ハチメンドウ

面倒なこと、楽しいこと。

その作品にいくら払った?

2015年05月06日 | Weblog

 

  あなたが「もっと評価されるべき」と思っている作品を思い浮かべて欲しい。いくつでもいい。

……さて、それではこの記事のタイトルを読んで欲しい。覚えていないなら正確に答えてくれなくてもいい。関連商品があるなら、それを入れてくれて構わない。

いかがだろうか。それがあなたにとっての、その「作品の価値」だ。もし、その作品に何ら投資をしていないのなら、「そりゃそうだわ」としか言いようがない。

 もちろん、反論の余地はいくらでもある。作品の価値、評価は、金銭だけで語れるものではない。だが、作り手にとって「売り上げ」は優先事項だ。作品が一部でいくら評価されようと、作り手にとって腹の足しにはならない。そんなコンテンツを趣味でもないのに続けるのは自殺行為でしかない。

 俺はいつも疑問に思う。ジャンプで打ち切られた作品で、度々「面白かったのに」と話題に挙がる作品は珍しくない。しかし、彼らはアンケートを送ったのだろうか、コミックスを買ったのだろうか。

 「財布が~」、「システムが~」、理由はいくらでも思いつく。物事には人それぞれ「価値を感じるもの」と「価値を感じないもの」がある。だからといって、全ての「価値を感じるもの」に金を払える余裕がある人は多くないし、場合によっては「価値を感じないもの」にすらお金を払わなければいけないときがある。

 でも、あなたにとってそれは「価値は感じるけれど、お金を払う気は感じない作品」だということは覚えていてほしい。そして、それはあなただけではない。価値を感じる人間すらお金を払わないのだから、興行的に成功するわけがない。

 もちろん、資産的価値が全てではない。自身が「お金を払いたい」と思うものに払えばいい。その中にあなたが思い浮かべた作品は含まれていない、というだけだ。そこに矛盾はない。

 でも、「資産的価値のなさ」を自身で証明してしまっているのに、「成功しなかった」、「評価されるべき」と嘆くのは滑稽でしかない。その作品が成功し、継続されるにはどうすればいいか、多くの人は分かっているのに、行動に移す人は多くない。