「さなぎ達通信」21号(12月発行」よりさなぎ達理事長 山中 修(ポーラのクリニック院長)の巻頭ごあいさつを転載致します。
『さなぎたち通信』に「宗教と政治の話題は書かない!」とこれまで固く決心を守って参りましたが、今回は流行語大賞“政権交代”に免じてもらっての例外です。
▽思い返す低コスト時代
平成21年10月26日の鳩山総理大臣の所信演説から、「 」をひろいあげてみました。
「居場所と出番」「弱者のために」「もっとも大切なこと」「支え合って生きていく」「きずな」「あのおじいさんは一見偏屈そうだけど、ボランティアになると笑顔がすてきなんだ」「架け橋」「無血の平成維新」、
他にもありますが、10年前、「さなぎ達」を興そうともくろんでいたころに、当時のプレハブのゴキブリが行き交う小部屋(当時“サロン”と呼んでいた)で飛び交っていKEYWORDがそのまま再現されているではありませんか!
当時は、サロン(居場所)も他の団体から拝借しつつ、食するものといえば、路上の人たちと食べるカレーライスの材料だけ調達(実は路上の人たちが自主的にパン券で買ってた)すればよく、歌の本や楽器を持ち合うだけの、低コスト(実質ゼロ円)の運営でした。
思い返せば、「さなぎ達」活動をするのに、一番無責任で楽しかったのは、この頃、つまり「さなぎ達」を創る前だったのかもしれません。お金のことなど考えずに、「友愛?」などとほざいておればOKでした。
▽寿はミニチュア日本
苦労の始まりは、NPO設立後、ナントカして「木パトのおにぎりの原資を考える」、「ご寄付品の倉庫にかかる賃料」「認知度を上げる」、「さなぎの家」 「事務所の家賃、光熱費を調達する」、「さなぎの食堂の経営を考える」、「ホームレス問題の実態を知ってもらう」、「孤独死の対策」、「若い社員二人の給料、印刷料、通信費、コンピューター購入費の工面」
などなど、貧乏NPOの運営にもたくさん経費がかかり、苦労の連続です。当然、理事長や理事職の給与は無給、さなぎには天下り職はありません。
それどころか、理事および理事長の「さなぎ達」に関する講演費は全て「さなぎ達」へ寄付。「仕分け」されるような優先順位がつけられないまま、「衣医食職住」に直結した事業を展開しつづけています。
「さなぎ達」では「バブル崩壊後の10年先の日本を見つめて」、寿町をミニチュア日本社会と見立てて、みなさんへ「共存・共遊」のメッセージを伝える活動も行って参りました。今年開港150周年を迎えた横浜では、かつて大阪世界陸上開催時に報道されたようなホームレス排除の強制執行などの社会問題は発生しませんでした。
むしろ、食堂や結核・貧困・ゴミ捨て・孤独死対策等が評価され、横浜市との協同事業が報道対象になりました。おかげさまで、最近では活動の発表の機会が多くなり、先見性ある大学や企業からのお客様が大勢お見えになります。
しかしながら、フィールドで多忙を極める社員2人では対応不足になってしまっていす。
▽さなぎ達は答えを持っています
2010年は「さなぎ達」10周年になります。
「友愛」のつもりで活動していたわけではありませんが、間違いなく言えるのは、鳩山さんのイメージを実現化するには、コストがかかる!ってことです。
未熟な耳心地よいマニフェストを実現化するため、思いっきり「仕分け事業」行われています。天下りや八ッ場ダムと同じように、“ヤット身体に合った”漢方薬まで切られようとしています。
「さなぎ達」で学習したことは、「友愛」はタダではない……コスト。
一人一人のおじさんに分配すれば酒かタバコに消えて行きかねませんが、「さなぎ達」にまとめて配ってくれれば、同じ額でも生きたお金として使うことはお約束できます。
一人一人の「子供手当」よりも、子供が親を殺さないような社会作りが必要、 その答えは「さなぎ達」が持っています。
どうか、どうか、みなさまのご支援をなにとぞ引き続きお願い申し上げます。