ブックエンド

活字中毒で乱読の毎日。
記憶から過ぎ去ってしまいそうな本を
記録しておくことにしました。

銀の匙

2011-06-13 20:13:59 | 児童文学・絵本
灘高(灘中かも)の伝説の授業で取り上げられたなんだそうな。
 古くは夏目漱石が激賞した。岩波文庫の最高の一冊にも選ばれていたかも。
 本当にきれいな作品だ。
 内向的で、自尊心は強い男の子の壊れそうな自我が、素朴な叔母の愛情にくるまれて、繊細に話は綴られる。
 明治期の神田。家具調度品が雅な雰囲気も添えている。

 しかし、これは自尊心の高さと現実に怯えたりそれなりに立ち向かったりと言う、ちょっとみそっかすな男の子の話でもある。
 灘中の男の子に読ませるにはちょっともったいない。猫に小判?。
 大好きな作品だから、余計なブランドつけないで。