頑固爺の言いたい放題

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「専門家会議」廃止と「分科会」発足の理由

2020-07-09 15:42:55 | メモ帳

西村康稔コロナ対策担当大臣は6月24日夕刻、突然に「専門家会議」を廃止すると発表した。その同じ時間帯に「専門家会議」の尾身茂副座長は記者会見を開き、それまでの作業を総括していた。その時、尾身氏が「専門家会議」廃止について知らされていなかったことは明らかである。

なぜそんな行き違いが起きたのか不思議に思っていたが、最近の「まぐまぐニュース」で、評論家の高野孟氏が意見を述べているので、以下に引用する(赤字)。なお、文中に毎日新聞の記事を引用している部分があり、それは青字にしてある。また、重要な箇所には下線を施した。全文をご覧になりたい方は次のURLを開けて頂きたい。なお、読めばわかるが、高野氏はかなり反政府的立場の方である。

https://i.mag2.jp/r?aid=a5f042e68e0789

西村康稔コロナ対策担当大臣が6月24日、政府の「専門家会議」を廃止すると唐突に発表したのは、安倍政権のコロナ対策の大失敗を隠蔽――と言うと少し言い過ぎかもしれないが、そのプロセスを詳細に検証されることを避けたいがために、早くその痕跡を消去してしまおうと思う「逃げの心理」の現れだった。
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何をこんなに慌てふためいて、後に陳謝しなければならないような行動に出たのか。あくまで推測に過ぎないが、専門家会議がこの夕方の会見で「専門家会議と政府の役割分担の明確化」を主張するらしいと聞いて、専門家たちが政府の政策の遅れに批判がましいことをいうのではないかと疑心暗鬼に陥り、ならば先手を打って同会議の廃止を発表してしまったほうがいいと(注1)、いかにも今井尚哉氏らしい小賢しいことを考えたのではあるまいか。
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政府は、政府との軋轢を公表するような会見を専門家会議が開くことを、苦々しく思っていて、政府が常に後手に回っていたとの印象を抱かれないように、先回りして専門家会議の廃止を発表したフシがある。(注2)
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そんな小狡い手練手管を弄しても、日本のコロナ対策が大失敗だったという事実を覆い隠すことはできない。安倍首相自身は自らが主導した対策を「日本モデル」とまで自賛したが、そう思っている人は国内でも少なく、世界では皆無である。それについての言説はたくさん湧き出ているが、分かりやすいのは児玉龍彦=東大名誉教授のインタビューである(「日本の対策『失敗』/第2波へ検査拡充せよ」=毎日新聞6月30日付夕刊)。

東アジアの中でコロナ対策に失敗したのは日本だった。医療崩壊を防ぐという名目で政府主導によりPCR検査の数を制限してきた。大量の検査をしないというのは世界に類を見ない暴挙である(注3)。感染症を専門としている人間にとって、この発想はあり得ない。感染症対策のイロハは、誰が感染しているかをきちんとつかむことである。
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台湾や韓国などの対策は、感染者の全容を明らかにしようとするもので、症状が出ていない人も把握して(注4)、社会の安全安心を守るというものだった。日本では無症状者を把握することがなおざりにされた。無症状の人が多い一方で、病院や高齢者施設に入り込むと、非常に致死性の高いウイルスとして牙をむく。新型コロナの持つこの二面性が十分に理解されていないから、政府の専門家会議メンバーの有識者があのような発言をするのである。

あのような発言とは、「コロナはそこまで〔検査を広げるほど〕のものではない」「大量に検査すると医療が崩壊する」といった内容のものだが、さて果たして専門家たちは本当にそう思っていたのか、それとも政府にそう言わされていたのか、そこはこれから突っ込んだ検証が必要な1つのポイントである。
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それにしても、なぜ政府側はそんな基本的な事実を公にしたくなかったのか。そこはそれこそ検証が必要だが、厚生労働省にはこれまでの感染症対策の経験に基づくクラスター追跡の手法へのこだわり、自分らの直系の保健所に検査の権限を集中させておきたいという縦割り意識、などが働いていたのだろうし、官邸には東京五輪を中止させないためにできるだけ感染者数を少なく見せたいという政治的な思惑が働いたのかもしれない(注5)

