ブックエンド

活字中毒で乱読の毎日。
記憶から過ぎ去ってしまいそうな本を
記録しておくことにしました。

ヨーロッパの穴場

2008-02-16 23:53:37 | 海外事情
東西ヨーロッパ、バルカン半島までを股にかけて観測を続けるジャーナリスト、熊谷徹氏の本。
『寄り道しなきゃわからないヨーロッパ』2003.6.20版、新潮社
 ガイドブックよりは各国の事情に踏み込み、事情書よりは料理やレジャー情報に詳しいという、楽しい本。
ヨーロッパで暮らしている生活者、そしてミュンヘンを始点にした旅行者として気付いたことを、ジャーナリストらしく、「なぜそうなっているのか」という取材で掘り下げていくプロセスが臨場感を与える。
難は、こんな旅行は語学力やスケジュール上、とてもムリなのに、羨ましさを掻き立てられてしまうところくらいかな。

ドイツレポート

2008-02-07 23:53:10 | 海外事情
元NHK記者だったという熊谷徹氏のドイツについてのコラムをよく読む。
今日は『新生ドイツの挑戦』 熊谷徹 丸善ライブラリー、H5年7月初版
を読んだ。(読みかけだけど)

結構通勤の合間に読めてしまう。
なぜかと考えてみた。
やはり、テレビ局の記者だった著者の経歴のせいか、
ドキュメンタリーのナレーションのような書き口。
ただ、ドイツ在住ジャーナリストとして、ドイツ社会への
問題意識は揺るがず、芯のあるところが伝わってくる。

それでいてデータに踊らされることなく、現実の事件や人を
丁寧に追っていく。
ビジュアルでもイメージしやすく、分かりやすいドイツ本だと思う。
ドイツの歴史・社会を概観したい時に向いている本だと思う。

スウェーデン

2008-02-06 23:59:42 | 海外事情
というと、アストリッド・リンドグレーンの「ピッピ」や「カッレくん」などが浮かぶ。
『スウェーデンの歳月』1995年初版、共同通信社  の著者、小野寺百合子氏についても、その翻訳者としてしか知らなかった。
 実は彼女は、外交官(陸軍駐在武官)夫人としてストックホルムに暮らしていたのだった。
 本書はその思い出を綴ったもの。そう書くと「上流マダムの手すさび」のようだけれど、任国への深い愛情と理解、上品な教養が随所に伝わってくる。

 彼女の祖父は陸軍教育総監などを歴任した人。
 戦前のインテリ層令嬢→夫人という道を辿った女性の形成過程がうかがえる。
 知的好奇心にあふれ、任国を理解し楽しみたいという共感性溢れる姿勢が、
今の外交官夫人族に受け継がれていますように。

 また、軽い読み物としても、料理のヴァイキング形式についての由来や
日本の「カニ」のようにザリガニ料理が親しまれているコラムなど
楽しめる一冊。