酒屋三代目 ~明日はどっちだ?~

今や酒屋低迷時代。しかも繁栄か衰退かの境目と言われる「三代目」。それが私……?
――さぁ、精一杯あがいて行こう!

無濾過麦焼酎 月心(老松酒造)

2006年05月28日 16時40分18秒 | 焼酎
老松酒造さんが、地域ごとに限定した酒屋さんのみに卸している焼酎。
大変こだわりの造りで、内容は以下のようになっています。

普通の麦焼酎が「原料(麦・麦麹)」となっているのに対し、
月心は「原料(麦麹)」のみの全量麦麹焼酎。
麹は黒麹が使われ、減圧蒸留。
中留(※1)のみを贅沢に使用し、無濾過(※2)のまま瓶詰。

造りの説明を読んだだけでも、異質さを感じるほどのこだわった造り。
実際に飲んでみると、改めてその豊かな個性が感じられます。
まず減圧らしいフルーティーな香りがしながら、
黒麹由来なのか麦の香りなのか、減圧特有の軽さがない、本格的な趣。
味わいは少し辛さが際だつも、それにまして旨み・コクがあり、
本当に減圧か?と、疑いたくなる重厚さ。
あるグルメ誌のブラインドテイスティングで4位をとったのも、
まず間違いなくこの焼酎の実力だからなのでしょう。

あっさり爽快タイプの麦焼酎が多い中、
その味わいに飽きていたら、是非一度この「月心」を。
個人的にはこの「月心」を長期貯蔵したものも出して欲しいなぁ、と。
どこか荒々しさを感じるこの焼酎の、大人になった姿も見てみたいので。

後、気になっているのが、木札に書いてある句。
 もの云わず 心つらぬく 月あかり
「月あかり」が季語に当たるので、そのまま俳句なのでしょうけど、
個人的には飲んだ人が想いの七語を連ねて、
短歌として完成させるというのも面白い飲み方かな~と。

あ、「月心」へリンクを張っておきます。参考にでも。

(※1)
焼酎の蒸留の際、初めに出てくる20%ぐらいが「初留」。(初留のみが初留取り)
次が中留で全体の60%。(中留のみが中取り)
最後に後留で20%。
初留は特別な成分も含まれ、華やいだ香りが強く、
中留はその焼酎の本質部分。
後留は雑味がはいることもあるため、使われないこともあります。

(※2)
フーゼル油など微量の原料成分が混じるので、
普通は濾過をして取り除くのですが、
濾過をすると少なからず旨み・香りが損なわれてしまいます。
そこで上質で丁寧な造りの焼酎が、無濾過のまま瓶詰めされ、
原料の旨みがストレートに表現された”うまい”焼酎として人気を博しています。

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