ブックエンド

活字中毒で乱読の毎日。
記憶から過ぎ去ってしまいそうな本を
記録しておくことにしました。

サラリーマンのロマン

2008-02-01 04:43:48 | 文学(経済小説)
 私の場合はサラリーウーマンですが。
 ひとつ前の職場では広報担当だった。で、とにかく中の人間とはケンカばかりしていたし、それでいいと決め込んでいた。外の人にいい顔を向けるのが広報の仕事なんだから、中の人間に気を遣って外部の人に誤解されたら本末転倒だと思っていた。まあ、評価もされなかったけどさ。
 ただ、そのスタンスで間違ってなかったと自信をもらえたのが、今日読んだ本。『日本企業の表と裏』 高杉良・佐高信 角川書店 「広報マンに求められる視点」として、「社員であることを忘れろ」と。広報は、主に記者を相手にするが、外部からの視点で質問されたときに、会社の内部からの視点で受け答えしても、それは答えにならないと。
 そうそう私もそう思ってたからよ、と頭のなかで膝を叩いた。
 この本ではトップの在り方などが論じられていたりで、まあヒラの自分には関係ないかもとま思うけれど。
 仕事に自分なりのルールやオリジナルの格好良さを追求してしまう人には面白い本だと。ちょっと闘志が湧いてきます。

孤独に強い人

2008-01-30 00:06:39 | 文学(経済小説)
あまり利益至上主義でガツガツした会社に勤めているわけではない。
だからハードな世の中に対して「自分はなんかわかってないんじゃないのか?」
と危機感をもった。
「よその会社はどうなってるんだろう?」という好奇心から
一時期、城山三郎・高杉良の作品をよく読んだ。

その流れで、今日読んだ一冊。
『城山三郎の遺志』

前大分県知事の平松守彦氏の城山評の中、

『官僚たちの夏』のモデルとされる佐橋滋氏について、
「決して部下を酒に誘わなかったが、部下から誘われて断ったことはない」
孤独に強い人だった、と語っていた。

本書は城山氏を敬愛していた佐高信氏の編。
佐高氏の発言で、「日本の男は最初会社と結婚し、その後結婚するので
日本の結婚はある意味2号」
というのがあった。

確かに。私は女性だけど晩婚のせいか夫の存在が二の次っぽい。

会社では肩書きも収入も一応もらえる、ある意味手軽な社交もできる。
でも、安易に流れず。

仕事は給料もらって自分を磨ける貴重な財産。
評価されなくても、左遷であっても一応誠実に仕事はしようと思ってきた。
でも、会社評とか人脈には興味ない。
そういう話になるなら会社の中での付き合いも控えようと思ってしまう。

同じ会社だから共通の話題はそこになるのは仕方ないのかもしれないけど。
今は「仕事はどうでもいい」けど会社の話をする人よりは、
「仕事も会社も気になる」人の方が親しみを感じる。
そういうのは負け組ということになるのかなあ?

と、惑っていたら城山氏の温かくて前向きな言葉があってほっとした。

「仕事はいくら会社でのめりこんだっていい。みんなが個人に戻れるとか、ひとりひとりの人間に戻れるようにしないとね」

この言葉には、
手近な付き合いと話題だけでなく、自分を掘り下げていく時間も必要と励ましてもらえた。