのも好きだった。3畳のドヤでの生活はなかなか合う人もいないのだろ
う、話をしている姿はほんとに楽しそうでいい笑顔をしていた。ときどき食堂に忘れた腕
時計や携帯電話を取りにくる、そんな姿が人間臭くて好きだなぁと思っていた。
 そんなNさんが昨年12月の半ばに亡くなった。
引いた風邪が悪化し、肺に水が溜まっていた。
全身が浮腫んでしまい、1週間に7kgも体重が増えたという。
じつは、その前日は閉店後にミーティングがあった。
体調が悪く、息をするのも苦しいのにNさんはそれでも参加してくれた。
食堂がいろいろゴタゴタしていたときで
「和を大事にしようよ。」と言ってくれた、その晩に空へ旅立ってしまった。
急すぎて何が何だか分からなかった。
これからってときだったのに。
もっといろいろ話したかったのに。
もっといろいろ教わりたかったのに。
「ジュニアそれはなぁ・・・」てもっと叱って欲しかったのに。
みんなで最後の面会に行ったら木の箱の中の表情はとても穏やかだった。
結局どんな風にして寿町に来たかは聞けずじまいだった。
でもこれだけは分かる、Nさんはさなぎの食堂が好きでわりと楽しんで
やってくれていたってことが。

この春から食堂は新しい体制・スタッフになり、また新しい事業を
展開してゆくことになる。
小さいミスをして「あぁっ!」って声を上げるたびに、
「何をやってるんだよ(笑)」って言っているNさんの声がよく聞こえる。
彼の姿を見ていた僕は、
「がんばりますから!」って、
「安心して見守っていてください」って言うしかないのだ。

Nさんの写真はいつまでも食堂に飾ってある。
彼の想いを胸に、みんなでこの温かい食堂を続けていきたいとおもう。



さなぎの食堂を退職するにあたり、皆様に感謝申し上げます 土谷伊麻里

2012-03-03 19:53:20 | Weblog
 *「さなぎ達(さなぎの食堂)を退職するにあたり、皆様に感謝申し上げます」*

2002年の「越冬プロジェクト」に、ちょっとした好奇心から初めて寿町に足を踏み入れ、「さなぎの食堂」の店長として、気がつけば10年近くも経ってしまいました。
「目の前にいるお腹が空いた人に、屋根の下で暖かい食事をしてもらいたい!」から始まった「さなぎの食堂」でしたが、{ローソンと提携してのもったいない運動}{おかげさま宅配弁当(寄付金つき弁当)}{減塩食弁当}{生活就労支援のJUMP}、など様々な事業を展開してきて、(多少の課題はありますが)現在ではスタッフも、メニューの内容も充実してきたと自負しております。

食堂での体験を通して、実に多くの思いを抱いてきましたが、振り返るとやはり人との「出会いと別れ」が非常に印象深く、心に残っていることに気がつきました。お客様、ボランティアの方、スタッフ、寿町に何かを探しに来た人、生きがいを見つけて留まる人、ここにいるしかない人、亡くなった人たち・・・。多くの方の人生の一部を垣間見ることができ、ここだからこそ味わえた貴重な経験をさせていただいたと感謝しています。これらの経験は、今後の私の柱となると思います。
最後に、これまで活動を継続してこられたのは皆様のお力添えがあったからだと実感しております。
心より御礼申し上げます。ありがとうございました。今後も引き続き、さなぎ達へのご指導・ご支援をよろしくお願いいたします。

土谷伊麻里「NPO法人さなぎ達理事/さなぎの食堂シェフ・店長」



「さなぎの食堂」で25歳から10年間働いてくれた、土谷シェフ/店長が2012年3月末をもって退職することになりました。
「カレーライスと豚汁」のメニューからスタートしたこのささやかな食堂を,文字通り粉骨砕身で育ててくれた土谷シェフに感謝し、彼の新しい人生のスタートを,残されたスタッフ一同、大きな拍手で祝福したいと思います。
土谷は、「寿町の人にとって、ここでの食事が最後の晩餐になるかもしれない。だから、いつでも心をこめて調理するんだ」と言っていました。寿町の片隅にある、私達の「さなぎの食堂」はこの土谷スピリットを守り続けて頑張っていく覚悟です。土谷さん、新しい職場でも、頑張って!!!




「さなぎの食堂」は、さなぎ達 の5本の柱の内の「食」と「職」の面に重点を置いています。路上生活者に暖かい食事を食べてもらおうという趣旨で2002年から始まりました。三回の食事を提供し、テーブルで椅子に座って食事をすることができます。もちろん一般のお客様も大歓迎です!

 さなぎの食堂の目的は大きく分けて三つあります。
   *暖かい食事の提供
冷たい食事しか食べられない路上生活者や生活に生きづらさを抱えている人々に暖かい食事を三食提供する。
   *寿町地区および周辺地域の生きづらさを抱えている人々に就労機会の提供
不況の影響で、就労機会は減少しています。本食堂の従業員として、寿地区生活者やその周辺地域の生きづらさを抱えている人々を対象に雇用することにより、雇用機会を創出します。またジョブトレーニングの場としても機能しています。
   *寿町地区生活者の「元気度チェック」
食堂のスタッフが、利用者に声をかけていくことにより、寿地区生活者の健康状態、精神状態をチェックし、必要ならば医療機関との連携をとり対処します。とくに、こうして顔なじみになることにより、役所の手の届かない人々に様々なサービスを提供しています。

営業時間は下記のようになっております。  
 10時~14時
 15時半~18時 
 (14時~15時半 休憩、仕込み時間)


さまざまな方達がここ「さなぎの食堂」で顔を合わせ、同じテーブルで同じ食事をする・・・寿町という大きな家族やそこに集う仲間達の居場所でありたい、と願っています。今後ともみなさまのご協力とご支援をお願い申し上げます。

住所 横浜市中区寿町2-7-7 神崎ビル一階
電話 045-228-1055(さなぎ達事務局)
e-mail:sanagitachi@nifty.com
Blog:http://blog.goo.ne.jp/sanagikitchen/


【寄付先】
2012年2月1日より、「さなぎの食堂」で使用します「お米・野菜等」の食材購入専用寄付口座を開設致しました。
口座名称: さなぎの食堂
口座記号番号:00200-1-116876


 お米、味噌、醤油、だしの素、卵、野菜、調味料、カレールーなどのご寄付も大歓迎!!!です。

 どうぞ、ゆっくり座って召し上がって下さい。