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大分のさだまさしファンの独り言

大分に住んでいるさだまさしさんのファンです。所有のアルバムなどを紹介しながら不定期に思い出などを書いていこうと思います。

Sada Pedia 7 夢ばかりみていた

2012-07-05 01:43:31 | SADAPEDIA

梅雨がようやくあけ始めましたが、世の中の方は消費税やら与党分裂やらで湿っています。

尤も「分りやすい政治」な~んて言ってる人は大概嘘つきか世間知らずですし(世の中そんなに分りやすいことばかりじゃないでしょ?夫婦の問題だってややこしいのに:笑)、そうかと思うと歯切れだけよく意見だけ言う人もどうも…。私は昔から声と態度の大きい人は嫌いなんです(笑)。

さて、世の中はうつるにけりに・・・という感じで過ぎていきますが、このSadaPediaも今日から第二シーズン。
今日からしばらく90年代初期のアルバムになります。
今日ご紹介するのは、「夢ばかりみていた」です。




夢ばかりみていた (90.2.25)
1、夢ばかりみていた  2、1989年渋滞 3、修羅の如く 4、初恋 5、十六夜
6、破 7、デイジー 8、せっせっせ 9、冬の蝉 10、赤い靴

以下チャートのランクの決め方は初回をご覧下さい。(今回から表示が変わります)
初めて聴く方のさださんのアルバム検索をよりやりやすい表示にしました。
①ヒット:B
シングル曲があり、ヒットしていればA、していなければB、シングルなしならC

②コミカル:C
関白宣言、関白失脚、雨やどり、私は犬になりたいなどのコミカル系があるか?
③国風:C
飛梅、まほろば、修二会などの日本の文化、建造物などの曲があるか?
④恋愛ソング:C’
いわゆる恋愛ソングが多いかどうか?ちなみにさださんの場合皆無のアルバムは無いです。
⑤社会性:B
前夜、空き缶と白鷺、遥かなるクリスマスなどの社会的な曲があるか?またその程度により分類

さださんは85年に「恋愛症候群」でスマッシュヒットを飛ばして以降、いわゆるシングルヒットから遠ざかります。それは個人的に悪いことだと思っていないのですが、世間的に「さだまさし」の知名度を下げていく(とりわけ若年層)ことになったのは事実でしょう。尤もさださんの魅力は「各々の曲との出会い」にあると思っているので、だから若年層のファンが皆無になったか?と言われるとそうとばかりもいえません。あくまでも、中島みゆきさんや小田和正さんなどのように定期的にヒットを飛ばす=良い意味でも悪い意味でも時流に乗ることでの爆発的知名度とは無縁になった、ということです。

さて、このアルバムが出たのはバブルがはじけるまさにその時に発売されました。90年3月に大蔵省が土地関連融資の抑制についての通達を出し(いわゆる総量規制)、ここから日本の経済は一気に冷え込み、失われた10年(もしくは20年)に突入していきます。
よって世相が暗くなる手前のアルバムなので、いわゆる後の「さよならにっぽん」などのような世間への葛藤的な表現の曲はまだありません。葛藤と言えばさださんは「前夜」「空き缶と白鷺」などが有名ですが、これは世相というより内面的な葛藤であり、今回のアルバムで言えば「1989年、渋滞」がそれにあたります。この葛藤が「曲の上」で社会や国、日本人など外へ向かうようになったのはやはり平成になってバブルがはじけて以降のような気がします。そういう意味で「昭和の匂いがまだ残るアルバム」ともいえます。

①のヒット、という意味でかろうじて「冬の蝉」がシングルですが年末時代劇でそこそこ有名にはなったものの、ヒットとは言えません。②③はその雛型にあたる曲はなく、角ばった所がないアルバム=好き嫌いのわかれないアルバムといえるでしょうか。事実、曲として非常に良い曲が多く、さだまさし初心者には意外と良いかもしれません。

