上場会社監査事務所

日本公認会計士協会は、平成２３年６月１日付で、監査法人ワールドリンクスと、やよい監査法人が申請していた「上場会社監査事務所登録制度」における上場会社監査事務所への登録を認めないこととしました。

この制度に登録されなかった場合でも、監査法人が上場会社の監査を行うことは法律上可能ですが、東証等の証券取引所における自主規制として、「上場会社監査事務所であること、又はその申請中であること」を要求しているため、証券取引所からＮＯが出てしまうことになります。


なお、現在進行中の事業年度については、監査ができますが、翌事業年度からは別の監査人を選任する必要があります。
今回の処分直前に担当している上場会社は、以下のとおり。両監査法人の上場会社クライアントからは、既にひと通りのＩＲが発表されていると思います。

＜監査法人ワールドリンクス＞
【1757】クレアホールディングス株式会社
【2724】インスパイアー株式会社

＜やよい監査法人＞
【2766】日本風力開発株式会社
【9898】株式会社サハダイヤモンド
【2447】株式会社Now Loading
【4798】株式会社エル・シー・エーホールディングス
【9822】株式会社クロニクル

レピュテーション・リスク（Reputation Risk）により、仮に今後上場会社監査事務所に登録されたとしても、上場会社のクライアントが戻ることはないでしょうね。


■上場会社監査事務所名簿の閲覧メニュー
http://tms.jicpa.or.jp/offios/pub/menu.do


■登録を認めない理由（監査法人ワールドリンクス、やよい監査法人）

品質管理のシステムに重要な瑕疵があるため、監査対象とした財務諸表における重要な虚偽の表示を看過している相当程度の懸念が認められ、実施した監査業務において職業的専門家としての基準及び法令等に対する重要な準拠性違反が発生している重大な懸念があると判断された。このため、上場会社監査事務所部会への登録申請を認めないこととした。
（平成２３年６月１日品質管理審議会決定、平成２３年６月１日監査事務所に通知）