ブックエンド

活字中毒で乱読の毎日。
記憶から過ぎ去ってしまいそうな本を
記録しておくことにしました。

知らずに他人を傷つける人たち

2008-06-28 23:56:19 | 心理・社会
香山リカ著 2007.2.15初版 KKベストセラーズ

本書のメインテーマは、歪んだ自己愛から起こるモラル・ハラスメントへの分析と処方箋。

どれもそれなりに納得できる例だったけれど、一番ツボだったのは「30代うつ」
プライベートやレジャーでは元気なのに、仕事ではうつ症状をみせる30代が見受けられるとのこと。
確かに燃え尽き型より本人起因型の欝が身近にも多いような気がする。
自覚を促すにはどうするのかしら。

政治家はバカかりこうか?

2008-06-23 23:13:05 | 文学(友情・親友)
今、返却しなければいけないから必死に読んでいるのが、『歴史としてのドイツ統一ー指導者たちはどう動いたか』高橋進著 1999.11.18初版、岩波書店

ドイツ統一は冷戦崩壊と同時進行で進んだため、当事者の東西ドイツだけではなく、米英仏ソの思惑も絡まって、沢山の深謀遠慮が繰り広げられた。
結構、本書ではコールとサッチャーは単純な人物像に描かれているが、それでも彼らの見通しも一面では深い。

政治家は普段揶揄される存在だから、どんな戦略があるかなど読めないし、読めても困る。
ホントにバカなひともいるのかもしれないけど、バカにされるくらいが、周りに手の内をバラさないいい加減なんだろう。

それにしても、20年近く経ったんだ。

夕凪の街桜の国

2008-06-18 00:05:56 | 文学(友情・親友)
もう、改めて書くのも今更、というほどメジャーになったけれど。
とてもとても美しい話。過去と現在と未来をさりげなく温かく包み込んで、希望を湧かせる。
編集者は、この作品を1年待ったとのこと。
涙を流して読んだ後、作者に「あんた天才だよ」と言ったという。
大げさな誉め言葉ではないと実感できるはず。

自家中毒

2008-06-15 23:57:37 | 心理・社会
 宮部みゆき 『名もなき毒』 2006.8.25初版 幻冬社

  『理由』
  『火車』

  この作品でもそうだったけれど、
  上昇志向が強く、嫉妬や空虚感を抑え込めなくなって暴走した犯罪者。
  より納得できる理由を求めて、主人公が犯罪者の足取りを追っていく。

  この書き込み方がとても丁寧。
 
 宮部みゆきという作家は探究心が旺盛でピュアな、優しい人だと思う。

 ピュアだからこそ、実際の汚い犯罪に出くわしたときに、自分なりの落としどころを
 見つけたくて丹念に書き込んでいくのだろう。

 現代社会との追いかけっこに疲れた犯罪者。

 こうした犯人と事件を描いてなお、読後感が爽やかなのは宮部みゆきがピカイチだと思う。

作家になる前、最高裁の判例集を読み漁っていたともいう。


温かい経済論

2008-06-15 00:09:33 | 文学(友情・親友)
 経済学の本とは言い難いのかもしれない。
ただ、先に希望が見えてくる本。
 「もう一つの日本は可能だ」 内橋克人 2003.5.25初版、光文社。
人を切り捨てるのではなく、活かす視点ですべてが論じられているのが前向きな気分になれる。
オランダのワークシェアリング、デンマークの風力発電など、海外の例も幅広い。
食料自給率や今後の農業の話も、「まだ何か方法はある」、と思いました。

チャーリー・ブラウンの名言

2008-06-12 00:28:32 | 文学(友情・親友)
「安心感って、どんなものだと思う、チャック?」と、ペパーミントパティに聞かれたチャーリー・ブラウンの答え。
「安心感は、車の後ろの席で眠ることだよ」
続けて、「きみは何も心配しなくていい…前の席にはママとパパがいて、心配事は全部引き受けてくれる…
何から何まで面倒見てくれる…」

こどもの時は無条件にこう思えるのが当たり前なはず。
作者のシュルツさんはいい子ども時代を送れたんだろうな

メアリ・インガルスという女性

2008-06-04 08:37:14 | 児童文学・絵本
『大草原の小さな家』シリーズの著者、ローラ・インガルスのお姉さん。
 金髪で優等生の美少女というように物語中では語られている。
14才のとき、高熱で失明した彼女。自身でもかなりの葛藤や挫折、諦めを昇華せざるを得なかったはずなのだけれど、彼女の残した詩は穏やかで優しく、繊細な言葉にあふれている。
改めて彼女の才能をもっと知りたかった。