受験生が知りたい!会計監査実務

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分析しまっせ

2005年08月16日 | 会計監査実務
会計士の監査実務は、勘定や取引の監査要点について問題ないという心証(監査証拠)を入手し、積み上げる作業の連続になります。
監査証拠を入手する為、監査人は監査手続を実施しますが、今回は分析的手続についての実務を紹介します。

委員会報告では、分析的手続の手法として①趨勢分析②比率分析③合理性テスト④回帰分析が挙げられています。実務では①~③の手続をよく実施しています。
( *`ω)φ__カリカリカリカリカリ…

①・②
 勘定残高を前年同期残高と比較して趨勢分析を行い、異常な状況がないか検証します。前期に比べ大きく変動している科目は、そこに何らかの異常な状況(事業の変化や異常取引等の存在、会計方針の変更など)が潜んでいるシグナルの可能性があります。また、普段と異なる状況下にあるにも拘らず、前年と同じような残高である場合も異常な状況にあると推定されます。
 また売掛金の回転期間や支払利息の平均利率などの比率を算出し、前期比や月次での比率分析をすることで異常の糸口を探っていきます。


 それに対して、合理性テストは、特定の財務数値について監査人が推定値をざっくりと計算して乖離具合を見る手法です。
 支払利息や減価償却費などは、借入金の残高・利率や減価償却資産の平均耐用年数・償却方法などから計上額の推定値を計算することが出来ます。この推定値と会社が計上している財務数値とが大きく乖離していると、そこに異常な状況がある可能性があるわけです。\_(*゜▽゜)


 監査実務では、まず分析的手続を実施した上で詳細な実証手続(突合や質問、実査立会確認)を実施していきます。
算出した比率や傾向の分析資料は、きれいに調書にまとめ、必要に応じて実施した詳細手続の調書と関連付けします。


そういった意味では分析的手続は、非常に重要な手続ですし、財務数値を捉えて分析する感性が非常に求められる手続でもあります。

監査法人採用準備室
管理人 あかさか

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (東京の片隅でひっそりと働く会計士)
2005-08-20 02:13:21
監査法人採用準備室 あかさかサマ



初めまして!東京の片隅でひっそりと働く会計士と申します。

今日Blogを投稿する際、分析的手続について適切な説明をされていたので、この記事にリンクをさせて頂きました(本来ならTBを使う所ですが、TBを受け付けられていないようなので…)。



また、もし宜しければ、相互リンクをご検討して頂けると幸いです。それでは、宜しくお願いいたします。
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相互リンクさせて頂きました (東京の片隅でひっそりと働く会計士)
2005-08-20 12:30:03
あかさかサマ



早速、Blogへのコメントを頂き、ありがとうございました。

私のBlogにもリンクを貼らせて頂きました。

今後とも宜しくお願い致します☆

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