プロローグ代わりの「夢ばかりみていた」はアルバムの始まりとしてとても重要で、この曲単体では地味ですがコンサートや自分で作るカセット(今なら自作のCDやコンピュレーションアルバム)の1曲目に入れると極めて良い働きをします。
先述した「1989年、渋滞」はライブでも映える曲で、ファンの間でも人気が高い曲です。ロックテイストの編曲で、尖った田舎から出てきたギター少年時代と今の自分、世間と自分、田舎と都会、それらが対比して描かれていて「変わること」あるいは「変わってしまったこと」を認めつつ、また諦めつつ、でも「心」を置き去りに「からっぽ」で生きていくことはできない、という、バブルの終わりの東京で再度「何か」を決心するとても「強く」また「儚い」詩です。それは同時に傾きかけつつある日本の景気や社会への投影であったのかもしれません。サブタイトルの「故大屋順平に捧ぐ」を見ても分るように、さださんの当時の決意が込められた詩なのでしょう。
3曲目の「修羅の如く」も哲学的なテーマであり、愛の歌ではあるけれども「恋」の詩ではない。そして4曲目の「初恋」でやっと「恋」の詩が出てくる。通常のアルバムよりも「恋」の曲が少なく、アルバムテーマである「愛」や「夢」の曲が多くなっている訳ですね。よって④はC’としました。

さだー1でも書きましたがこの「初恋」という曲は同名の様々な曲の中でも好きな曲で、なぜこの曲がもっと認知されないのか不思議なくらいです。まあ確かに写真に桜の花びら、通学バスなど今様の恋ではないのかなあ、とも思いますが「初恋」などは今も昔も儚いほわっとしたものではないのか!責任者でてこ~い、と人生幸朗ご夫婦の漫才みたいなことを思うわけですが(汗)。さだ初心者の方、「初恋」を是非!

そのほか、木根川橋の系譜とも言える「十六夜」、ADVANTAGE辺りから出てきたおしゃれ路線?の「破」、亡き福田幾太郎さんの言葉が軸になる、ファンには人気の「デイジー」、「神話」(印象派参照)と双璧の女性の情念の詩「せっせっせ」、「冬の蝉」を挟み、最後の曲は「赤い靴」。
この赤い靴は聞き始めた時はそれほどではなかったのですが、じわじわと染み入るように心に残る曲で特に二番の「僕の長い坂道は 遠く険しいけれど 登りつめた時に きっと眩しい風景が待っていると信じて…」と続く部分は「夢」がテーマであるこのアルバムの締めにふさわしいのだな、と思います。

このアルバムは「夢」をテーマにして、全体的な統一感を持たせていて、バラード、ロックテイストな曲、ほのぼのとした曲とバラエティに富んでいて、実は90年代のさださんのアルバムの中で屈指の名盤になっています。ですからさださんの曲を始めて聴く方で、でも昔の曲はちょっと…という方にはお勧めできるアルバムです。

リアルタイムで聴いていた時、特に最初の方は「十六夜」や「せっせっせ」に違和感があったのですが、さださんの名盤に往々にしてあるように、これらの一見地味な曲が非常によいアクセントになっています。編曲もいつもの渡辺さん、服部(隆)さん、そしてギターのみアレンジなしまで、とにかくバランスが取れています。

では、お勧め総合ランキング(この部分は毎週変動が起こります)

1位「風見鶏
2位「夢ばかりみていた」
3位「私花集」
4位「帰去来」
5位「せせらぎ」
6位「コミュニケーション」
7位「わすれもの」


<超個人的私見>
ここはご異論もあると思うのですが、今どのアルバムを1枚選ぶか?となった時に、結構な高順位にならざるをえないのです。また、さださんを知らない人が聴いた時心に引っかかる要素の多いアルバムかな?と個人的に思います。ベタなら「冬の蝉」で。

では、また!


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ろば)
2015-07-01 05:05:18
破がとても好きで
佐田玲子さんのアルバムでも
よく聴いていたのを思い出します。
生で佐田玲子さんのひまわりを
トシちゃんも来ていたラジオ収録で
聴いたときに、気がついたら泣いていました。

私はなりふり構わずに苦しがって
いたけれど 苦しいこと誰にもあり
言葉にしなくても乗り越えてきている
ひとがきっと沢山いるのでしょう…
返信する
ろばさんへ (さだファンの管理人)
2015-07-09 02:45:17
コメントありがとうございます。
返信が遅くなって申し訳ございません(謝)。
>破
破はとても良い曲だと思います。
アルバムの中でもアクセントになるし、おっしゃる通り玲子さんに提供した曲の中でも秀逸です。
歌詞もそうですが曲が素晴らしいです。
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