ブックエンド

活字中毒で乱読の毎日。
記憶から過ぎ去ってしまいそうな本を
記録しておくことにしました。

今日借りた本

2011-05-05 21:27:28 | 読書あれこれ
格差社会の実態や分析については諸説色々。
 湯浅氏は、わりと取っつき易い論理構成だったので借りてみた。
 「団地の時代」は、自分が団地にわりとポジティブな印象を持ってるとから、団地のノスタルジーに浸ろうと思ったのと、原武史氏の「滝山コミューン1974の対をなすような本と知ったので。

 著者の原氏の経歴は、なんかあんまり好きになれないけど、重松氏はわりと好きだし。
 無縁社会の正体、は格差論の延長の興味。
 同潤会大塚女子アパートメントが語る、も住宅ノスタルジーから。
スージー.クーパーと、イギリス・ティーハウスを巡る旅。 これは単にイギリスティータイムの雰囲気に浸りたくて借りた。
 さて、読みきれるか。

今日返す本

2011-05-04 12:39:43 | 読書あれこれ
全部読み切ってないけど。
 
一番面白かったのは、川本三郎の、「ミステリと東京」。 これは自分でも意外。 でも、ミステリの舞台を街観察として切り取って見せるのが読ませる。
 そして視点は、ちょっとはぐれたところから、でも拗ねもせず温かい。
 先日書いた「滝山コミューン1974」の著者、原武史氏は、東大の恩師から、川本氏に似たものがあると言われたそうだ。
 似たものがないわけではない。
 原氏の本は面白い。納得もする。
 だけど、共感はしない。
 こいつ何かイヤな奴だなあと感じる。
 川本氏の方は納得も共感もする。
 お、これ、原氏と川本氏の比較評論になるかも。
 少し整理してみよう。

演劇の力

2008-02-10 23:21:31 | 読書あれこれ
 前に、生徒指導困難校といわれる高校の教員だった人と一緒に仕事をしたことがある。
 
その人が言うには、「子どもたちに自信を持たせるのに、演劇はすごく効果があった」とのこと。
自分とは違う役割をこなすということで、確実に達成感を味わえるとのこと。 そういえば、子どもの本にも、登場人物がお芝居をするシーンがよくある。そんな中でピンときた本。
 
 『アンの幸福』モンゴメリ・村岡花子訳。S33.2.28初版、H3.5.15 78刷

 アンが中学の校長として赴任した先でのエピソードを綴った一作。
 生徒の一人、「粗末な、野暮な、黒っぽいサージの服に不恰好な外套を着て、みすぼらしい帽子をかぶった」ソフィ・シンクレア。
 貧乏で演劇クラブに入れず泣いている彼女の言葉。
「あたし、もとからメアリー女王が大好きだったんです。
 その名前を聞いただけで指の先までぞくぞくと身震いするほどなの。
 メアリー女王がダンレイを殺したことに関係があるなんて信じないわ、
 この先だって信じやあしないわ。
 ちょっとの間だけでも、自分がメアリー女王だと思えたら、すてきだったのに」
 
 教員アンの眼力と指導力で、ソフィは巡ってきた代演のチャンスをものにし、アメリカ屈指の女優になるスタートを切る、というひとこまが折り込まれている。アン・ブックス版北島マヤみたいですがすがしい。

 多分、演劇にはシンデレラストーリーが多かれ少なかれ含まれていて、そこが病み付きになるのかもしれない。
 成功・変身のふたつの欲求をかなえる演劇は、たしかに自意識が強くなる思春期には
大切な昇華作用を果たしてくれそうな気がした。

歴史小説など

2008-02-05 23:58:03 | 読書あれこれ
 皆川博子『総統の子ら』集英社 2003年10月初版、読了。
どれも必要な章だと思うのだけれど、読後感は「長い」。官能的な部分、歴史背景、戦闘場面。どれもがかなりの存在感で迫ってくるので、少々疲れる。
 最終章でぐっと引き締めたという感じ。
 この本は再読したいか判断に迷う本になりそう。

今日もザッピング読書

2008-02-03 23:46:36 | 読書あれこれ
雪の1日、たまった本を一気に読もうとするもあまり進まず。
その気になれば、すぐ読めるのに面倒で借りっ放しになっていた、『棄霊島』上・下巻にとりかかり中。でも、この舞台の1つ、『軍艦島』近代集合住宅の墓場そのものみたいね。同潤会のアパートももうほとんど現存しない今、ちょっと行ってみたくなった。昔の、「ちょっとモダン・ハイカラ」な暮らしをのぞいてみたい。
 あとは皆川博子『総統の子等』始めの70ページほど。この著者の作風なのか、少々幻奇的、官能的な場面が多い分読み触りが悪いようにも思う。何とかドイツ史愛好家のプライドで読み切りたい。