なぜ政府は「専門家会議」を廃止して、「感染症対策分科会」を新たに発足させたのか、という疑問に対する答えは(注1)から(注4)に至る説明であろう。

(注1)と(注2)は、感情的・情緒的側面であり、その程度のことで制度を変えるだろうか。理由の一つとしては理解できるが、主たる理由ではないだろう。

(注3)のPCR検査を制限したのは事実である。確かに、2月ごろはPCR検査を受けたくても電話がつながらないとか、検査機関で断られるとかの問題が起きていた。しかし、日本はこれまでSARSなどの感染症被害がほとんどなかったために、検査体制が整っていなかったのだから、それが政府の失策とは言えない。

「政府は『医療崩壊』を防ぐために、PCR検査を制限した」というが、それは“患者が増えすぎると、医師と病床が足りなくなる”という意味なのか。その時点では、医師も病床も十分余裕があったはずで、このロジックの意味がわからない。

さらに、PCR検査を制限したのは3月上旬ごろまでのことであり、それを3カ月も経ってからの<「専門家会議」の廃止>と結びつけるのには無理がある。

(注4)の「台湾や韓国などの対策は、・・・症状が出ていない人も把握して」に注目したい。「症状がでていない人も把握して」とはどういうことだろう? 医療関係者や「夜の街」関係者に絞って強制的に検査することであれば理解できるが、地域を限定しても(例えば東京都)、すべての人を検査することは、物理的に無理ではないだろうか。

(注5)の厚労省の役人根性は、<「専門家会議」廃止>の理由の一つかも知れぬが、それが主たる理由になるとは思えない。

結論として、高野孟氏の説明は理解できる部分もあるが、<「専門家会議」を廃止して、新しい組織を作る>説明としては不十分である。言い換えると、政府の説明不足ということである。

「専門家会議」の代わりに「感染症対策分科会」が新たに発足したが、その会長が「専門家会議」の副座長だった尾身茂氏で、副会長が「専門家会議」の座長だった脇田隆字氏だというからヘッド部分は同じである。ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏が新たに加わったが、まさか山中氏を加えたいために、「分科会」を発足させたということはないだろうね。(笑)

閑話休題、本日(7月9日)の東京都における感染者数は220人を超えたという。都民の「自粛」が不十分なのか。小池知事は再度Tokyo Alert を宣言すべきだろう。



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2 コメント

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西村大臣 (頑固爺)
2020-07-12 16:15:23
草莽崛起様
西村大臣はひと頃、総理候補に上がったことがあるけど、この1件でその目は消えた。
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Unknown (草莽崛起)
2020-07-09 18:31:41
専門家会議が会見をしている
同時刻に、急遽 会見を開き
【専門家会議の廃止】を告げた
爬虫類顔の西村大臣のやり方
って、普通 ないですよね。

官邸とすれば、「あの野郎等
(=専門家会議のメンバー)、勝手な
会見を開きやがって! 
もう使えねーな」ってことが真実では?

記者からそれを聞いた時の
オミ氏の鳩が豆鉄砲をくらった様な
顔がとても印象的でした。

普通なら、「ふざけるな!辞める!」と
けつをまくるのでしょうが、彼等は
何枚も人間的に上、このまま敵前
逃亡は出来ないとして新組織の
トップとNo2を引き受けたのだと
思います。

官邸の🐴🦌と格段に人間として
ラベル・レベルが異なります。

それにしても西村某のcold blood的、
snakeの様な顔と好々爺的なオミ氏の
顔は好対照、来し方の振る舞いが
顔を作り上げると云う解りやすい例
です。

ニヤニヤ顔の加藤某厚労大臣と
西村某経済再生担当大臣の役割
分担がサッパリわかりましぇーん!
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