足立君江 写真ライフ

ー東京の街・安曇野・カンボジア撮影記ー

   

写真集を作ること

2020年02月09日 | 出版写真集
先日、写真集を作った3人の写真家のシンポジウムが開かれた。

私もその中の一人だったが、写真は撮りっぱなしにしてはいけない。
特に私は内戦後のカンボジアに入り、復興がままならない国の様子を何年も見て感じてきた。
安曇野では2冊、カンボジアは「里の民」で3冊目の写真集ができた。

今、写真展をして写真集を作る写真家が増えている。
売れっ子の写真家は写真展の時に、全部売り切れるという。
ある人は300冊しか作らないという。
300冊は黙っていても売れる数だが、1000部となるとちょっと大変です。
私の場合は、早い段階でテーマがきまり、「この事実を多くの方に知ってほしい」「何のために写真を撮るのか」を考えさせられた時期があり、そのことで写真を撮ることの神髄に触れた気がする。
「カンボジアはたらく子どもたち」の写真集は2刷りが出て、図書館協会の選定図書に選ばれた。
2冊目、3冊目が同じようになるかというと、全く違っていて最後の写真集は500部にしたが、まだ売り切ることはできない。
でも写真集にすることによって、膨大な量の勉強をさせてもらった。
何のために写真集にするのかを自分の中に確立しなければならない。
こういう写真集にしたいというコンセプトに沿って、
①写真をセレクトするー②編集をするー③文章を書くー④デザインをするー⑤出版社は、出版費用はどうするー
読んでくれる人はどう言う階層の人かー売れればどうでもよいかー売るためには友人やら親戚まで。
一言で写真のセレクトと言っても、第3者の意見を聞くー編集も慣れている人に見てもらうー文章はどうするか。

でも今回は「写真とはなにか、写真で何をしたいのか」が中心に話し合われた。
記録として残しておきたい人は、それは写真集になればすべての写真が記録である。
何を調べるにも決して自分の力だけでは狭い範囲なので、関連する人に聞いて疑問やら訳を調査しなければならない。
関連する本や、そもそもこの歴史はとなる。

   
 この写真集は「笹本恒子写真賞」を受賞した後に出版。  「安曇野歩歩記」は、田園を歩き農家の人との交流を写真集にしたもの。

たまたま、その場にいて感想をいただいた英伸三先生からは、カンボジアよりも「安曇野歩歩記」が私らしいという評価を受けた。
これも参考にしなければならない。


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